米国|2027年モデルイヤー以降の小型車および中型車車種に対する基準汚染物質と温室効果ガスの排出基準を改定し、最終決定
EPA、既存の基準よりも厳しい基準汚染物質と温室効果ガスの排出基準を最終決定
2024年04月18日、環境保護庁(EPA)は、2027年から2032年度をモデルイヤーとする小型車とクラス2bおよびクラス3の中型車に対して、段階的に厳しくなる基準汚染物質と温室効果ガス(GHG)の排出基準を新たに設定しました。また、GHGプログラムにおいて省エネ技術に対する税額控除であるオフサイクルクレジットと空調クレジットを、段階的に廃止する改定も最終決定しました。この最終規則は2024年06月17日に発効します。
影響を受ける事業体
小型車または車両総重量定格(gross vehicle weight rating、GVWR)が8,501~14,000ポンドの中型車を対象とし、その製造業者、米国への自動車輸入業者、自動車の代替燃料に関わる事業者に影響が及びます。
この最終規則の背景と概要
この最終規則の決定に向けて事前に行われた規則案策定通知(Notice of proposed rulemaking、NPRM)に対し、多くの環境・公衆衛生に関わるNGO団体、州、消費者団体、BEV専用製造業者、PEV業界は、既存の基準より厳しい内容を希望していました。一方、大手自動車製造業者と同業界の労働者団体は、厳しい基準の設定に懸念を表明していました。これらの理由から、環境保護庁(Environmental Protection Agency、EPA)は、モデルイヤー(Model Year、MY)2032までに、小型または中型乗用車に対する基準を現在の技術では最も厳しいものとするために、MY2027の導入開始段階においては比較的緩やかな基準汚染物質とGHGの排出基準を最終決定しました。
さらに、自動車業界とその労働団体の懸念に対応するため、2つの任意の税額控除(クレジット)プログラムであるオフサイクルクレジットと空調(A/C)クレジットの段階的削減を延長することも最終決定しました。その他、電気自動車のバッテリーの耐久性と保証規定、小型車認証試験プログラムの改善なども最終決定されました。
この最終規則の内容
1.GHG排出基準
EPAは、MY2027からMY2032までの小型車と中型車の両方に対して、2021年規則で適用された既存の基準よりも厳しいGHG基準を設定しました。
具体的には、小型車・中型車について、MY2027年から2032年までの6年間で毎年徐々に厳しさを増す基準が採用されました。反対に、車両に対する2つの税額控除プログラムである「オフサイクル(省エネルギー)クレジット」と「車両の空調(Air conditioner、A/C)クレジットの廃止は延長されて、段階的に行われることが最終決定されました。また、EPAは、自動車製造業者にプラグインハイブリッド(PHEV)車への技術移行に時間的猶予を持たせるため、PHEVのユーティリティ係数の段階的導入を2027年から2031年まで延期しています。
EPAは、少量生産事業者(年間生産台数が5,000台未満の事業者)に対し、2032年までにプログラム基準に移行できるようにするため、猶予や優遇規定を設けています。
2.基準汚染物質基準
EPAは、小型車と中型車に対するMY2027から始まる基準汚染物質について、より厳しい排出基準を最終決定しました。
①小型車に対する非メタン有機ガス(NMOG)+窒素酸化物(NOX)基準、小型車と中型車に対する低温(-7℃)のNMOG+NOX基準が最終決定されています。さらに、適用範囲の中型車に対する使用中基準、不完全な中型車に対する中型車給油排出要件の変更、および小型車に対するカリフォルニア州大気資源局の先進クリーンカーⅡプログラムに沿ったNMOG+NOX規定も確定しました。
②すべての小型車とガソリン中型車に対する粒子状物質(PM)基準を0.5 mg/マイルとし、低温(-7℃)試験を含む3つの全ての試験において基準を満たすことを義務付けることが最終決定されました。
③小型車および中型車に対する一酸化炭素およびホルムアルデヒド基準の変更も確定しました。
3.電動車両のバッテリーの耐久性と保証規定
最終規則の決定に向けた規則案策定通知(Notice of proposed rulemaking、NPRM)における提案通りに、PEVの電池耐久性に関する新たな要件が策定されました。具体的には、小型PEVにはバッテリーの耐久性モニタリングと性能要件が、中型車PEVにはバッテリーの耐久性モニタリング要件が設定されました。その他、EPAは、PEVに対する新たなグループ分け定義を追加し、報告要件、電池耐久性要件を証明するPHEV充電減耗試験における新たな計算方法も最終決定しています。
4.小型車認証試験プログラムの改善
EPAは、製造事業者に対する認証および試験規定の明確化、簡素化、合理化、および更新を目的として、現行の規則において、様々な改善を最終決定しました。
この最終規則は2024年06月17日に発効します。
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