米国|特定の新規排出源の性能基準および有害大気汚染物質国家排出基準から「肯定的抗弁条項」を削除する提案

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米国|特定の新規排出源の性能基準および有害大気汚染物質国家排出基準から「肯定的抗弁条項」を削除する提案

起動・停止・故障(Startup, Shutdown, and Malfunction、SSM)におけるHAP排出基準からの免除を削除する提案

2024年6月24日、環境保護庁(EPA)は、大気浄化法(CAA)に基づいた、新しい有害大気汚染物質の国家排出基準(NESHAP)を提案しました。具体的には、故障による排出基準違反に関連する肯定的抗弁規定(Affirmative Defense Provisions)の削除を提案しています。この内容に関する一般意見は、2024年08月08日まで募集されます。

有害大気汚染物質の国家排出基準とは

有害大気汚染物質の国家排出基準(National Emission Standards for Hazardous Air Pollutants、NESHAP)は、有害大気汚染物質(Hazardous Air Pollutants、HAP)の固定発生源(排出源)についての基準です。有害大気汚染物質は、動物もしくはヒトの癌や生殖機能への影響や先天性欠損症などの他の健康への重篤な影響、または環境への悪影響を引き起こすことが知られている、または疑われる汚染物質のことをいいます。EPAは、有害大気汚染物質の排出源として規制の対象となる施設の検査を実施し、法令に遵守しているかを判断します。EPAは、「排出に関する報告書と記録の確認」「施設担当者との面談」「排出する場所があるプロセスの検査」「施設の設計および作業慣行の基準に関する検査」「漏れ検出と修理方法の見直し」について、NESHAPに基づいて検査します。NESHAPの対象となる排出源として、施設は通常、少なくとも2年に1回、州または地方事務所による評価を受けます。そのため、HAPを排出する、もしくはその可能性のある施設(民間の場合、例えば、製造工場など)は、各排出源カテゴリーのNESHAPの内容やその改定を知る必要があります。

この排出基準案の背景

2008年、コロンビア特別区控訴裁判所は、EPAの大気浄化法(Clean Air Act、CAA)内の一般規定のうち、起動・停止・故障(Startup, Shutdown, and Malfunction、SSM)の間のHAP排出を規定する2つの規則の一部を、取り消しました。同裁判所は、このSSM免除は「CAA基準は常に適用されなければならない」というCAAの要件に違反するとし、この判決を下しています。EPAは、この問題に対処するため、2010年にポルトランドセメント製造NESHAPより、SSM規定の改正を開始しました。そして、その措置において「排出規制値を超過する原因となった事象が「誤動作」の狭い定義を満たす場合には、民事裁判において肯定的抗弁を認める、「肯定的抗弁規定」を追加しました。

今回、EPAが追加した肯定的抗弁の規定と、それを無効とした裁判所の判決と矛盾しているため、NESHAPより「肯定的抗弁規定」の削除が提案されています。具体的にはこの判決以降、個々のCAA規則が改定または修正されるタイミングで「肯定的抗弁規定」が削除されていますが、未だ削除されていない「肯定的抗弁規定」があるため、それを効率的に削除できるようにすることを提案しています。

基準案の具体的な内容

コロンビア特別区控訴裁判所における訴訟で扱われる各サブパートで定義されているように、「肯定的抗弁」とは、「被告が立証責任を負うことの是非に対して、司法手続きまたは行政手続きにおいて独立的かつ客観的に評価される、被告が提出する回答または抗弁」を意味します。現在、EPAは誤作動が起こり排出規制値を超過し適用される基準へ不適合が起こった場合、この肯定的抗弁規定が使用される可能性が高いと考え、個別のCAA規則から「肯定的抗弁の条項」を削除しています。

今回、EPAは、HAP排出源部門規則から、肯定的抗弁の定義を削除し、肯定的抗弁規定を含む規制条項を修正または削除して留保することを提案しています。

今回改正が提案されている基準は、ボイラー、クラフトパルプ工場、硝酸工場、化学品製造、クロム電気メッキ、石炭・石油焚き電気事業用蒸気発生ユニット、船舶積込作業、農薬有効成分の生産、医薬品製造、ポリエーテルポリオール製造、ポリマーなどの樹脂の製造、印刷における表面コーティング、二次鉛精錬所、造船補修表面塗装、銅の酸を用いた洗浄、木製家具の表面塗装に関わる事業体を対象としています。これらの事業体は、今後HAP排出基準の変更に注意が必要です。

参考情報

特定の新規排出源の性能基準および有害大気汚染物質国家排出基準から「肯定的抗弁条項」を削除する提案

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