DOE、CAFEプログラムで使用する計算方法を変更する規則案を通知
2023年04月11日、米国エネルギー省(DOE)のエネルギー効率および再生可能エネルギー局は、米国環境保護庁(EPA)が計算しEPA運輸省(DOT)が管理する企業別平均燃費基準(CAFE)プログラムで使用する電気自動車(EV)の石油換算燃費の値を計算する手順に関する規則を改訂することを提案しました。また、この提案に対する意見を募集しています。
ここでは、「背景」「内容」が記事になっています。
背景:
CAFE規制の”CAFE”とは「Corporate Average Fuel Efficiency」のことで、日本語で「企業別平均燃費基準」と訳されることが多いです。CAFE規制とは、地球環境を保護する目的で、各自動車企業が販売している車がもっている燃費性能を向上させるために設定された基準です。
”企業別平均”と訳されるように、「企業ごとに販売しているすべての車種」を対象に、それぞれの販売台数を加味して平均化した燃費基準を計算する仕組みです。個々の車種ごとではなく、「企業全体で製造した自動車の平均した燃費性能」が基準となり、自動車企業はその基準をクリアしなければなりません。
この規則の特徴は、「企業ごと」に計算されることで、例えば、ある企業が燃費性能に優れる車を生み出してヒット作となればスポーツカーなどの燃費性能が比較的悪い自動車の生産を終了せずに済むことになります。特定の車種の燃費性能の上昇率次第では、企業は販売する車種のラインナップを減らさずに済むのが「CAFE規制」の特色です。
米国、欧州ではすでに採用されており、日本でも2030年より採用されるという提案が行われています。
米国では、エネルギー省(Department of Energy、DOE)が計算手順を定め、米国環境保護庁(Environmental Protection Agency、EPA)がこの企業ごとの平均燃費基準を計算して、運輸省(Department of Transportation、DOT)と米国歳入省(Internal Revenue Service、IRS)にデータを提供します。
その後、DOTがCAFE基準に準拠しているかを判断し、IRSが自動車企業より税金を徴収します。電気自動車に関する燃費基準の計算も同様で、1976年電気・ハイブリッド車研究開発・実証法(Electric and Hybrid Vehicle Research, Development, and Demonstration Act of 1976 )、」とされ、DOEは、「毎年電気自動車に関する燃費基準を見直し、車両のエネルギー効率や米国の発電量とそこで使われる燃料などの要因に基づき必要な改定を決定し、提案しなければならない」とされています。
その後、それを元にEPAが電気自動車の様々なクラスについてDOEが定めた同等の石油系の燃費の値を含めて計算します。
DOEは毎年の見直しの際、石油等量係数(petroleum equivalency factor、PEF)という係数を用いて、燃費基準を改定しています。
この提案以前は、DOEは電気自動車の電気エネルギー消費量の測定値をガソリン換算燃費値に変換し、この値を0.15で割って、最終的な石油換算燃費値とする計算方法を採用しています。
DOEはこの計算でもちいたPEF値である82,049 Wh/galを用いた石油換算燃費の値を計算する手順を2000 年 6 月から最終規則としており、その後計算方法を更新していません。
2021年10月22日、DOEは天然資源防衛評議会(Natural Resources Defense Council、NRDC)とシエラクラブ(Sierra Club)から、PEF値とそれを用いた計算手順において根拠となっている基礎データが古くなっており、PEF値等を変更した規制の更新が提案されました。
その後、DOEは規則を更新するのかについて10ものコメントを受け取りました。そして、それぞれのコメントを詳細に分析した結果、更新すべきであることに同意しました。
内容:
今回、DOEはPEF値等の計算手順の更新を提案しています。
DOEは、以下の4点:
①電気自動車のエネルギー効率
②全国平均発電量と送電効率
③あらゆる形態のエネルギーを節約するための米国の必要性並びに発電に使用されるすべての燃料の米国にとっての相対的な不足及び価値
④ガソリン車と比較した電気自動車の運転パターン
を考慮した計算手順の更新を提案しています。
例えば、米国で将来的に使用されると考えられる再生可能エネルギーの量やその割合なども細かく検討して②や③を考慮しています。
そして、DOEは最終的に2027–2031年CAFE規制期間のCAFE計算に使われるPEF値の計算で用いられる係数を23,160Wh(ワットアワー、1Whは860カロリー)/ gal(ガロン)とし、提案しています。
この値は、提案前に使用されている82,049 Wh/galよりもかなり低い値となっています。日産のガソリン車ヴェルサと同等のハイブリッド車リーフを比較するとPEF値が374.4から105.4になる計算になります。
この計算によるPEF値低下により、企業はより電気自動車の生産と販売促進を行ってCAFE基準を大幅に下げることが可能となるため、電気自動車の普及が急速に広がることが予想されます。
DOEは2023年6月12日まで、この規則案に対する意見を募集しています。
参考:
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