米国|EPA、AIM法に基づいてHFCの使用を段階的に削減することに係わる2つの最終規則を発表

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米国|EPA、AIM法に基づいてHFCの使用を段階的に削減することに係わる2つの最終規則を発表

HFCの段階的削減プログラムをさらに強化:生産ベースラインの調整と2024年以降のHFC配分方法について

2023年07月12日、米国環境保護庁(EPA)は、米国革新技術製造(AIM)法に基づくハイドロフルオロカーボン(HFC)生産ベースラインの修正を最終規則としました。この規則は、2023年09月11日に発効されます。続けて、2023年07月20日、EPAは、2024年から2028年までのHFCの生産と輸入の許容量を配分するための方法論を確立し、最終規則としました。この規則は、2024年10月01日に発効予定の修正指令3と13以外は、2023年09月18日に発効されます。

背景・概要

バイデン・ハリス政権は、モントリオール議定書のキガリ改正(Kigali Amendment)に向けて超党派により策定された米国革新技術製造法(American Innovation and Manufacturing Act of 2020、AIM法)の下で、世界の国々を先導する形で大気汚染物質を段階的に削減していく方針です。環境保護庁(Environmental Protection Agency、EPA)は、この方針の一環として、代替の化学物質や機器を開発する米国のイノベーション力を生かして、ハイドロフルオロカーボン(hydrofluorocarbons、HFC)の段階的削減プログラムを行っています。このHFC段階的削減プログラムは2022年01月01日より開始され、EPAはすでに過去の基準よりHFCの生産と輸入を10%削減した規則を施行し、さらに、事業者に配分された排出枠内でHFCの生産と輸入を行うことを課しています。またEPAは、HFC段階的削減要件を遵守する米国企業が公平に競争できるよう様々な行動も行っています。例えば、2022年01月以降、EPAと国土安全保障省が共同で主導する「違法HFC取引に関する省庁間タスクフォース」では、国境で100万トン以上の二酸化炭素(CO₂)に相当するHFCの違法取引を阻止しました。また、EPAは民事上または刑事上の強制措置に加えて、排出枠の取り消しや廃棄などの行政処分も行っています。データを虚偽報告した企業や、必要な数の排出枠を持たずにHFCを輸入した企業に対し、2022年と2023年に650万トン以上の二酸化炭素換算量(CO2e)を償却する行政処分を確定しました。

今回、2つの最終規則により、EPAは2024年以降から過去の基準よりHFCの生産と輸入を40%削減し、さらに生産と輸入に必要な排出枠の数も大幅に減少させます。今後も、基本的に米国は、キガリ改正とAIM法に従って、このHFC段階的削減プログラムをスケジュール通り進めていく予定です。このプログラムはホワイトハウスの国家気候顧問、上院環境公共事業委員会の委員長、超党派AIM法の批准を決定した議員のみならず、責任ある大気政策のための同盟(Alliance for Responsible Atmospheric Policy)の事務局長、空調暖房冷凍研究所(Air-Conditioning, Heating, and Refrigeration Institute、AHRI)の社長兼CEOなど幅広い立場の人達の支持を受けています。

注目すべき内容

ハイドロフルオロカーボンの段階的削減措置:生産ベースラインの調整

EPAは、ハイドロフルオロカーボン(HFC)の使用を段階的に削減するため2024年から2028年までに過去レベルの40%を削減する最終規則を発表しました。具体的には、計算された量を反映した生産ベースラインの調整を規定した最終規則となっています。

ハイドロフルオロカーボンの段階的削減措置:2024年以降のHFC排出枠の配分方法

EPAは、2024年から2028年までのHFCの輸入と生産の許容量を配分するための方法論を確立し、最終規則としました。EPAはまた、新しいデータを反映して輸入(とその消費)のベースラインを修正し、HFCを含む規制物質の輸入量をどのように配分するのかを成文化し、さらにその記録管理と報告の要件を改訂するなど、既存の規則の変更を行っています。この最終規則には、継続的な段階的削減を最も効率的に実施するための排出枠算定方法が記載されています。2024年のHFC排出枠の配分は、2023年09月29日までに決定する予定です。

今後のHFC段階的削減プログラムの進行

今回の2つの最終規則は、2022年と2023年に実施されたHFCの10%段階的削減が成功したことに基づいています。産業界と利害関係者に安定な規制を提供し、最も効率的にかつ継続的にHFCを段階的に削減するための規則となっています。EPAは、今後もAIM法に基づいて2つの追加の規制措置を計画しています。1つ目は、代替化学品への移行を促進するために、特定の事業セクターでのHFCの使用を制限する最終規則です。2つ目は、エアコンなどの機器のHFCおよびHFC代替品の管理に関する特定の要件を確立する規則案です。これら規則により、AIM法の目標に従い、2036年までにこれらの気候変動に有害な化学物質の生産と消費を85%削減し、2100年までに0.5℃の地球温暖化を回避することを目指しています。

参考情報

ハイドロフルオロカーボンの段階的削減措置:生産ベースラインの調整

ハイドロフルオロカーボンの段階的削減措置:2024年以降のHFC排出枠の配分方法

HFC段階的削減プログラムと今回の措置について

ハイドロフルオロカーボン(hydrofluorocarbons、HFC)とは

HFCは、代替フロンとも呼ばれ、クロロフルオロカーボン (CFC)やハイドロクロロフルオロカーボン (HCFC)にとって代わるものとして、主に先進国で製造され、冷凍および空調やエアロゾルなどの一般製品で使用されていました。しかし、このHFCも同じ量の二酸化炭素よりも数百倍から数千倍効果が強い温室効果ガスの一種であるため、2019年01月01日に発表されたモントリオール議定書のキガリ改正により、地球規模で使用を80%以上削減することが約束されました。このギガリ改正は、日本が2018年12月18日に、中国が2021年06月29日に承認し、米国も138番目として2022年09月21日に上院がこの批准を承認しています。

米国革新技術製造(AIM)法とは

American Innovation and Manufacturing Act of 2020(2020年米国技術革新製造法)のことで、米国環境保護庁(EPA)がハイドロフルオロカーボン(hydrofluorocarbons、HFC)の生産・(輸入からの)消費量を、2036年までに2011〜2013年を基準年として、約15%まで段階的に削減することを義務付けた法律です。AIM法は、トランプ大統領が2020年12月27日に署名し、1.4兆ドルの政府支出法案と9,000億ドルの新型コロナウイルス感染救済法案を含んだ2021年連結歳出法(Consolidated Appropriation Act, 2021)という超党派の大規模な法案群の一部となっています。具体的には、EPAはこの法律の下で、「HFCの生産と(輸入に伴った)消費を段階的に削減する」こと以外に、「回収、再利用、および整備、修理、廃棄の方法改善を通じて、冷媒として使用される HFC の管理のための基準を確立する」「小規模企業向けの 3 年間の助成金プログラムを創設し、使用済み冷媒の回収および再生を促進するために毎年 500 万ドルを配分する。」「次世代技術への移行を促進するために、事業者セクター別に使用制限を設ける」ことを施行します。AIM法では、ギガリ改正で記されたHFCのリストが段階的削減の対象となっています。

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