米国|危険物規則に関して国際標準との整合を図る規則制定前通知を公示

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危険物規則の危険物表における危険物の追加やその内容の削除を提案し通知

2023年5月30日、運輸省(DOT)のパイプラインおよび危険物安全局(PHMSA)は、危険物規制(HMR)において危険物のクラス定義などの箇所に様々な改正を加えることを提案した、規則制定案の通知(NPRM)を発表しました。これにより、国際的な規制や基準と整合性を維持することを目的としています。ここでは「背景」「内容」について記事になっています。

背景:

米国運輸省(Department of Transportation、DOT)のパイプラインおよび危険物安全局(Pipeline and Hazardous Materials Safety Administration、PHMSA)は、生活に不可欠なエネルギーやその他の危険物の安全な輸送を進めるため、基準を設定および実施し、また事故を防ぐための研究をおこなっています。PHMSAはさらに危険物規制(Hazardous Materials Regulations、HMR)を国際的な規制や基準と調節することも行っています。これら活動により、PHMSAは危険物の中間貯蔵場所や輸送動脈やハブとなる場所の近くに在住しているマイノリティ、低所得者、その他の恵まれない人々や地域社会に対して、高い安全基準を提供しています。

内容:

2023年5月30日、PHMSAは、HMRの「適切な出荷名(PSN)」、「危険クラス」、「梱包グループ(PG)」、「特別規定(SP)」、「梱包許可」、「航空輸送量制限」、「船舶の積み付け要件」の変更・修正を行い、国際的な規則や基準と整合することを提案し通知しました。

この規則制定案(Notice of proposed rulemaking、NPRM)に記載されている注目すべき提案は以下の通りです。

•参照による組み込み:PHMSAは、次の国際的な危険物規制および基準の更新バージョンを参照として組み込むことを提案しています:国際民間航空機関への危険物の安全な輸送のための技術指示(ICAO Technical Instructions)、国際海上危険物コード(IMDG code)、危険物の輸送に関する国連勧告の第22改訂版であるモデル規則(UN Model Regulations)。

•危険物表:PHMSAは危険物表に記載されたPSN、ハザードクラス、PG、SP、梱包許可、バルク梱包要件、および旅客機と貨物機の最大数量制限のうち、特定の項目について追加、改訂、または削除することを提案しています。

•重合性物質:2017年、PHMSAは、危険物表に重合性物質に関して定義基準、認可包装、安定化方法と運用管理を含む安全要件を追加しました。これらの変更は2019年1月2日までを暫定期間として有効としていました。暫定期間中にPHMSAは重合性物質の改正の影響を検討・調査していましたが、2020年に追加調査を完了できるようにするため、規定の有効期間を2019年1月2日から2023年1月2日まで延長していました。今回のNPRMでは、PHMSAは、重合性物質の輸送規定から段階的廃止日(2023年1月2日)を削除し、規定の継続使用を可能にすることを提案しています。

•呼吸で取り込まれる可能性のある粒子状態を10%以上の割合で含む二水酸化コバルト粉末:PHMSAは、危険物表に新しく「10%以上の粒子状態を含むUN3550コバルトジヒドロキシド粉末」を追加することを提案しています。コバルトは、世界中のさまざまな高度な医療機器で使用されるバッテリーなどに使用される、重要な鉱物です。この危険物は、現在UN3077「クラス9、環境有害物質、固体」の材料として分類および輸送されています。しかし、化学物質の登録、評価、認可および制限(Registration, Evaluation, Authorisations and Restriction of Chemicals、REACH)規制の下での試験において、この材料が吸入毒性の危険性をもつと判断されました。さらにこの決定に続き、国連モデル規則の第22改訂版で、危険物リスト(Dangerous Goods List、DGL)に新しく組み入れられ、この危険物専用の包装許可が規則とされました。そこで、PHMSAは、10%以上が呼吸で取り込まれる可能性のある粒子状である二水酸化コバルトを危険物表にUN3550として加え、この材料を輸送する許可規則に包装規定を追加することを提案しています。これにより、PHMSAは、この材料の継続的な輸送を可能にし、米国が地球規模の供給網の中に居続けることを期待しています。

•リチウム電池の例外:ICAO技術指示書から航空機による輸送用の小型リチウム電池および電池として例外に規定されている内容が削除されたことから、PHMSAは、同様の内容をHMRからも削除することを提案しています。

PHMSAは、提案されたHMR改訂の必要性、利益、および費用に対する意見募集や関連情報の収集を2023年7月31日まで行っています。そのコメントは可能な限り検討され最終規則に反映する予定です。

参考:

危険物:国際標準との整合

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