米国|インフレ抑制法に基づく第45Y条クリーン電力生産クレジットおよび第48E条クリーン電力投資クレジットの規則案
IRS、クリーン電力生産または投資への税額控除の内容を規定する規則案を通知
2024年06月03日、財務省の内国歳入庁(IRS)は、2022年インフレ抑制法に基づくクリーン電力生産クレジット(税額控除の意)とクリーン電力投資クレジットに関連する規則案を通知しました。規則案では、発電が原因となっている温室効果ガス排出率の決定、暫定排出率の申請、様々な状況におけるクレジットの適格性に関する規則が提案されています。
この規則案により、クリーン電力を生産し、2024年12月31日以降に使用が開始される施設について、「クリーン電力生産控除」、または施設やエネルギー貯蔵技術に対する「クリーン電力投資控除」を申請する全ての納税者(事業者)に影響が及びます。IRSは、規則案と同時に、この規制案に関する公聴会の通知も発表しました。
インフレ抑制法とは
インフレ抑制法(Inflation Reduction Act、IRA)とは、2022年08月16日にバイデン大統領の署名を経て成立した法律で、10年間(22~31年度)で財政赤字を約3000億ドル削減することで、インフレの減速を狙うことを目的としています。内訳を見ると、法人税の最低税率の設定で約2220億ドル、自社株買いに対する1%課税で約2220億ドルと、法人企業を対象とした課税で財政赤字を約7370億ドル減らす予定となっています。
一方で、それを原資として政府より米国史上最大の気候変動への投資を定め、「エネルギー安全保障と気候変動」の分野で、税額控除、融資や補助金などを通じて3690億ドルを投じる構成となっています。
この通知の概要
2024年06月03日、財務省の内国歳入庁(Internal Revenue Service、IRS)は、IRAに基づく第45Y条及び第48E条のクレジット(税額控除)を実施するため、2024年12月31日以降に使用が開始される「適格施設」に関しては内国歳入法第45条及び第48条を、蓄電技術に関しては第48E条を改正した所得税規則の改正案を発表しました。2025年01月01日より前に建設が開始され、温室効果ガス(greenhouse gas GHG)の純排出ゼロを達成するクリーン電力施設が対象となっています。
この規則案では、風力、太陽光、水力、潮流・海流、原子力、地熱、一部の廃棄物による発電がゼロエミッション技術として明確化しており、また技術の種別にかかわらず、クリーン発電として同じ税額控除が適用されます。この規則案への意見は2024年08月02日まで募集されます。この規定案に対する公聴会は、2024年08月12日(米国東部時間)午前10時および08月13日午前10時に開催される予定です。
内国歳入法の第45Y条の改正内容
第45Y条では、各課税年度の控除額、インフレ調整係数、エネルギー共同施設などの控除額の増額要件、製造製品を米国で生産されたものであると証明した場合のボーナス要件などに加え、適格施設の要件(使用開始年月日、温室効果ガス排出率など)が規定されています。加えて、第45Y条(d)では、この税額控除の段階的な廃止についても規定されています。その他に、考慮される電力の内容、熱電併給システム(combined heat and power system、CHP)の資産に関する規則、賃金要件なども、特別規則として規定されています。
内国歳入法の第48E条の改正内容
課税年度において、適格施設及びエネルギー貯蔵技術(energy storage technology、EST)対して行われた、適格な投資に対する税額控除、関連する用語の定義付け(適格投資とはなど)、この税額控除の段階的な廃止について、規定されています。また、回収規則(GHG排出率が1kWhあたり10グラムの二酸化炭素量を超えた場合、当該施設に認められた控除の取り消しなど)も規定されています。
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