航空機の仕切りに関する減圧条件の慣行を成文化し、最終規則とする
2023年6月13日、運輸省(DOT)の連邦航空局(FAA)は、航空機の減圧孔に隣接する仕切りは減圧条件に耐えるように設計する必要がないように、圧力がかかる区画(コンパートメント)の負荷重に関する基準を改正し、最終規則としました。この規則は2023年8月14日より有効となります。
ここでは、「背景」「内容」について記事になっています。
背景
運輸省(Department of Transportation、DOT)の連邦航空局(Federal Aviation Administration、FAA)は、航空機の設計および性能に関する規制および最低基準を規定することにより、航空商業における民間航空機の安全な飛行を促進することを任務としています。
連邦規則集(Code of Federal Regulations、CFR)タイトル14、パート25、「耐空性基準」の§25.365「与圧区画負荷重」において、FAAは、航空機内部への減圧の安全上の影響を取り上げています。
航空機の胴体外皮や他の加圧境界部分が何らかの理由で破損した場合、機内圧力が外気圧より高ければ減圧が発生します。減圧が起こると、機内の加圧された空気は、平衡に達するまで胴体の穴(開口部)から出ていくことになり、その結果、床、仕切り、隔壁に大きな空気負荷がかかる可能性があります。
そこで、§25.365(g)項では、航空機製造業者に対し、(e)項で指定された急激な減圧状態に耐えられるよう、乗員用の与圧区画の隔壁、床、仕切りを設計するよう求めています。しかし、ラバトリー(洗面所)、個室スイート、乗務員の休憩所など、航空機内の小さな区画(コンパートメント)については、25.365(g)項に準拠することは困難でした。
25.365(e)に規定された大きさの大きな減圧孔がもしこれらのコンパートメントの一つで発生した場合、その狭さ故にコンパートメントを形成するパーティションに非常に高い空気負荷重がかかります。しかし、このような空気負荷重を支えるために仕切りを強化することは、航空機の構造上悪影響を及ぼし、そのコンパートメントの機能を損なうため、現実的でないことがすでに示されていました。
FAAは今回の最終規則に先立って、以上のような問題点に対し、すでに「開口部における構造上の問題や乗員への生理学的影響は、この規則の考慮事項ではない」という認識をしめし、容認していました。
FAAは、すでにパーティション強度基準により数多くの航空機設計を認証し、また同等の安全レベル(equivalent level of safety、ELOS)の所見をいくつか出しています。そして、2019年5月15日には、パーティション破損基準の改定を提案する規則制定提案の通知(Notice of Proposed Rulemaking、NPRM、84 FR 21733)を発表しています。
このNPRMでは、減圧基準を説明し、減圧状態に耐える特定のパーティションの設計の難しさを説明しています。また、パーティションの基準に達しない脆弱性は安全な飛行と着陸に影響は少なく、減圧時の負荷重条件を満たすようにパーティションを設計することが非現実的であることを示しています。そして、§25.365の各項目の変更を提案していました。
内容
今回の最終規則は、2019年5月15日に出されたNPRM(84 FR 21733)に若干の明確な変更を加えて最終化したものです。具体的には、FAAは§25.365「与圧区画荷重」を改正しています。これにより、FAAは、減圧孔に隣接する小さなコンパートメント(洗面所、個室スイート、乗務員の休憩所)の仕切りの破損を許容しています。
FAAでは、(1)仕切りの破損が安全な飛行と着陸の継続を妨げない、(2) §25.365 (e)の(2)減圧条件を満たすことが非現実的である場合にのみ、仕切りの破損が許容されるとしています。
FAAは、この最終規則が、航空機製造業者へコスト削減や大きな利益をもたらすものではなく、現行の慣行を成文化するもので、申請者の事務的負担を軽減するものである、という認識を示しています。この規則は2023年8月14日より有効となります。
参考
航空機の内部コンパートメントの減圧基準を改正
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