2023.08.04
米国|EPAは、低炭素燃料の生産を拡大するための新しい再生可能燃料基準を最終決定
2023年6月21日、米国環境保護庁(EPA)は、再生可能燃料基準(RFS)プログラムに基づき、2023年から2025年までのバイオ燃料の数量要件を定める最終規則を発表しました。2023年から2025年までの間でバランスの取れたバイオ燃料の成長を期待・設定し、日量最大14万バレル(588万ガロン)の外国石油輸入への依存を減らすことを目標としています。
ここでは「背景」「内容」「今後」について記事になっています。
背景
石油などの燃料は、1(米国液量)ガロンで示されることが多く、これは約3.8リットルです。1バレルは42ガロンで計算されることから、14万バレルは588万ガロン、2,226万リットルです。ここでは、共通でガロンを単位として示します。
再生可能燃料基準(Renewable Fuel Standard、RFS)は、米国で販売される輸送用燃料に最低限の再生可能燃料を含めることを要求する連邦プログラムです。RFSは、2005年のエネルギー政策法に端を発し、2007年のエネルギー独立性および安全保障法(Energy Independence and Security Act of 2007、EISA)によって内容が拡張されました。
RFSでは、輸送燃料において、石油燃料と比較して温室効果ガス(greenhouse gases、GHG)の排出量が低い再生可能燃料を、年々多く混合することを要求しています。2022年までの規則では、再生可能燃料を総計36億ガロンに増加させていました。
環境保護庁(Environmental Protection Agency、EPA)は、米国のエネルギー構成の多様化と気候変動対策において重要な役割を果たす再生可能燃料の普及を促進することを目標としています。EPAでは、今後数年間にわたりRFSプログラムの安定的な実施を行い、消費者を燃料費高騰から守り、農業地域の経済を強化し、よりクリーンな燃料(具体的には低炭素燃料)の国内生産を支援し、温室効果ガス排出削減に貢献する、という認識を持っています。
再生可能エネルギー識別番号(Renewable Identification Number、 RIN、リン)とは、EPAがすべての燃料に関係する業者(燃料精製業者、混合業者、輸送業者)の再生可能燃料義務への準拠を追跡するために使用する38文字の数字です。 RINは、ディーゼルまたはガソリンの各バッチに一定量の再生可能燃料を含めることによってEPAの再生可能燃料量義務を満たした時に、クレジットとして付与され、米国では業界の各関係者は燃料市場においてこのRINを取引の単位として使用することが義務付けられています。
内容
今回発表された最終規則では、2025年までの3年間で外国産石油への依存を最低でも日量約550万ガロンまで削減すること、RFSプログラムの継続的な実施、国内製油所への影響を監視するという3つのEPAの意図が反映されています。
この規則では、2023-2025年におけるセルロース系バイオ燃料、バイオマス由来ディーゼル(biomass-based diesel、BBD)、先進バイオ燃料、総再生可能燃料のバイオ燃料量要件および関連割合基準を定めています。また、2023 年の再生可能燃料を2億5,000万ガロンという追加数量要件として設定することで、2016 年の年次規則の裁判所の差し戻しに対するEPAの対応を完了させています。最終的な数量目標は以下の通りです。
数量目標(billion RINs、10億リン)
セルロース系バイオ燃料:2023年0.84、2024年1.09、2025年1.38
バイオマス系ディーゼル:2023年2.84、2024年3.04、2025年3.35
先進バイオ燃料:2023年5.94、2024年6.54、2025年7.33
再生可能燃料:2023年20.94、2024年21.54、2025年22.33
補足規格(関連割合基準):2023年0.25、2024年該当なし、2025年該当なし
2007 年EISAには2022 年以降の法定数量は規定されていなかったため、EPAはこの最終規則において、全品目に対するバイオ燃料の最終数量目標を設定しています。EPAは、数量要件の設定に加え、RFSプログラムにおけるバイオガスの利用を拡大し、さらにプログラム運用を改善する規定を設けることを目的とした、いくつかの規制変更を最終決定しています。
今後
この最終規定では、2023 年、2024 年、2025 年におけるバイオ燃料の着実な成長を盛り込んでいます。今後も、EPAは、RFSプログラムの実施とその影響を監視するために、あらゆる利用可能なデータと手段を利用する意向です。例えば、EPAは45日以内にEPAと商品先物取引委員会(Commodity Futures Trading Commission、CFTC)の間の協定が、RINs取引を監視するのに十分であることを確認する予定です。
さらに EPA は、輸送燃料の消費者負担額から燃料供給や国内精製資産の安定性に至るまで、市場指標を明確に特定し、リアルタイムで監視を続ける予定です。
EPA は、今後もRINに関する規制案(eRIN)について、寄せられた意見の評価を継続し、eRIN規制プログラムの進むべき道について引き続き検討する予定です。また、プログラムを施行するためのコスト、大気質や気候変動のデータ、これまでのプログラムの実施要件、エネルギー安全保障、インフラ問題、商品価格、河川や海水の水質、エネルギー供給など、法令で指定されたさまざまな要因を考慮していく予定です。
参考
EPAは、低炭素燃料の生産を拡大するための新しい再生可能燃料基準を最終決定
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