クリーン自動車の所得税控除に関する規制案
2023年04月17日、米国財務省の内国歳入庁(IRS)は、バッテリーを搭載した新しいプラグイン電気自動車や燃料電池車などのいわゆる「環境に優しい」自動車の購入に関する所得税額控除に関する規制案を通知しました。この内容によっては、対象となる車種を新車で購入する際に影響を受けます。公聴会を要求する場合は、2023年6月16日までにコメントを提出する必要があります。
背景:
内国歳入法(Internal Revenue Code)の第30D条では納税者が新規に購入して使用する場合、環境に優しいクリーン自動車、例えば新しく認定されたプラグイン電気自動車に課される税金に対して控除することが定義されています。控除の内容は、納税者が新しいクリーン自動車を使用する課税年度に決定されます。この第30D条は何度か修正が加えられ、最近では2022年8月16日に、一般にはインフレ抑制法(Inflation Reduction Act of 2022、IRA)によりその内容に修正が加えられています。
今回米国財務省の外局である内国歳入庁(Internal Revenue Service、IRS)は、IRAに基づきセクション30Dの修正を検討しています。
内容:
今回の改正の目的は、低中所得の米国人を対象に新しいクリーン自動車の購入と使用を促進し、国内企業のサプライチェーンの経済回復と国内製造を促進し、信頼できる相手国との貿易を強化し、大幅な炭素排出削減を達成することです。以下A~Fまでの6つの項目について改正を提案しています。
A.控除額と重要な鉱物およびバッテリーコンポーネントの要件
IRAの下で第30D条の控除金額を決定するための規則を修正します。以前の控除額は車両のバッテリー容量に基づいて決定されていました。今回は、車両当たり最大7,500ドルの控除額となることは同様ですが、重要な鉱物やバッテリーコンポーネントに関連した要件を満たす場合にのみ控除額が変化する仕組みとしました。例えば、希少価値の高い鉱物をバッテリーに使用している際はそのリサイクルに関する要件、北米で製造されているコンポーネントの割合に関する要件などが設定されています。
B.「クリーン自動車」の新しい定義
控除の対象となる車両の定義の修正を提案しています。適用を受けられる車両は「新しく認定されたプラグイン電気駆動自動車」ではなく、「新しいクリーン自動車」とし、7つの要件を満たす自動車と定義しています。例えば、自動車は再販のためではなく、納税者による使用またはリースでの使用が求められます。また、控除を受ける自動車は資格のあるメーカーによって製造されなければならず、自動車の総車両重量、バッテリーの電気容量や再充電が可能であることなど制限があります。さらには、最終組み立ては北米内で行われなければならず、車両を販売する事業者は、購入者と歳入庁長官に報告書を提出する義務があります。
C.最終組み立て要件
「最終組み立て」を、構成部品が車両内または車両に恒久的に取り付けられているかどうかに関係なく、「クリーン自動車の車両を製造するプロセス」として定義しています。
D. 段階的所得税控除廃止の撤廃
米国で控除の対象となる車両を少なくとも31万台販売した事業者に対して行っていた、控除の段階的廃止の規定が撤廃されています。
E. 特別規則
8つの新しい特別規則を追加します。例えば、車両識別番号(VIN)、高所得納税者、推奨小売価格の範囲外で販売される車、ディーラーへの控除の譲渡などの特別規定を追加しています。
F. IRA適用日
適応を受ける車の販売日などによる控除金額の修正の規定を変更しています。
参考:
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