EPA、二次鉛製錬所の新規排出源から排出される粒子状物質(PM)の基準値を厳しくする最終決定
2023年11月20日、米国環境保護庁(EPA)は、大気浄化法(CAA)に基づき、二次鉛製錬所の新規排出源性能基準(NSPS)の見直しを行い、その改定を最終規則としました。具体的に、2022年12月01日以降に建設、改築、または改変される二次鉛製錬所に適用されるNSPSを改定しました。またEPAは、1973年06月11日~2022年12月01日以前に建設、改築、または改変された二次鉛製錬所に適用されるNSPSの改訂も行いました。さらに、不透明性制限(opacity limit)の遵守を証明するための代替法として、EPA法「物質発生源からの遁走排出およびフレアからの煙排出の目視判定」の使用を最終決定しました。この最終規則は2023年11月20日に発効します。
背景
大気浄化法(Clean Air Act、CAA)に基づき、環境保護庁(U.S. Environmental Protection Agency、EPA)の長官が適切な時期でないと判断した時以外、EPAはNSPSを少なくとも8年ごとに見直し、適切に改定することが義務付けられています。この時、EPAは新規排出源性能基準(new source performance standards、NSPS)を、「規制技術、工程操作、設計、効率改善、またはその他の排出削減システムの進歩」を考慮し、最良の排出削減システム(best system of emission reduction、BSER)を採用しているのかを見直して、改定を行っています。さらに、EPAは、「その排出源区分の予想される成長」「現行の基準の実施と施行でみられる達成率」「規則施行のコスト」「排出削減量」「大気質以外の健康および環境への影響とエネルギー要件」などその他の事項も考慮に入れています。
排出源分類「二次鉛製錬(Secondary Lead Smelters)」の施設では、鉛含有スクラップから鉛と鉛合金を製造しています。二次鉛製錬の工程は、(1) 鉛含有材料の事前処理 (2) 製錬炉で鉛金属を溶解し、鉛化合物を鉛金属に還元する (3) 顧客の仕様に合わせて鉛を精錬・合金化する、という3つの行程よりなります。二次鉛製錬の施設では、製錬工程で高炉、反射炉、ポット炉(精錬窯)が使用され、この工程からの排気が粒子状物質(particulate matter、PM)の排出源となっています。その他、精錬工程の様々な時点でPMが漏れ出て排出 (fugitives emission)する可能性があります。現在、米国には11の二次鉛製錬施設があり、この分類の対象となっている炉を操業しています。現在のNSPSでは、施設は高炉および反射炉からのPM排出量を乾燥標準立方メートル当たり50ミリグラム(mg/dscm)、または乾燥標準立方フィート当たり0.022粒子(gr/dscf)以下に制限しなければならないと規定されています。加えて、高炉または反射炉からの可視排出が不透明度20%、ポット炉からの不透明度10%を超えてはならないとも規定されています。多くの場合、二次鉛製錬施設は、NSPSのこれらPM排出と不透明度制限を遵守するために、様々な制御装置(バグハウス、ガススクラバーと呼ばれるような装置)を組み合わせて使用しています。
注目すべき内容
EPAは今回以下の改定を最終規則としました。
①高炉、反射炉、およびポット炉に関するNSPSの改定を以下のように決定しました:「高炉および反射炉のPM排出規制値を、10mg /dscmとする」「高炉および反射炉の不透明度規制値を5%とする」「ポット炉のPM排出規制値を3mg/dscmとする」
その他、「プロセス遁走排出源process fugitives emission source」の定義を決定し、ポット炉からの排出、および他の複合プロセス(例えば、炉の装入およびタッピングと鋳造)からの遁走排出のPM排出規制値を4.9mg/dscm、不透明度規制値5%とすることも最終決定しました。さらに今回、EPAは二次鉛製錬施設のNSPSを、制御装置の二次鉛製錬施設効率的な粒子制御(例えば、HEPA フィルタ、ベンチュリースクラバー、および/または湿式 電気集塵装置(WESP)と直列に設置される可能性のあるバグフィルタ)とすることも最終決定しています。
②スタートアップ、シャットダウン、故障による規制値からの逸脱を除外例としない
③試験およびモニタリング要件内に、最終的な不透明度の測定の代替案として、目視判定を採用する
④以上の①~③の変更に伴い、規則内の電子報告要件、通知・記録の要件、定義などを改定する
今回見直されたNSPSは、2022年12月01日以降に建設、改築、または改変される二次鉛製錬所に適用され、2023年11月20日より発効されます。
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