家族への支援と富裕層と大企業からの税制負担を目的とした税制提案
2023年3月9日、米国財務省(DOT)は、ハリス・バイデン政権の2024年度歳入提案を発表しました。前年の計画を踏襲し、企業や富裕層への負担増、一般家庭への負担減を基本とし、米国の財政赤字を削減することを目標としています。ここでは、「歳入提案の背景」「歳入提案の内容」について記事になっています。
歳入提案の背景:
米国とハリス・バイデン政権は、貧困層からの脱出と中間層の成長を促進させるという大統領の戦略が、失業率の低下や雇用の増加、中小企業の創出などを導き、経済を回復させたと考えています。このため、この戦略を継続し、一般家庭の負担を削減し、社会保障と医療保険の強化、政府の赤字を削減することを目標に2024年度予算でも、この戦略を継続していく方向です。
歳入提案の内容:
米国財務省(Department of the Treasury、DOT)の財務長官は、「政府は責任ある投資を行い、経済的進歩を順調に進めています。企業と富裕層に公正な負担を課し、財政赤字を減少させます。一方、経済の成長促進への投資は継続し、過去2年間と同様の経済発展を継続させる」とコメントをつけて、2024年度の税制提案の概要を示す今回のグリーンブックを発表しました。
グリーンブックの主な収益提案は次のとおりです。
- 富裕層と大企業が公正な分担により税金を課すために、次の方法で行います。
- すべての多国籍企業が各管轄区域の収益に対してグローバルミニマム税を実施することで、企業の外国所得への課税を強化し、国際競争の場での米国企業の活性化を促します。
- 所得の上位0.01%の米国内で最も裕福な納税者に、25%の所得税を施行し、負担を課します。
- 自社株買いの税率を引き上げて、企業がその利益を労働者または会社の成長に再投資することを奨励します。
- 医療費に関わる税制の抜け穴を塞ぎ、メディケア信託基金に潤沢な財源を確保し、保険の支払能力のあるものにします。
- 労働者と家族への救済補償に関しては、次の方法で行います。
- 健康保険料の税額控除を拡大します。昨年度以降、米国国民は手ごろな価格で保険に加入でき、無保険率を低下させたことから、この戦略を継続します。
- 勤労所得税額控除を拡大して、子供のいない、より多くの労働者の税額を控除します。
- 児童税額控除を拡大し、年末に一括でではなく、毎月支払いとして時期を選ばずに利用できるようにし、児童とその家族が最も必要なときに救済を受けられるように、より実用的なシステムとします。2021年には、このシステムの拡大により、2万人の子どもたちが貧困から抜け出し、子どもの貧困率が低水準となったことから、この戦略を継続します。
- 低所得の不動産の賃貸人に手頃な価格の住宅の供給を増やすために、低所得住宅税額控除を拡大および強化します。
- さらに税法を戦略的かつ常識的に以下のように改革します。
- 化石燃料セクターへの投資を奨励することにより、市場を歪める化石燃料税の優遇措置を排除します。
- 一部の投資ファンド事業者が賃金ではなく、収益として計上し税金を支払うことを可能にする持ち出し利息(carried interest)の抜け穴を塞ぎます。
- 富裕層の資産を相続人に譲渡する際に、複雑な信託の取り決めを使用して税金を減らすことを可能にする相続税と贈与税の抜け穴を塞ぎます。
米国政府は、この2024年度の歳入提案により、富裕層と大企業が税制負担を請け負うことで、大統領予算が提案した様々なプログラムへの投資料金をねん出し、さらに今後10年間で約3兆ドルの追加赤字削減ができると考えています。
参考:
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