新規乗用車に、飲酒運転など運転が不適切な場合に走行を中断させる機能搭載検討
2024年01月05日、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)は、連邦自動車安全基準(FMVSS)の規則案策定前通知(ANPRM)を発表しました。新しいFMVSSに、新たに製造される乗用車に飲酒運転時および眠気や注意散漫などにより運転が不適切な場合に走行を中断する高度な技術を装備することを、NHTSAは要求する予定です。
そのため、NHTSAは、このANPRMにおいて、飲酒運転や運転が困難な状態を防止する方法に関して様々な活動を紹介し、先進的な運転サポート技術の現状について記載しています。
また、NHTSAは、規則制定案を作成するために、特に技術の性能要件に関する必要な情報収集を行うため、ANPRMにおいて特定の質問を記載し、その回答を募集しています。回答の提出期限は2024年03月05日です。
背景・概要
■ 飲酒運転は、米国の道路での事故や死亡事故の主な原因となっています。米国運輸省の道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration、NHTSA)は、1970年代から飲酒運転の取り締まりに積極的に取り組んできました。実際、車両技術の発展より、飲酒運転や不適切な運転による事故や死亡事故減少し、その数はゼロに近づいています。
■ さらに、民間および公共の研究者は、特にドライバーの状態と運転技術(ハンドルを握る手、視線方向、車線位置など)を測定および定量化できる技術を大きく進歩させています。しかし、これらの技術を飲酒運転や不適切な運転の検出とその中断に活用することは、依然として大きな課題となっています。
■ NHTSAの情報収集と研究活動では、いくつかの技術がアルコール以外に運転が不適切な状態、例えば眠気や注意散漫などの状態を検出することがわかっていますが、それぞれの状態の区別、誤検知の回避、適切な予防策の決定においてはまだ技術的な課題が残っています。
■ インフラ投資・雇用法(Infrastructure. Investment and Jobs Act) は、NHTSA に対し、2024年までに新型乗用車に「先進的な飲酒・不適切運転防止技術」の搭載を義務付ける連邦自動車安全基準(Federal Motor Vehicle Safety Standard、FMVSS)を制定する最終規則を発行するよう指示しています。
■ 加えて、FMVSSは国家交通・自動車安全法(National Traffic and Motor Vehicle Safety Act)の要件を満たす場合にのみ発行されるべきであると規定しています。インフラ投資・雇用促進法は、「先進的な飲酒・不適切運転防止技術」を、例えば受動的で正確に運転者の状態を監視して不適切な状態を検出する技術または運転者の血中アルコール濃度の測定技術により、運転が不適切な状態を検出された場合、車両の運転を中断または制限する技術と定義しています。
■ 運転者の不適切さを検出する技術の現状を踏まえ、NHTSAは、国家交通・自動車安全法の要件を満たすことができるFMVSSの将来的な要件を事前に通知するため、この規則案策定前通知(Advance notice of proposed rule making、ANPRM)を発行しました。
注目すべき内容
■ 今回のANPRMでは、アルコールが運転技術に及ぼす影響に関するNHTSAの予備知識の概要を示すとともに、不適切な運転の検知技術の開発に関する様々な問題に対して回答を求めています。また、不適切な運転に対する新規のFMVSSを開発するために必要な研究と技術的進歩についても記載されています。
■ さらに、不適切な運転を検知する方法として、運転手の血中アルコール濃度の検出、運転操作の監視により不適切な運転技術の検出、またはこの2つの組み合わせという3つの規制オプションが提示されています。この通知により、NHTSAは先進的なFMVSSの規則制定案を作成するために必要な情報収集を行う予定です。
■ この規則を有効にするために、以下の一般的な事項に関する質問を含む特定された質問を記載しその回答を募集しています。
(1)アルコール検出技術の耐用年数、その間の信頼性または耐久性に関する質問
(2)不適切な運転の検知システムの保守費用を含む最終的な設置費用に関する質問
(3)不適切な運転が検出されたこと(及び/又は車両システムの対応が制限されたこと)を運転手等に示すインジケーターに関する質問
(4)製造者が、今後もより効果的な検知技術を開発するための最善の規則の策定方法に関する質問
(5)検出しきい値や検出しきい値を下方調整できる要件に関する質問
(6)NHTSAは多くの行動安全キャンペーンによる飲酒運転の減少の進展が頭打ちになっていることを指摘しています。このような状況の中、NHTSAが取りうる飲酒運転などに対処する根本的なプログラムや取り組みに関する質問
以上の質問に関する回答の提出期限は2024年03月05日です。
参考情報
道路交通安全局(NHTSA)、飲酒時または不適切な運転時に走行を中断させる機能を新規乗用車へ搭載することを義務付ける新しい連邦自動車安全基準
連邦自動車安全基準(FMVSS)とは
■ 連邦自動車安全基準(Federal Motor Vehicle Safety Standard、FMVSS)は、自動車の設計、構造、性能、耐久性の要件、および自動車の安全に関わり規制される各設備、システム、および設計機能を規制しています。FMVSSは、車両規制調和世界フォーラムによって設計された国連規則のいわゆる米国版となっています。
■ 1966年の国家交通・自動車安全法(National Traffic and Motor Vehicle Safety Act)の法定認可に従って、米国運輸省の道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration、NHTSA)よって成文化され施行されています。FMVSSでは、例えば飲酒運転時の衝突においては衝突回避(100シリーズ)、耐衝撃性(200シリーズ)、衝突後の生存性(300シリーズ)の3つのカテゴリに分類され、規制となっています。
■ その要件は定期的に更新され、年々厳しくなっています。このような車両に関する規則は、米国を除くほとんどの国で程度の差こそあれ採用されています。
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