米国|緊急事態計画および地域住民の知る権利法(EPCRA)および汚染防止法(PPA)に基づく有毒化学物質排出報告の対象となる化学物質の一覧を更新
特定のパーフルオロアルキル物質およびポリフルオロアルキル物質(PFAS)の有害物質排出インベントリー(TRI)への法定追加を実施
2024年05月17日、環境保護庁(EPA)は、「緊急事態計画および地域住民の知る権利法(EPCRA)」および「汚染防止法(PPA)」に基づいて有害化学物質排出報告の対象となる化学物質の一覧を更新しました。2020年会計年度国防権限法(FY2020 NDAA)に従って報告しなければならない7つのパーフルオロアルキル物質およびポリフルオロアルキル物質(PFAS)を特定し、更新します。
この最終規則は2024年06月17日に発効します。この規則に記載されているいずれかのPFASの製造、加工、またはその他の方法で使用している事業体に影響が及びます。
この最終規則の背景
国防権限法(National Defense Authorization Act、NDAA)は、国防政策の大枠を定める法律で、年度ごとに米国議会において提出され、次の会計年度における国防予算を定めます。2020年会計年度(Fiscal Year、FY)の国防権限法(FY2020 NDAA)以降、EPAはその後に見出された7つのPFASについて、EPCRA第313条の「報告対象化学物質一覧(一般に有害物質排出インベントリー(Toxics Release Inventory、TRI)として知られる)」に追加する方向で調査を行っていました。
有害物質排出インベントリーとは
有害物質排出インベントリー(Toxics Release Inventory、TRI)とは、米国において人の健康を害すもしくは環境汚染を促進する可能性のある特定の有害化学物質の管理状況を、追跡・調査・リスト化し、さらに集計して(オンライン)公表する仕組みです。米国の指定された産業分野の施設は、各化学物質をどれだけ地域社会や環境(大気、水域、埋め立て等を含む)に放出したか、あるいはリサイクルやエネルギー回収、処理を通じて管理されたかを毎年TRIに報告しなければなりません。
一般に、TRIプログラムの対象となる化学物質は、「がんまたはその他の慢性的な人体への影響」「急性人体への重大な悪影響」「環境への重大な悪影響」を及ぼすものが対象となり、2024年02月現在で、33の化学物質カテゴリーに分けられて約770種類がリストアップされています。
TRIへの報告義務のある施設の多くは、製造、金属採掘、発電、化学物質製造、有害廃棄物処理に関わる大規模施設で、標準産業分類(SIC)コード別に対象業種が決められています。米国ではこのTRIを毎年7月に集積して一般に公開することで、企業は環境汚染に対する取り組みをより向上させ、より良い取り組みを行っている企業に対してインセンティブを生み出しています。
最終規則の内容
今回、EPAは、有害物質規制法(TSCA)に基づいて公表された物質のうち、企業の機密情報(confidential business information、CBI)の申し立てを審査し、FY2020 NDAAの要件を満たしてかつCBI が主張されていない7種類の化学物質を見出しました。そして、「緊急事態計画および地域住民の知る権利法(EPCRA)」および「汚染防止法(PPA)」に基づいて、これらを最終毒性値の情報と共にTRIリストに追加することを決定しました。以下は、7種類の化学物質の情報を示します。個々の化学物質の追加に関する発効日は2024年01月01日です。
この規則は議会命令に適合させるための規則で、通知や一般からの意見募集が必要ではない規則制定方法を取るため、2024年06月17日より発効しています。CAS登録番号(Chemical Abstracts Service Registry Number、CASRN)とは、化学物質を特定するための番号です。
- パーフルオロヘキサン酸(PFHxA)(CASRN: 307-24-4)
- パーフルオロプロパン酸(PFPrA)(CASRN: 422-64-0)
- パーフルオロヘキサン酸ナトリウム(CASRN: 2923-26-4)
- パーフルオロヘキサン酸アンモニウム(CASRN: 21615-47-4)
- 1,1,1-トリフルオロ-N-[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド(TFSI)(CASRN: 82113-65-3)
- リチウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アザニド(CASRN: 90076-65-6)
- べタイン、ジメチル(.γ.-.ω.-パーフルオロ-.γ.-ヒドロ-C8-18-アルキル)(CASRN: 2816091-53-7)
今後、これら7つのPFASのいずれかを製造、加工、またはその他の方法で使用している事業体は、TRIプログラムの内容に影響を受けます。
参考文献
緊急事態計画および地域住民の知る権利法(EPCRA)および汚染防止法(PPA)に基づく有毒化学物質排出報告の対象となる化学物質の一覧を更新
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