米国|使用済みドラム缶またはコンテナの管理と再調整に関する規則案制定前通知

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米国|使用済みドラム缶またはコンテナの管理と再調整に関する規則案制定前通知

EPA、有害廃棄物の運搬・管理で使用していたドラム缶等への規制に対する意見募集

2023年08月11日、米国環境保護庁(EPA)は、有害化学物質または有害廃棄物を保持する使用済み産業用ドラム缶またはコンテナの管理から再調整までのプロセスを適切に規制するため、非規制および規制内容に対する情報や意見を募集しています。規制案の内容に資源保護回復法(RCRA)規制の改訂やその他の非規制であった内容が含まれる可能性がある事を通知しています。ただし、今回の規則制定案の事前通知(ANPRM)では、規制要件を提案したり、既存の規制要件を変更したりしていません。意見提出の締め切りは2023年09月25日です。

背景・概要

ドラム缶再調整施設では、金属およびプラスチックのドラム缶と中間バルクコンテナ(intermediate bulk containers、IBC)を再販および再利用するために、産業用ドラム缶やコンテナの洗浄、修復、試験、および認証などの再調整作業をおこなっています。これらの容器には、有害廃棄物、化学薬品、塗料、樹脂、タール、接着剤、食品、油、石鹸、溶剤などさまざまな材料が入っていたため、再調整では主に二つの事、「炉で金属ドラム缶から残留物を燃焼させる」「金属またはプラスチックのドラム缶を水または苛性溶液で洗浄して残留物を洗浄する」を行っています。

2022年09月08日、EPAは、ドラム缶再調整の業界の運営方法に関する内容や従業員等の健康と環境に重大な害をもたらした損傷インシデント(事件、事例)を文書化した「ドラム缶再調整に関する損傷事件の報告書」を発行しました。報告書には、「空容器」と定義され取り扱われているドラム缶もしくはコンテナを不注意で有害廃棄物が含まれたままで受け取っている例や少量の残留物が残る大量の「空容器」を処理しているため結果的に多くの有害廃棄物にさらされている例などが記載されています。このことは、既存の「資源保護回復法(Resource Conservation and Recovery Act、RCRA)」やその下にある有害廃棄物規制では、結果的に規制できていない部分があることを示しています。さらに、ドラム缶再調整の過程には、大気浄化法(Clean Air Act、CAA)および水質浄化法(Clean Water Act、CWA)に基づく特定の規制の対象となる過程が含まれています。例えば残留物を燃焼させる過程で使用される炉は、CAAの下で発効されている州の規制では許可を取得する要件として規制の対象である場合があります。報告書の調査結果では、181のドラム缶再調整施設から毎年合計約四千万個の金属およびプラスチック容器が処理され、そのうち約65%がドラム炉により、残りの35%が洗浄により再調整されていることがわかりました。加えて計86のドラム缶再調整施設で1つ以上の損傷インシデントが報告されていることもわかりました。EPAはこの報告書で、施設の火災例やドラム缶・コンテナの不適切な保管例、そしてそれらを原因とした損傷インシデント例として残留物の漏れ、従業員の怪我、空気、水、または土壌汚染などの様々な組み合わせについても報告しています。

以上の背景から、現在EPAは、使用済みのドラム缶もしくはコンテナの「空容器」の全て(製造、輸送、および管理)の過程を評価し、規制または非規制措置が損害のリスクをどの程度軽減できるかを評価しています。そして、使用済みドラム缶・コンテナの再調整過程から人の健康や環境への有害な影響を少なくするための規制等が必要であるかについて、この規則制定案の事前通知(Advance Notice of Proposed Rulemaking、ANPRM)を通じて意見を求めています。

注目すべき内容

今回の規則制定案の事前通知(ANPRM)の内容には、特にドラム再調整施設の所有者と運営者、これらの施設または事業が存在する地域、コンテナ輸送業者、使用済みドラム発電機、化学メーカー、廃棄物または有害廃棄物発生機器や施設、産業施設、および環境活動組織などの事業が影響を受ける可能性があります。EPAは将来的に規制の対象となる可能性があるとして、以下の課題について関心を持っており、意見を募集しています。

