FDAによる鉛の量に対する産業界向けガイダンス草案
2023年1月25日、米国食品医薬品局(FDA)は、「乳児と幼児を対象とした食品中の鉛の量:業界向けガイダンス草案」という業界向けガイダンスを提案し、乳幼児用食品の鉛の量の最低量を示しました。ここでは、「背景」「内容」が記事になっています。
背景:
鉛は古くは塗料や化粧用色素を始め、様々な目的で使われていました。現在でも水道管、ハンダの原材料等として利用されています。
しかし、鉛による中毒は古くから報告されており、現在では低濃度の鉛を長期間にわたって摂取し続けることにより、特に子供の認知発達、知的行動への悪影響が懸念されています。鉛の使用用途が多様であるため、食品だけからではなく、例えば陶器の染料に接した食品や水道管を通った水道水のように、意図せず体内に入り蓄積することがあります。
このように意図せず食品に含まれる有害化学物質については、「生産からまでで適切な措置を行い食品に含まれる量を減らす」ことが国際的な見解で、日本、EU、米国では食品中の含有量の基準値が設けられています。しかし、南アジアなどで小さい子供の鉛中毒の例が後を絶たず、鉛の限界量が低い乳幼児対象の食品の中に含まれる鉛量は特に注意が必要です。
米国食品医薬品局(Food and Drug Administration、FDA)は、米国保健福祉省(United States Department of Health and Human Services、HHS)傘下の連邦組織で、食品、医薬品の製造に関するガイダンス草案を発行しています。ガイダンス草案では、対象となる食品・製品についてのFDAの現在の考え方が表れています。
今回発表されたガイダンス草案を作成するにあたり、FDAは、有害元素プログラム、122サンプルにおけるFDA調査、44サンプルにおけるFDAのトータルダイエット研究を通じて収集された情報をもとに、穀物を主とするスナック(歯の成長を促すビスケット、パフ、ラスク、ウエハースなど)について、鉛含有量を評価しました。
有毒元素プログラムとFDAの調査データによると、これらの穀物ベースのスナックの平均鉛濃度は11.1 ppb(Parts-Per-Billionの略で、1 microgram/Liter)であり、多く(90〜95%)の食品が含む鉛濃度は18.7〜26.8ppbの範囲でした。トータルダイエット研究の測定データによると、44サンプルにおける平均鉛濃度が17.6ppbと、わずかに高い値でした。
また、2003年から2018年の国民健康栄養調査の食品消費部分「アメリカで食べるもの」の離乳食消費データも評価しました。離乳食消費データでは、サブグループ「穀物ベースのスナック」の消費量が比較的少ないことがわかりました。
内容:
今回、FDAは、「乳幼児を対象とした食品中の鉛の行動レベル:業界向けガイダンス草案」という業界向けガイダンス草案を提案しました。
ガイダンス草案が最終決定されると、乳児や幼児向けの加工食品の鉛について、果物、野菜(単一成分の根菜を除く)、混合物、ヨーグルト、カスタード/プリン、単一成分の肉の鉛の量が10ppbとなります。また、単一成分の根菜類の場合は20 ppbとなります。ドライシリアルの場合も同様に20ppbとなります。
ただし、この値を超えた鉛濃度を持つ乳幼児用食品があった場合、どのような強制措置を取るかどうかは出されたコメントを十分に考慮する予定です。FDAでは、以下の事柄に関するコメントを特に受け付けています。この草案に関するコメントは37日以内(2023年3月27日)まで受け付けています。
- カテゴリー「乳幼児食品」の鉛濃度について十分なデータまたは情報があるかどうかを含め、今回提案された内容の全般に関するコメント
- 食品を介した鉛曝露のレベルをさらに低くする可能性のあるデータ、例えば、血中濃度が非常に低い子供の認知能力への悪影響を示すデータがあるかどうかについてのコメント。特に、果物などの食品で設定された、10ppm(ppb)に関連するデータがあるかどうかのコメント。
- この食品カテゴリーの消費パターンと鉛への曝露、および乳幼児の食事におけるこれらの製品の役割に関する情報に関するコメント
参考:
注目情報一覧
新着商品情報一覧
調査相談はこちら
概要調査、詳細調査、比較調査、個別の和訳、定期報告調査、年間コンサルなど
様々な調査に柔軟に対応可能でございます。
- ●●の詳細調査/定期報告調査
- ●●の他国(複数)における規制状況調査
- 細かな質問への適宜対応が可能な年間相談サービス
- 世界複数ヵ国における●●の比較調査 など