航空機や乗務員を強引な侵入や小型火器から守るための最終規則
2023年6月14日、米国運輸省(DOT)の連邦航空局(FAA)は、航空機、乗務員、および航空乗客の安全を確保するために、新しい民間航空機のフライトデッキ(操縦席)に二次的なバリアを義務付けた最終規則を発表しました。この規則は、60日以内に軽微な修正が行われ、最終規則として発効されます。ここでは、「背景」「内容」について記事になっています。
背景
2018年1月、ドナルドトランプ大統領は、2023会計年度末までの運輸省(Department of Transportation、DOT)の連邦航空局(Federal Aviation Administration、FAA)およびその他のプログラムを再承認した、FAA再承認法(2018 FAA Reauthorization Act)に署名しました。
2001年9月11日の事件後、DOTとFAAは、航空機のパイロットと乗務員がその勤務中にふさわしい身体的保護を受けるべきだと考え、フライトデッキ(操縦席)のセキュリティに関する基準を強化してきました。
具体的には、強引な侵入や小型火器に対して航空機や乗務員を守るために、フライトデッキへの不正で強引な侵入を防ぐことを目的とし、国際民間航空機関(International Civil Aviation Organization、ICAO)の基準および航空規則策定諮問委員会(Aviation Rulemaking Advisory Committee、ARAC)の勧告を参考にして改正されてきました。
ちなみに、ARACには、航空機所有者・運航者、航空従事者・乗務員、空港、航空機整備業者、航空機メーカー、市民・旅客団体、訓練提供者、労働団体の代表が参加しています。
例えば、フライトデッキドアは、トイレ休憩や食事サービスなどのために時折開く必要があるため、2007年にFAAは、フライトデッキドアがたとえ短時間であっても開放された場合のフライトデッキのセキュリティに対処するための要件を公布しました。
これにより航空機の運航中はフライトデッキドアを施錠することが要求され、さらにドアを開ける決まった手順も義務化されました。FAAはその後も安全なフライトデッキという目的を達成するために、RTCA(FAAの諮問委員会として最初は航空無線技術委員会(Radio Technical Commission for Aeronautics and an Advisory Committee)として発足)など、航空機の二次バリアの推奨手順と基準を開発する委員会を設立し、2015年には「航空機の二次バリアと代替フライトデッキセキュリティ手順」を発行しました。
これにより、運航者がフライトデッキドアの外側が安全であることを確認するための手順と目視装置を持たない限り、飛行中にフライトデッキドアのロックを解除することが禁止されています。
そして、2022年8月1日、FAAは航空機メーカーと労働パートナーからの勧告を受けた後、「121:運航の輸送カテゴリー航空機におけるフライトデッキ設置型物理的二次バリアの設置および運用について」の規則を提案しました。
内容
最終規則では、フライトデッキのドアが開いているときにフライトデッキへの侵入を防ぐために、航空機に追加の二次的なバリアが義務付けられました。具体的には、今後、航空機メーカーは、規則の発効後に製造された民間航空機に二次的なバリアである「設置型物理的二次バリア(installation and use of an installed physical secondary barrier、IPSB)」を設置する必要があります。さらに、航空機を運航する運航者も、この最終規則の発効日から2年後にこの規則を遵守し、二次バリアを設置した航空機を使用する必要があります。FAA長官代理は、2023年6月14日に本最終規則に署名しました。この最終規則は、2018年のFAA再承認法の要件を満たしています。
参考
FAA、二次的なフライトデッキのバリア障壁を要求
https://www.transportation.gov/briefing-room/faa-requires-secondary-flight-deck-barrier
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