水質浄化法に基づいた水質認証改善規定の最終決定
2023年09月27日、米国環境保護庁(EPA)は、水質浄化法(CWA)第401条に基づいて作成され、2020年に公布された水質認証規則の要件を改訂し、最終規則としました。この水質認証規則の改正は、2021年01月20日に署名された「公衆衛生と環境の保護、および気候危機に取り組むための科学の回復」と題された大統領令の集大成と位置付けられています。具体的にはCWAの文章および目的との整合性を高め、CWA第401条の認証実務を、より明確化かつ強化して、効率的な認証過程となるように改訂されています。加えて、EPAが発行する国家汚染物排出排除システム(NPDES)許可との水質認証規則の適合改正も最終決定しています。この規則は、2023年11月27日より発効されます。
背景
水質浄化法(Clean Water Act、CWA)第401条では、州・公認部族は、連邦政府によって許可または認可されたプロジェクトの建設または操業に起因した水質への悪影響から住民を保護することを指示されています。特に、CWA第401条では、排出源が存在する州・公認部族が「排出がCWA第301条、第302条、第303条、第306条および第307条の適用規定を遵守している」と記載された水質証明を発行しない限り、連邦政府は「合衆国の水域への排出もしくはその可能性のある活動を実施するための許可証を発行することはできない」とされています。さらに、連邦政府は、この許可証を付与する前に、認可申請者がCWA第301条、第302条、第306条、第307条に加えて「州法の他の適切な要件」を遵守しているか、「排水制限およびその他の制限、ならびに監視要件」に合致しているかを評価します。
このCWAは、連邦水質汚濁防止法(Federal Water Pollution Control Act、FWPCA)を改正した1970年水質改善法第21条(b)を初めとし、その2年後の1972年に連邦水質汚濁防止法の改正として制定された法律です。この制定の際に、CWA第401条に「州・公認部族が、連邦政府の許認可プロセスにおいて水質証明を発行する」という重要な役割を果たすことが記載されています。しかし、実はCWA改正が制定される前の1971年に、連邦政府の環境保護庁(Environmental Protection Agen、EPA)は、水質認証に関する施行規則を公布していました。EPAは1972年以降、この1971年規則の内容を、改正されたCWAと整合性を図る必要があると認識していました。しかし、当時EPAは他の連邦機関と協議できず更新を断念し、代わりにEPAが発行する国家汚染物質排出排除システム(National Pollutant Discharge Elimination System、NPDES)許可証の水質認証に適用される規制を策定しました。このような背景により、1971年規則は1971年以来50年にわたって発展してきた水質認証の慣行やCWA第401条に関する司法解釈を反映・考慮せずに残っていました。2020年、EPAは、1971年規則を改定しました(2020年規則)。その際、EPAはNPDES許可証の水質認証に適用される規制を更新しませんでしたが、「後続の規則制定において、必要な適合規制の変更を行う」と言及していました。
2021年1月20日、バイデン大統領は大統領令を発行し、連邦政府機関に対し、過去4年間に実施された措置のうち、この大統領令に示された方針と矛盾する、または矛盾する可能性があるものを見直すよう指示しました。この大統領令に従い、EPAは2020年規則の見直しを行ったところ、いくつかの条項において、州・公認部族の水質保全に関する権限内容がCWA第401条で保障されている権限内容と矛盾する可能性を見つけ、重大な懸念を指摘していました。
注目すべき内容
2020年規則は、水質認証に関するEPAおよび認証機関の主要な過去の解釈や慣行から、実質的に逸脱するものとなっていました。また2020年規則は、CWA第401条で中心内容となっている、州・公認部族と連邦政府の協力体制の枠組みからも大きく逸脱しているものとなっていました。さらに、2020年規則は、過去半世紀にわたって発展してきた州・公認部族の認証プログラムを混乱させる新たな手続き要件を導入していました。今回の最終規則では、すべての利害関係者に水質認証に関するデータの透明性を確保する一方で、CWA第401条で重要な核となる解釈や慣行に立ち返って、「認証審査としての州・部族の活動や役割」を尊重する内容となっています。具体的には、以下の改訂を最終決定しています。
- CWAに記載された「(州・公認部族との)協力的な連邦政府の主義の枠組み」とその条文をよりよく反映させるため、2020年(施行)規則の文言を改定しました。
- 州・公認部族の認証の範囲や行動のための合理的な期間などを明確にしました。
- CWA第401条および2021年の大統領令の水質保護およびその他の政策目標と一致する、効率的、効果的で理解しやすい認証機関(州・公認部族)主導の認証プロセスとするために、CWA第401条を実施する規制の文章を修正しました。
- EPAが発行するNPDES許可に対する水質認証規則の適合改正も最終決定しました。
参考情報
水質浄化法とは
水質浄化法(Clean Water Act、CWA)は、米国で1972年に制定された水質汚濁防止のための法律です。水域の化学的・物理的・生物学的状態を修復し維持することが目的で、汚染水排出源からの汚染物質の水域への排出を制限する内容となっています。排出源からの汚染物質の水域への排出は許可制とし、許可には技術基準と水質基準が課せられています。技術基準は汚染物質によって異なる、全国で統一された基準です。一方、水質基準は技術基準を満たしていても排出先の水質の修復・維持が困難な水域において課される厳格な基準で、水域の利用目的に応じて州・公認部族がその内容を決定します。本法の下では、排出源と認定されていない排出水の規制プログラムや湿地等の浚渫・埋め立てに係る規制プログラムなども含まれています。
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