DOL、公共事業に関わる労働者のためのデービス・ベーコン法を約40年ぶりに包括的に改訂
2023年08月23日、労働省(DOL)の賃金及び時間に関する課(Wage and Hour Divi)は、デービス・ベーコンおよび関連法に基づいて発行された規制を更新し、最終規則としました。この更新は、この規則の約40年ぶりの包括的な改訂で、適切で最新の「公共事業に関わる事業者や労働者」に関わるガイダンスを提供しています。そのため、建設の請負業者、労働組合、雇用主、建築業界団体、労働者擁護団体、州労働省などに関わる事業者に影響があります。この規則は2023年10月23日より発効されます。
背景
1931年に制定されたデービス・ベーコン法(Davis-Bacon and Related Acts、DBA法)は、連邦建設が関わる請負契約において、その地域の実勢賃金とフリンジ・ベネフィット(現金による賃金・給与・報酬に代えて、企業の役員や従業員に対して与える経済的便益のこと。社宅や専属ドライバー付きの送迎などがそれにあたります)の支払いを義務付けています。DBA法は、連邦政府機関およびコロンビア特別区の公共建築物または公共工事の建設、変更、修理において2,000ドル以上の契約を結んでいる労働者に適用されます。制定後も連邦議会は、連邦機関からの補助金、融資、融資保証、保険、その他を通じて建設プロジェク トを支援する多数の規則(総称して関連法とも呼ばれる、Davis-Bacon Related Acts、DBRA)を、DBA法の実勢賃金要件に組み込んでいます。そのため、DBA法は「建設労働者の利益のための最低賃金法」と説明されます。
1981年から1982年にかけての規則制定において、DOLはDBA法と関連法を管理する規則の包括的な改訂に取り組みました。一方、議会はDBA法の適用範囲を拡大し多数の関連法を追加しました。その結果、DBA法および現在70以上の有効な関連法(DBRA法)は、年間推定2,170億ドルの連邦政府やその関連の建設支出に適用され、推定120万人の米国の建設労働者に最低賃金率を規定していています。連邦政府と州政府は今後、特に気候変動を緩和するために必要なエネルギーと交通のインフラを含む国の重要なインフラ需要に対処するため、DOLはDBA法やDBRA法が適用される支出は増加すると考えています。
2022年03月18日、DOLは規則制定案の通知(notice of proposed rulemaking、NPRM)発行し、DBA法およびDBRA法の規制を更新および近代化することを提案しました。この提案に対して、DOLは、60日間の意見募集の間に請負業者、組合、使用者および業界団体、労働者擁護団体、非営利団体、社会科学者、法律事務所、シンクタンク、国会議員、州司法長官、州労働省、およびその他の関心のある一般市民などから40,938通もの意見を得ることになりました。
注目すべき内容
この規則は、建築の請負業者、労働組合、雇用主および業界団体、労働者擁護団体、非営利団体、法律事務所、州の労働省などの政府関係者に影響があります。最終規則では、以下のような規制の更新および近代化が決定しました。
- 具体的には、1981年から1982年にかけての規則制定で行った変更がDBA法とDBRA法の間で矛盾を招いたとして、DBRA の施行規則の一部を誤りとして文言等の更新や近代化を行いました。
- 約40年前の大改正で導入された手続きをさらに拡大し、DBA法に対してDBRA法での管理効率を高め、対象となる建設労働者の保護を強化する内容が決定しました。具体的には、地域による賃金差の補正方法や定期的な見直し方法の更新、フリンジ・ベネフィットの割合に関する新しい手順を成文化、支払いについて懸念を表明した労働者の雇用保護についての内容、労働者と事業者の相互源泉徴収手順の明確化などが含まれています。
参考情報
デービス・ベーコン法(Davis-Bacon and Related Acts)に基づき発行された規制
デービス・ベーコン法とは
デービス・ベーコン法(Davis-Bacon and Related Acts、DBA法)とその関連法(Davis-Bacon Related Acts、DBRA)とは、米国労働省(Department of Labor、DOL)の一部門である「賃金及び時間に関する課(Wage and Hour Division、WHD)」が管理・施行を行っています。WHDは、DBAの対象となる建設契約を直接締結する連邦機関と協力し、規則を施行しています。また、DBA の対象となる資金援助を受けている州や地方の機関も、DBA の対象となる資金が流れるプログラムを管理したり、対象となる建設契約を結んだりしています。DBRAプログラムには、これらの政府機関が責任を負う3つの基本的な要素として、(1)賃金調査と賃金決定、(2)契約の成立と管理、(3)執行と救済が含まれています。
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