米国|EPA、汚染から地域社会を守るための連邦執行優先事項を発表

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米国|EPA、汚染から地域社会を守るための連邦執行優先事項を発表

EPA、2024-2027年では、地域社会を汚染する汚染源に対処した連邦執行を優先的に行う計画

2023年08月17日、米国環境保護庁(EPA)は、地域社会の環境に悪影響を及ぼす気候変動、PFAS汚染、発がん性石炭灰に対処した取り組み(イニシアチブ)を含む、2024年から2027年までの国家施行および法令遵守イニシアチブ(National Enforcement and Compliance Initiative、NECI)を発表しました。加えて、EPA は、地域社会を保護するというバイデン・ハリス政権の公約を推進するため、これら環境正義への配慮を行政全体の各施行や法令遵守の構想に統合していきます。

背景

米国環境保護庁(U.S. Environmental Protection Agency、EPA)は、4年ごとに、政府機関と各州が直面している環境問題に対処する法令の施行と遵守の優先順位を付け、上位であった法令等に対して優先的に財源などの確保を行っています。気候変動、PFAS汚染、石炭灰からの保護へのイニシアチブに加えて、EPAは、大気汚染への負担が大きい地域社会にも焦点を当てて大気浄化法(Clean Air Act、CAA)の法令遵守を変更したり、前政権下で開始された飲料水と化学物質による事故防止の法令遵守を継続したりしています。

今回の2024-2027年度のNECIの優先順位を決定するにあたり、EPAはすでに連邦官報通知を通じて広く意見募集を行っていました。さらに州、準州、部族、および地域住民、環境団体、規制対象団体などの関係者からの意見も検討していました。そして、EPAは、今回の2024-2027年度のイニシアチブの優先順位付けを行うに当たり、各問題について以下の3つの基準を使用して評価・順位決定を行っています。(1)負荷の大きい地域社会において深刻で広範な環境問題と重大な違反に対処する必要性を重視する。(2)汚染源である者に説明責任を負わせ、公平な競争の場を促進するために、連邦執行当局の財源やコストまたは専門知識が必要な分野に焦点を当てる。(3)気候危機への取り組みと環境正義の推進を含むEPAのより広範な戦略計画との整合性を取る。

注目すべき内容

2024年から2027年の国家施行および法令遵守イニシアチブ(National Enforcement and Compliance Initiative、NECI)は次の6つです。

  • 気候変動の緩和:このイニシアチブでは、気候変動に影響の大きい3点に焦点を当てます。(1)石油およびガス施設からのメタン排出。(2)埋め立て地からのメタン排出。(3)ハイドロフルオロカーボン(hydrofluorocarbons、HFC)の使用、輸入、および生産。EPAは、これら3つの分野の広範囲にわたる違反を成文化しています。違反により、温室効果ガスやその他の汚染物質が数万トンも排出されている可能性があるため、今回のイニシアチブで業界の重大な法令遵守違反に対処する予定です。
  • PFASへの曝露への対処:パーフルオロアルキル物質およびポリフルオロアルキル物質(Per- and polyfluoroalkyl substances、PFAS)は、生態環境に対して有毒で分解されにくい「永遠の化学物質(forever chemicals)」と呼ばれています。今回のイニシアチブでは、EPAのPFAS戦略的ロードマップ(PFAS Strategic Roadmap)の実施に焦点を当て、PFASの製造や放出を行う産業関係者の責任を問いていきます。
  • 石炭灰汚染から地域社会を保護する:今回のイニシアチブでは、全国の埋め立て地、沈殿池、およびその他の石炭プラントの貯水池で数百万ポンド(1ポンド(lb)は45359237キログラム(kg))以上も確認されている石炭燃焼残留物(coal combustion residuals、CCR)に焦点を当てています。石炭灰には、石炭の燃焼時に廃棄される、水銀、カドミウム、クロム、ヒ素などの汚染物質が含まれており、これらは人間の癌などを引き起こす可能性があります。今回のイニシアチブでは、全米約300の石炭灰工場の約775ユニットに焦点を当てています。
  • 負荷の大きい地域社会における大気有害物質の削減:今回のイニシアチブでは、関連業界からの有害大気汚染物質(hazardous air pollutants、HAP)に影響を受ける地域社会に対処します。ベンゼン、エチレンオキシド、ホルムアルデヒド等の汚染物質は、食物や呼吸を通じて摂取すると、特に子供の癌や神経、生殖、身体の発達、および呼吸器の障害を引き起こすことが知られているか、疑われています。今回のイニシアチブでは、すでに汚染の影響を強く受けている地域社会に存在するHAPの発生源に焦点を当て、大気浄化の各基準の違反を調査して対処します。
  • 飲料水基準への準拠の強化:今回のイニシアチブは、地域社会の飲料水システム(Community Water Systems、CWS)と呼ばれる、住民に水を提供する約5万の飲料水システムが、安全な飲料水法(Safe Drinking Water Act、SDWA)に準拠しているのかを確認することを目的としています。毎年、何千ものCWSが1つ以上の飲料水基準に違反し続けているため、次の4年間で、EPAは法令遵守のために影響力のある施行を行います。
  • 化学物質事故リスクの低減:今回のイニシアチブでは、環境に壊滅的な影響を与える危険な化学物質を製造、使用、保管している施設からの火災、漏れ、爆発事故よって引き起こされる労働者や地域住民の死亡や重傷、避難の命令、有毒物への曝露に対処します。具体的には、EPAは、非常に危険な化学物質を取り扱う施設のリスク管理要件への準拠を確認します。

参考情報

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