米国|鉛蓄電池製造工場及び鉛蓄電池製造地域排出源に関する有害大気汚染物質国家排出基準の見直し

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米国|鉛蓄電池製造工場及び鉛蓄電池製造地域排出源に関する有害大気汚染物質国家排出基準の見直し

鉛蓄電池の製造工場の性能試験の報告方法の見直しと新しい鉛検知システムの採用

2023年2月23日、環境保護庁(EPA)は、鉛蓄電池製造工場の新しい発生源性能基準(NSPS)と、鉛蓄電池製造地域の排出源に対する有害大気汚染物質の国家排出基準(NESHAP)の見直し結果を発表しました。この最終規則は2023年2月23日より発効されています。ここでは、「背景」「改正された内容」について記事になっています。

背景:

鉛電池は電極に鉛を用いた二次電池の一種で、比較的高い電圧を取り出すことができ、電極材料の鉛も安価であることから、二次電池の中では世界でも最も生産量が多い電池です。

短時間で大きく、または長時間で緩やかに使用しても比較的安定な放電ができること、他の二次電池と異なって放電しきらない状態で再充電を行っても障害が表れないことが特徴です。自動車のバッテリーとして広く利用されているのをはじめ、産業用として商用電源が停電した時の浮動充電用無停電電源装置やバッテリーで駆動する電動フォークリフト・ゴルフカートなどの主電源としても利用されています。

鉛は自然界に存在し食物にも僅かに含まれて常時摂取されており、一定量以下の場合、尿中などに排泄されます。しかし、有機化合物を摂取し、排泄を上回る鉛を長期間摂取すると体内に蓄積されて、毒性を持ちます。体表や消化器官に対する曝露(接触・定着)により腹痛・嘔吐・伸筋麻痺・感覚異常症など様々な中毒症状を起こすほか、血液に作用すると溶血性貧血・ヘム合成系障害・免疫系の抑制・腎臓への影響なども引き起こすことがわかっています。

このため、米国では鉛電池を製造している工場に対して、また担当地域に工場など発生源を持つ排水処理場などに、基準と規制が設けられています。

米国では、特定の汚染源に対して基準が公表された時点で既存の施設であるか、もしくは公表後に建設されている施設なのか、が区別されています。一般的に、新しく建設された施設は、最新かつ最先端の制御技術を使用して工場を設計できることから、既存の施設の基準よりも厳しい場合が多いです。

このため、大気浄化法(Clean Air Act、CAA)に基づいて米国環境庁(Environmental Protection Agency、EPA)は、鉛蓄電池製造地域に対する有害大気汚染物質の国家排出基準(National Emission Standards for Hazardous Air Pollutants 、NESHAP)以外に、鉛蓄電池製造工場の新規供給源性能基準(New Source Performance Standards、NSPS)という基準も設けています。

2022年よりこれら基準の見直しが、この時に発表された規則案を土台にして、再検討されていました。今回、EPAはこの提案後に提出されたコメントに基づき、NESHAPとNSPSの見直しの最終決定を行っています。

改正された内容:

今回、大気浄化法(CAA)のもとでEPAが義務付けられている、鉛蓄電池製造工場に対する2つの基準、NSPSおよびNESHAP、に対する見直しが行われ、最終規則が発表されました。今回の最終規則により、鉛蓄電池の生産に関わる施設が含まれる鉛蓄電池の製造源カテゴリーに影響が及ぼされると考えられます。

今回、NESHAPと2022 年 2 月 23 日以降に建設、改築、または改造を開始した鉛蓄電池製造施設向けのNSPSの両方について、以下の点が新しく改定されました。

1.グリッドキャスト(グリッド鋳物)、ペースト混合、および鉛再生処理に関する鉛排出規制値の改定

2.基準への適合を証明するための5年に1回の性能試験、鉛粉塵の飛散を最小限に抑える作業方法、織布フィルターの検査頻度の増加、鉛の再生活動とみなされる活動の明確化、性能試験結果および半期適合報告の電子報告や起動・停止・故障期間(SSM)に関する免責の撤廃が適用

3.グリッドキャスト製造施設や酸化鉛製造施設を含むがこれに限定されない、鉛含有電池の部品製造や投入材料の加工を行う施設の全てがNESHAPの対象となるように、適用規定の改訂

4,新規施設に対して、二次的なフィルターを含まない織布フィルター制御される場合には、漏れを検知するシステムを運用の必要性を求める要件を確定

今回のNSPSの改定により鉛の許容排出量に関する規制が強化されています。また、NESHAPの改定では、法令遵守の要件やSSM期間の撤廃、試験結果の報告などの基準が強化されています。

参考:

鉛蓄電池製造工場に関する新基準の見直し、鉛蓄電池製造地域排出源に関する有害大気汚染物質国家排出基準の見直し

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