輸送カテゴリーの飛行機と輸送カテゴリーの回転翼航空機の書類提出に関する方針書案
2023年03月02日、運輸省の連邦航空局(FAA)は、輸送カテゴリーに属する航空機の型式証明書を修正する申請者に対して、修正案の開示を求めるためにFAAの手順を改定する方針書案を発表しました。また、これに対するコメントを04月03日まで受け付けています。ここでは、「方針書案の作成の背景」「型式証明書とは」「方針書案の内容」について記事になっています。
方針書案の作成の背景:
運輸省(Department of Transportation、DOT)の連邦航空局(Federal Aviation Administration、FAA)は、航空輸送の安全維持を担当する部局で、米国の航空機の開発・製造・修理・運航の全てが、同局に承認されることによって行われています。日本の国土交通省の航空局に当たる部局です。
FAAは民間および軍用航空機の航空管制システムの開発や運用、民間航空機の安全向上のための航空機の設計、航空機の乗員の訓練や機体の整備計画などの基準となる規定を策定し、その承認を行っています。
加えて、民間航空技術の開発支援や民間及び国家宇宙航空に関する技術開発などにも携わっています。製造者が航空機の型式を新規または変更申請を行う場合には、「航空機の認証、安全、および説明責任に関する法律(Aircraft Certification, Safety, and Accountability Act)」に従い、まず新規の型式証明書やその修正に関する書類を、FAAに提出しなければなりません。
米国では日本に比べて国土が広いため、貨物の輸送においてトラック輸送、鉄道輸送、船舶輸送と比較して航空輸送が占める割合が多くなっています。さらに、現代においてはCOVID-19による影響から電子商取引が多くなり、比例して国際貨物を含む航空機による貨物輸送量が増加傾向です。
一方、ロシアのウクライナ侵攻に伴ってエネルギー供給が不安定化し、輸送事業者が航空輸送に費やすエネルギーやそのコストを削減したい傾向にあります。これらの理由から、米国行政機関は各運送事業者や業界団体と協力して空港の整備や手続きの一部を改定するなどし、航空輸送に費やされるコストやエネルギーを削減しながら輸送スピードを速める改善を行っています。
型式証明書とは:
米国において航空機を運行する場合、「耐空証明書」が必要となっています。この証明書の取得のための検査では「航空機の設計」「製造過程」「現在の状態」が審査されます。一方、航空機の製造業者が航空機の型についてを事前にFAAに申請し「型式証明書」を得ると、3つの審査のうち最後の「現在の状態」だけが審査され、前者の2つは省略されます。
航空機を導入する航空会社ではコストと時間を節約できるため、製造業者が型式証明書を取得した航空機を購入することがほぼ前提となっています。また、ヨーロッパや一部の国を除くほとんどの国では、自国の審査基準を持たず、米国の基準に準じている場合が多いため、製造業者にとって米国の型式証明を取得することは世界で航空機を販売する上で大きな利点となっています。
日本においてもFAAと同様の航空機に対する審査機関はあるものの、その規模は小さく、多くは書類審査に費やされ、またFAAが指定する検査とほぼ同様の検査を求めています。このため、航空機製造業者が日本で「型式証明書」と同様の証明書を得ても国内でのみ飛行可能になるだけで、大手の航空会社では購入対象になりません。
ユーロ圏においては、独自の認証システムがありますが、やはり販売が限られてしまうため、エアバス等の大手製造業者はヨーロッパの認証に加え、米国の「型式証明書」を取得する場合がほとんどです。
方針書案の内容:
FAAにおける航空機の「輸送カテゴリー」とは、輸送を担う航空機とヘリコプターなどの回転翼機が含まれています。今回、FAAは輸送カテゴリー航空機の型式証明書を修正する申請者に対して、認証プロセスの開始時に、単一の文書によって、FAAが航空機の製造業者に修正案の開示を求めることができるように、認証プロセスを改定する方針書案を発表しました。
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