米国|バイデン-ハリス政権、米国の運輸セクターの脱炭素化に向けた青写真を発表
交通網の転換に向けた4省庁の協力戦略の第一歩
2023年1月10日、バイデン・ハリス政権は、米国の運輸セクター脱炭素化のための国家青写真を発表しました。米国エネルギー省(DOE)、運輸省(DOT)、と住宅都市開発省(HUD)、環境保護庁(EPA)の共同によって作成された青写真は、2050年までに運輸部門からのすべての温室効果ガス排出量を削減するため、交通網の転換に向けた戦略として発表されました。
ここでは「この青写真の背景となる覚書の内容」「運輸セクターの脱炭素化に向けた青写真の内容」について記事になっています。
この青写真の背景となる覚書の内容:
2022年9月、Jennifer M. Granholmエネルギー省長官、Pete Buttigieg運輸省長官、Marcia Fudge住宅都市開発省長官、Michael S. Regan環境保護庁長官は、バイデン政権が進めていた脱炭素化行動計画のマイルストーンの第一歩として、覚書(Memorandum of understanding、MOU)に署名しました。この覚書では、以下の事を高い目標として設定し、包括的な戦略を立てることを各省庁に求めていました。
- 運輸セクターの脱炭素化
- 大気汚染の削減
- エネルギー消費率が高い輸送を安価に提供することで国民の生活コストを削減
- 各地域社会で公平に住宅や仕事が分散されるような法的制度の開発・施行
- 地域や国内のサプライチェーンの確保や効率化
- 国内の高収入の雇用を支援
- 世界における脱炭素化をリード
この覚書では、署名した4省庁が合同チームを結成し、90日以内に今後の脱酸素化に向けた政策や研究開発における官民での協力体制の指針となる案を起草することが盛り込まれていました。
また、指針案の策定や実施においては、
他の連邦政府機関(農務省など)と協議し、州、地方、部族レベルの政府、慈善団体、政府組織(公正取引委員会、環境品質評議会、NCTF(National Climate Task Force、国家気候タスクフォース)など)、非政府組織(Non-governmental organizations、NGOs)、産業界、労働界、学術界、グローバルパートナーなどと協力すること、この分野における米国政府のリーダーシップを発揮できるように新しい代替エネルギーやそれを用いた交通のインフラストラクチャーなどを計画・展開することなども盛り込まれました。
運輸セクターの脱炭素化に向けた青写真の内容:
特に陸、海、空でのあらゆる移動手段を含む運輸セクターは米国国内の温室効果ガス排出量の3分の1を占め、また家計費の中でこのセクターのために使用される費用も膨大です。
そのため、今回発表された青写真では、気候変動に対処するための脱炭素化のマイルストーンとして、2035年までに100%クリーンな電力網を確保し、2040年までには温室ガス対策として開発・研究・支援された技術を普及し、2050年までに運輸セクターにおける正味ゼロの炭素排出量に到達することが目標として提示されています。
また、この目標値に到達するために今回の青写真では、より持続可能な輸送システムを構築するため、安全で公平な交通網を採用し、政府のリーダーシップの下で各省庁が協力して技術開発や法整備を実施することを表明しています。
具体的には、例えば歩行や自転車などで移動するための利便性の確保や地域社会の構築、公共交通機関などによる移動を促進して運輸セクターに使用するエネルギーの有効利用が考えられています。
また、ゼロエミッションを実現した移動や運輸手段として、持続可能燃料や水素エネルギー、電気バッテリー利用の自動車、トラック、鉄道などが考えられ、それぞれの利点が表示されています。
この青写真で提示された協力体制によって、運輸省は「温室効果ガスは運輸セクター以外に住宅とエネルギー産生のセクターが排出しているため、これらを司る法規制を実施する機関との協力により全体の排出量を抑えることができる」、また住宅都市開発省は「温室効果ガスや環境汚染の影響を受けているのは脆弱な地域や世帯コミュニティであり、その負担を減らすためにはすべての省庁を結ぶ横断的な対策が不可欠である」と考えています。
また、環境保護庁(EPA)は「気候変動に対する画期的な技術開発を推進しながら地球環境保護を行える」、エネルギー省は「有害な汚染を排除したクリーンなエネルギーを運輸セクターが使用することで、製造業や輸送業の事業者が輸送コストの削減や職員給料の確保できる」と考えています。今後も、脱炭素化に向けて、この4つの省庁や関連機関の協力体制は続き、持続可能で先進的な輸送システムの実現を目指す一連の包括的な戦略や行動計画が作成される予定です。
参考:
バイデン・ハリス政権がアメリカの運輸部門を脱炭素化するための初の青写真を発表
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