排出源より排出される総メタン排出量と廃棄物排出量の計算方法などを修正する提案
2023年08月01日、環境保護庁(EPA)は、温室効果ガス報告規則(Greenhouse Gas Reporting Rule)の排出源カテゴリーである「石油および天然ガス関連施設」に適用される要件を修正しました。該当する施設からの総メタン排出量と廃棄物排出量が正確に反映され、該当する施設の所有者が適切な排出量の数値を提出できるようにすることを目的とした提案です。この提案に対する意見募集は、2023年10月02日まで行われます。
背景・概要
2022年08月、米国議会は2022年インフレ抑制法(Inflation Reduction Act of 2022、IRA)を可決し、その後バイデン大統領が署名を行いました。それにより、大気浄化法(Clean Air Act、CAA)を改正し、「石油および天然ガス関連施設に対するメタン排出および廃棄物削減奨励プログラム」が新たに追加されました。CAAの第136(c)項では、「廃棄物排出量賦課金」の支払いを温室効果ガス排出量として二酸化炭素換算(metric tons carbon dioxide equivalent、mtCO2e)で25,000トン以上の報告を行う該当施設の所有者または運営者に課すと明記されました。また、賦課金は、法令で定められた廃棄物排出量の閾値を超えるメタン(CH4)排出と定められた廃棄物に対して課すことも明記されました。CAA第136(h)項では、施設が経験的データに基づき、正確な総CH4と廃棄物排出量を反映した廃棄物排出量とそれに関わる料金を提出できるようにすることを、IRAの制定日から2年以内に米国環境保護庁(Environmental Protection Agency、EPA)が対処することを指示しています。2022年11月4日、EPAはこのIRAの指示に基づき、CAA136項に関連する情報を交換するために一般からの意見募集を、情報要求書(Request for Information、RFI)として発行しました。この意見募集は2023年01月18日に締め切られ、今回の提案に反映されています。
EPAはまた最近、2022年規則案の補足案(88 FR 32852, 2023年05月22日)を公表し、改訂された地球温暖化係数を反映するための温室効果ガス報告規則の一般規定(Greenhouse Gas Reporting Rule)の更新案、追加部門からの報告に関する改定案も発表しました。これには、排出源カテゴリー「石油および天然ガス関連施設」以外からの温室効果ガスに関する報告を記載した「温室効果ガス報告規則」の実施についての改定案が含まれています。ただし、今回の内容は排出源カテゴリー「石油および天然ガス関連施設」だけが適用範囲です。
注目すべき内容
今回の提案に変更された場合には、排出源カテゴリー「石油および天然ガス関連施設(Petroleum and Natural Gas Systems)」に当たる天然ガスのパイプライン輸送や供給施設、抽出施設、そして原油抽出施設に影響があります。今回、EPAが提案している変更点は以下とおりです。
- 総メタン排出量と廃棄物排出量が経験値に基づいており、実際の値と報告される排出量の情報の潜在的な差(ギャップ)に対処する変更。具体的には、「施設内での爆発など予想外の排出機会(イベント)を「その他の大規模な放出イベント」と呼び、計算に追加」「窒素除去ユニット、生成水タンク、泥脱気、クランクケースベントなどの排出源の温室効果ガス(greenhouse gas、GHG)排出量を報告するための計算方法と要件の追加」などを提案しています。
- 該当する施設の所有者や運営者が適切に料金を負担できるように、そして収集されたデータの検証と透明性が向上するための報告要件の改訂。具体的には、直接の測定値を使用できるようにするため、機器の漏洩と天然ガス空気圧機器に関して新たな計算方法を提案しています。
- その他、石油および天然ガスに関わる施設の温室効果ガスに関する情報の計算、監視、および報告を改善するため、温室効果ガス報告規則の一般規定、一般的な定置燃料燃焼、およびその他の排出源カテゴリー「石油および天然ガス関連施設」に適用される要件の変更。具体的には、オンショア(沿岸の)石油と天然ガスの生産、収集およびブースティングに係わる施設について報告要件を細分化することなどを提案しています。
- さらに、以上の提案された修正で追加または大幅に改訂される特定の情報の報告に関する機密性の決定と修正についても提案しています。
- また、規則の理解を向上させるための文章の明確化に関わる軽微な改定も提案しています。
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