2024.05.22
米国|CPSC、改定した携帯燃料容器安全法規則を最終規則として発表
PFCSAに基づいて、ASTM F3429/F3429M-24規格が盛り込まれた、より安全性を重視した規則を最終決定
2024年04月30日、消費者製品安全委員会(CPSC)は、2020年携帯燃料容器安全法(PFCSA)に基づく必須規格として、改訂されたASTM F3429/F3429M-24を携帯燃料容器の強制規格に組み込んだ、携帯燃料容器安全法規則を最終規則として発表しました。この規則は、問題が無ければ2024年07月27日に発効されます。充填済み携帯燃料容器の製造、販売、輸入、また携帯用燃料容器を利用した燃料運搬に関わる事業者に影響が及びます。
ASTM規格とは
ASTM規格とは、旧称でAmerican Society for Testing and Materials(ASTM)、現在はASTM Internationalとなっている米国試験材料協会によって策定され、材料、製品、システム、品質、安全性、性能に関する技術的基準を言います。金属、塗料、繊維など、約130の異なる産業分野の製品をカバーし、その標準試験方法、仕様、ガイドラインを提供しています。ASTM規格はその性質上、任意で採用される技術標準ですが、米国の法規制や国際貿易の文脈において、この規格が参照され、実質的に要件とされていることがあります。加えて規格への準拠は、リスク管理の観点からも重要で、製品の安全性や性能に関する訴訟リスクを低減する効果があります。
そのため、多くの国際企業は、法的義務がなくても、自発的にこれらの規格を採用し、製品の設計や製造プロセスに組み込んでいます。米国市場での販売製品は、ASTM規格への準拠が求められることも多く、製造や輸入に関わる日本事業主は製品の性能や安全性をASTM規格に基づいて証明する必要があります。
携帯燃料容器安全法(PFCSA)の背景
携帯燃料容器安全法(Portable Fuel Container Safety Act、PFCSA)では、「携帯燃料容器」は以下の容器と定義されています。
- ガソリン、灯油、ディーゼル、エタノール、メタノール、変性アルコール、バイオ燃料など、引火点が140°F未満の液体燃料用の容器
- 容量が5ガロン以下のもの。
- 液体燃料の輸送、貯蔵、分配に使用されることを製造者が知っているか、合理的に知るべきもの。
消費者製品安全委員会(Consumer Product Safety Commission、CPSC)は、この携帯燃料容器安全法に基づき、容器内への火炎の伝播を防ぐ火炎緩和装置(flame mitigation devices、FMD)を携帯用燃料容器に設置することを義務付ける規則を制定、施行しています。2023年08月、CPSCはプレフィルド(pre-filled、充填済み)携帯燃料容器のFMDの必須規格として、ASTM F3429/F3429M-23を承認し、2020年携帯燃料容器安全法(Portable Fuel Container Safety Act of 2020:PFCSA)に取り込みました。
その後、2024年1月にASTMはこの規格を改定したASTM F3429/F3429M-24を発表し、CPSCに通知したため、CPSCは再度この規格を取り込むための評価を行っていました。
今回、CPSCは、同規格の改訂版ASTM F3429/F3429M-24がPFCSAの目的に沿ったものであると判断し、この規格を組み込んだ最終規則を発表しました。
ASTM F3429/F3429M-24の取り込みにより改訂された内容
1.新しい保持試験
ASTM F3429/F3429M-24 では新たな保持要件とそのための新たな保持試験方法が追加されました。保持要件として、プレフィルド携帯燃料容器に設置されたFMDが利用者によって簡単に取り外されないことを保証する必要があります。また、保持試験方法の要件として、このFMDが15ポンドの押すもしくは引く力、および各方向に25in-lbのトルク力に、耐える必要があります。
2.許容試験ガスの変更
ASTM F3429/F3429M-24では、ガス流量計算手順の要求事項を改訂し、一部の硬質容器について、エチレンに加え、プロパンまたはエタンを許容試験ガスとして試験することが認めらえました。さらに、ガス流量の計算方法、プロパンとエチレンの計算値を追加し、またエチレンの値の誤りを訂正しています。これにより、硬質容器の十分な保護が確保されるとともに、ガス飛散の問題が防止され、消費者が燃料の流れを良くするためにFMDを取り外す可能性を低くしました。
3.容器の類似性に関する文言の明確化
ASTM F3429/F3429M-24 では、適合容器と同じ FMD を持つ容器の認証に関する要求事項が明確になりました。具体的には、ASTM F3429/F3429M-24において、「異なる容器を使う場合は類似の材料から作られ、類似の肉厚」でなければならないと説明する文言が追加されました。
4.試験手順の改訂
ASTM F3429/F3429M-24では、3つの試験手順が改訂されています。1つ目は、「試料調製手順に適用され、試験のために容器の底部を取り外す場合、FMD 及び FMD が取り付けられている容器又はクロージャーの部分はそのままでなければならないこと」が明確にされました。2つ目は、「気体流量の計算で、気体燃料と空気を容器に流入させる手順」が明確にされました。3つ目は、耐久試験方法とフラッシュバック試験方法の試験手順が互いに整合性を持つように説明が加えられました。
CPSCは、今回のASTM F3429/F3429M-24における改訂内容により、信頼性の高い適合試験が容易になり携帯用燃料容器の安全性が向上すると結論付け、この規格を携帯燃料容器安全法規則に組み込んで、最終規則としました。この規則は、CPSCが2024年05月30日までに重大な反対意見を受理しない限り、2024年07月27日に発効されます。充填済み携帯燃料容器の製造、販売、輸入、または利用する事業者に影響が及びます。
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