米国|EPA、塩化メチレン使用の大半を禁止することを盛り込んだリスク管理規則を最終決定

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米国|EPA、塩化メチレン使用の大半を禁止することを盛り込んだリスク管理規則を最終決定

EPA、一部の産業向け製品に使用する塩化メチレンについても安全要件を強化

2024年04月30日、米国環境保護庁(EPA)は、有害物質規制法(TSCA)に基づき、そのリスク管理規則に塩化メチレンのほとんどの使用を禁止することを盛り込んで、最終決定しました。今後、消費者向けもしくは産業・商業向けで塩化メチレンを使用した製品の輸入を含む製造、加工、流通は、1年もしくは2年間内に段階的に禁止されます。ジクロロメタンやDCMとしても知られる塩化メチレンを、接着剤、シーリング剤、脱脂剤、クリーナー、自動車製品などの製品に使用している事業主やそれを販売するなどを行う事業主に影響が及びます。

この規則の背景

現在、塩化メチレン(ジクロロメタンやDCMとしても知られる)は、肝臓がん、肺がん、乳がん、脳腫瘍、血液がん、中枢神経系がん、さらには神経毒性、肝障害の原因となることが知られています。2019年以前、消費者向け塗料や塗装除去に使用された塩化メチレンの曝露により急性死亡事故が発生したことから、2019年11月22日以降、米国環境保護局(Environmental Protection Agency、EPA)は、塩化メチレンを使用した消費者向けの製品の製造・輸入、加工、および販売を禁止しています。加えて、EPAは、塩化メチレンを使用した製品の製造業者、加工業者、および販売業者に対し、使用する者などへの禁止事項の通知と記録の保持を求めています。

今回、EPAは有害物質規制法(TSCA)に基づき、塩化メチレンを使用する消費者向け製品だけでなく、産業・商業向けのほとんどの製品の製造などを禁止することを要件としたリスク管理規則を最終決定しました。今回の最終決定は、がん撲滅を目指した「バイデン大統領のキャンサー・ムーンショット( President Biden’s Cancer Moonshot)」プログラムの一環でもあり、また2016年のTSCA改正後2番目に決定されたリスク管理規則になります。

この規則の内容

今回、EPAの最終リスク管理規則では、以下の重要な2点が決定されています。

  • 企業に対し、塩化メチレンが使用されているすべての消費者向け製品と、住宅改修などで使われるほとんどの産業・商業向け製品の製造・加工・流通を段階的に縮小することが求められています。
  • 消費者向けの製品については段階的に1年以内、産業・商業向けの製品についても段階的に2年以内に全面的に禁止される予定です。(ただし、以下記載の「例外となる製品」は除かれます。)

その他、EPAは最終決定では、企業に十分な時間を確保するために、規則案で発表された遵守期間を延長しています。さらに、塩化メチレンを使用した製品が連邦用途か一般産業・商業用途かにかかわらず最終規則を適用すること、デミニマス (de-minimis、当該製品にごく少量入っているが許される)濃度を設定すること、監視要件など職場における化学物質保護プログラムの内容を適用すること、などを追加しています。EPAでは、今回禁止された製品においては、塩化メチレンと同様のコストと効果を持つ代替品が一般的に入手可能であると考え、今回の最終決定を行いました。一方で、一部の製品に関しては、例外として認められています。

塩化メチレンに対するリスク管理規則において例外となる製品の種類とそれに対する規則の内容

EPAは、塩化メチレンに関して職場化学物質保護プログラムを適用し、このプログラムの下、高度に産業化され、国家安全保障と経済にとって重要な製品の種類を例外としています。「例外となる製品」は、EPAが健康などへのリスクに対処した職場安全対策が達成可能であると認められた製品となります。具体的には、以下の製品が含まれています:

  1. 米国技術革新製造業法(American Innovation and Manufacturing Act)に基づき、気候変動に有害なハイドロフルオロカーボンを削減する取り組みにおいて重要な冷媒用化学物質
  2. 電気自動車用バッテリーセパレーター
  3. 閉鎖系での加工助剤
  4. 実験用化学薬品
  5. ポリカーボネートを含むプラスチックやゴム
  6. 溶接の場での溶剤
  7. 米国航空宇宙局、国防総省、連邦航空局が必要とする塩化メチレンの特定製品

ただし、これらの「例外となる製品」の製造などに対しても、EPAは、従業員等が塩化メチレンの使用によって健康リスクを受けないように、職場化学物質保護プログラムを通じて厳格な職場保護を要求しています。さらに、これらの製品においても、製造(輸入を含む)、加工、販売する者に対し、製品の出荷先への禁止事項の通知や記録の保存が義務付けられています。加えて、今回例外となる、職場化学物質保護プログラムの下で継続して許可される塩化メチレン製品の製造者などは、リスク管理規則の確定後18ヶ月以内に、プログラムの遵守が行われているかについて、作業場などの定期的な検査などの監視が行われます。

EPAは、この最終規則の内容とその実施方法について説明するための公開ウェビナーを2024年06月04日に開催する予定です。

参考情報

EPA、塩化メチレン使用の大半を禁止することを盛り込んだリスク管理規則を最終決定

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