米国|エアゾールダスター製品においてHFC-152aまたはHFC-134aを禁止有害物質として宣言する提案
消費者製品安全委員会(CPSC)、ハイドロフルオロカーボンであるHFC-152aまたはHFC-134aの使用を制限する規則を提案
2024年07月31日、消費者製品安全委員会(CPSC)は、規則制定案の通知を行いました。HFC-152aまたはHFC-134aもしくはその組み合わせを18mg以上含むエアゾールダスター (Aerosol Duster) 製品を、連邦危険物質法(FHSA)に基づき禁止有害物質として宣言することを提案しています。CPSCは、この規則案作成通知(NPR)に対して、2024年09月30日まで意見を募集しています。
ハイドロフルオロカーボン(HFC)とは
ハイドロフルオロカーボン(hydrofluorocarbon、HFC)は、フッ素原子と水素原子を含む人工の有機化合物で、現在使用されている有機フッ素化合物の中で最も一般的なタイプです。HFCは、オゾン層破壊につながるとしてモントリオール議定書で使用が廃止されたクロロフルオロカーボン(Chlorofluorocarbon、CFC)や、オゾン層破壊への寄与が少なからずあるためその後廃止が決定されたハイドロクロロフルオロカーボン(hydrochlorofluorocarbon、HCFC)に代わる代替品として、断熱発泡体、エアゾール推進剤、溶剤、防火用に使用されています。ただし、HCFCは、オゾン層破壊係数はゼロですが非常に強力な温室効果ガスであるため、その地球温暖化への寄与が国際的に懸念されおり、使用が制限される方向となっています。
この規則案の背景
エアゾールダスター製品とは、(圧縮)ガスまたは液化ガスが充填された加圧キャニスター(いわゆるスプレー缶)で、主に電子機器などのクリーニングのために、埃や破片を払い落としたり除去したりするためにガスの流れを作り出す製品をいいます。
精神作用、または精神変容作用を引き起こす化学蒸気を発生させる揮発性物質を含むエアゾールダスター製品は、吸入剤として乱用、使用される場合があります。吸入剤として使用する乱用者には、10代から60代の成人までの男女が含まれ、いわゆる「ハイ」になるための推進剤として、急速な陶酔効果を得てそれを維持するために数分ごとにエアゾールダスター製品を繰り返し使用します。HFC-152aまたはHFC-134aを含むエアゾールダスター製品が吸入剤として使われた場合、心臓発作や不整脈など身体に重大な毒性または死亡を引き起こす可能性があると報告されています。
2021年04月02日、吸入剤乱用に反対する家族の会(Families United Against Inhalant Abuse、FUAIA)は、化学物質1,1-ジフルオロエタンまたはその誘導体を含むエアゾールダスター製品の乱用でエアゾールを吸入することにより、多数の死傷事故があると報告しました。
また、死傷事故に対処するため、消費者製品安全委員会(U.S. Consumer Product Safety Commission、CPSC)に、規則制定を行う嘆願書を提出しました。具体的には、①製造業者がすべてのダスターエアゾール製品に忌避剤(安息香酸デナトニウム以外の苦味剤)を30~40ppmのレベルで添加することを要件とする性能基準と、②警告文「危険:死亡。この製品を吸うと死亡する可能性があります。」を添付することを要求しました。
その後、CPSCの調査でも、2012年から2021年までの10年間で、エアゾールダスターの製品から吸入によって1,000人以上の死亡例と21,700人の負傷例があることがわかっています。
この規則案の内容
CPSCは、提案された規則において、エアゾールダスター製品に使用されている2つのハイドロフルオロカーボンである、1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a、CAS番号75-37-6)および1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a、CAS番号811-97-2)のいずれか、またはこれらの組み合わせを18mg以上含むエアゾールダスター製品を、連邦危険物質法(Federal Hazardous Substances Act、FHSA)に基づき、禁止有害物質(Banned hazardous substances)として宣言することを提案しました。
具体的には、連邦規則集16巻「Commercial Practices(商慣習)」の「PART 1500—HAZARDOUS SUBSTANCES AND ARTICLES: ADMINISTRATION AND ENFORCEMENT REGULATIONS(パート1500―危険物質と成形品: 管理および施行規則)」の禁止有害物質にHFC-152aとHFC-134aを追加して改正することを提案しています。
CPSCは、この規則案作成通知(notice of proposed rulemaking、NPR)に対して、2024年09月30日まで意見を募集しています。HFCの液化ガスもしくは圧縮ガスを使用した、いわゆる、スプレー缶を含むエアゾールダスター製品の製造者や輸入者、そして販売業者などはこの規則の内容に注意が必要です。
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