  • RCRA規制から外れた「空容器」の残留物による汚染リスクの低減を目的に、「空容器」の定義、洗浄方法、出荷前の構造的完全性要件についての必要性
  • RCRA規制から外れた「空容器」がドラム缶再調整施設(機器)に送られるのを防ぐ目的で、使用済みドラム発電機の規制要件の更新・強化、空容器の認証、従業員のトレーニングなど「一般的に採用されている慣行」の明確化、入っていた廃棄物の区別に関する規制文言の追加、空容器の追跡やその記録要件についての必要性
  • 発火性などをもつ残留物による火災や爆発のリスクを低減する目的で、ドラム缶のラベル付けまたは残留物によってもたらされる危険性を伝える文書の必要性
  • RCRA規制から外れた「空容器」がドラム缶再調整施設(機器)に送られるのを防ぐ目的で、ドラム缶再調整施設の許可免除に関する以下の特定の規制要件または条件の必要性:「受け入れ前にドラムを検査するための標準作業手順」「空容器の保管エリア」「拒否される出荷手順」「内容不一致の報告書」「コンテナ管理計画」
  • RCRA規制内もしくはそれから外れた空容器の残留物による汚染リスクを低減する目的で、空容器のすすぎ内容を明確する「廃棄物分析計画」の必要性
  • ドラム炉からの有害物質の排出を防ぐ目的で、炉に対して次のような規制要件の追加の必要性:「炉の制御または排出係数制限」「炉の使用を無害な残留物を保持する空容器に制限」「燃焼前に容器の前処理」「空容器に対する規定を改訂または削除」「有害廃棄物と見なされる残留物を含むコンテナを燃焼する炉に対するRCRA許可」
  • 不適切に管理された廃水中の汚染物質からの土壌、地下水、地表水への環境放出を防ぐ目的で、すすぎ過程からの廃水をタンクなどで管理し、CWAに従ってのみ排出する必要性、表面貯留物が非危険物以外であった場合の排出制限やすすぎ液の下水道処分の禁止の必要性
  • RCRA規制内もしくはそれから外れた有害な影響を及ぼす空容器の備蓄や最終的な破棄を低減する目的で、すべてのドラム缶の定期検査や在庫管理の要求、破棄のための財務保証の必要性
  • 発火性などをもつ残留物による火災や爆発のリスクを低減する目的で、緊急事態に対応するための緊急時対応計画と従業員の訓練の必要性
  • ドラム缶再調整施設の規制監督と市民参加の欠如を低減する目的で、RCRA対象、非対象を示す表示や許可証の必要性
  • リサイクルまたは土地廃棄時の汚染された金属くずやプラスチックによる環境汚染のリスクを低減する目的で、空容器の提供制限(再調整する空容器の規制要件と組み合わされ施行される可能性)、容器のリサイクルや廃棄前の調査、破片代替処理基準を満たすための有害残留物の調査の必要性

EPAは、これらの要件を満たすための方法についても意見を求めています。例えば、考えられる方法として、単にドラム缶・コンテナの「空容器」条項を削除し、ドラム缶の残留物について完全なRCRA表示要件を課す方法があることも示唆しています。

今回のANPRMでは、規制要件を提案や既存の規制要件の変更を行っていません。意見提出の締め切りは2023年09月25日です。

参考情報

使用済みドラム缶またはコンテナの管理と再調整に関する規則案制定前通知

大気浄化法とは

大気浄化法(Clean Air Act、CAA)は、米国で1963年12月に制定された大気汚染防止のための法律です。酸性雨対策やオゾン層の保護が目的で、自動車や工場施設からの二酸化炭素、二酸化硫黄、フロンガス、四塩化炭素などの削減や全廃が主な内容となっています。車両や施設の燃費や排ガス制御について無報告もしくは虚偽報告を行うとアメリカ司法省と環境保護庁から訴訟を起こされ、大気浄化法違反の制裁金が課せられる場合があります。

水質浄化法とは

水質浄化法(Clean Water Act、CWA)は、米国で1972年に制定された水質汚濁防止のための法律です。水域の化学的・物理的・生物学的状態を修復し維持することが目的で、汚染水排出源からの汚染物質の水域への排出を制限する内容となっています。排出源からの汚染物質の水域への排出は、を許可制とし、許可には技術基準と水質基準が課せられています。技術基準は汚染物質によって異なる、全国で統一された基準です。一方、水質基準は技術基準を満たしていても排出先の水質の修復・維持が困難な水域において課される厳格な基準で、水域の利用目的に応じて州がその内容を決定します。本法の下では、排出源と認定されていない排出水の規制プログラムや湿地等の浚渫・埋め立てに係る規制プログラムなども含まれています。

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