EARまたはERAに基づいた命令、ライセンス、認可に違反した可能性があると考える場合に手続きを行う自主的自己開示に関する規定を改正
2024年09月16日、米国商務省の産業安全保障局(BIS)は輸出管理規則(EAR)を改正し、内容の明確化を行って最終規則としました。この最終規則では、BISは、輸出者がEAR、またはEARに基づき発行された命令、許可、認可に違反した可能性があると考え自主的自己開示の手続きを行う場合の規定を改訂しています。さらに、この最終規則で、行政執行事件の和解における課徴金及び違約金の決定に関するガイダンスも明確化しています。この最終規則は2024年09月16日より有効となります。
産業安全保障局(BIS)とは
米国の産業安全保障局(Bureau of Industry and Security、BIS)は、米国の輸出の拡大を促進しつつ大量破壊兵器の拡散の阻止を図ることを目標にする商務省の一機関で、国家安全保障と高度産業技術に関する問題を扱っています。BISの活動には、効果的で効率的な方法で物品や技術の輸出を統制する輸出規制や反ボイコット・公共安全法令を施行すること、輸出規制と戦略的貿易の問題に関して他国と協力しまた時には援助すること、米国の産業界が国際的な武器規制協定を遵守するよう補助すること、米国の防衛産業基盤の成長可能性を監視すること、国家の基幹施設の保護を行うため指導と協力を促進すること、が含まれています。
このため、BISは輸出管理規則(Export Administration Regulations、EAR)に基づき安全保障上の脅威などを理由に、特定の外国企業、研究機関、個人等の名称をエンティティリスト(禁輸措置対象リスト)として公示し、輸出規制を行っています。このリストにはファーウェイなどの中国系企業が含まれており、リスト上の企業との取引には、輸出許可が必要か否かを明らかにするための輸出管理分類番号(Export Control Classification Numbers、ECCN)が必要となっています。
輸出管理規則(EAR)の改正の背景
2018年08月13日、2018年輸出管理改革法(ECRA)が署名されました。このECRAでは、商務長官に対し、ECRA、その施行規則、またはそれに基づいて発行された命令もしくはライセンスの違反に対して、民事罰(罰金やライセンスの取り消しなど)を課す権限を与えています。また、この権限の下で、BISは、「行政執行事件の和解における課徴金及び違約金の決定に関するガイダンス」内で罰則金水準の設定基準を規定し、実施しています。
BISが罰則金の水準を規定する際に重視する要素の1つとして、当事者が違反に関する自主的自己開示(self-disclosures、VSD)の手続きを行ったかどうかがあります。これは、BISが、「違反をした可能性がある当事者が取り締まられる前にVSDを提出することは、当事者が米国輸出管理コンプライアンスに取り組んでいる」と見なすためです。EARを示す連邦規則集15編(15CFR)のパート764では、VSD手続きの一般的なガイダンスと手順が定められています。
輸出管理規則(EAR)の最終規則において改正された内容
2024年09月16日、BISは、以下の事を行っています。
- VSD手続きに関連するガイダンスを実施するため、自主的自己開示(VSD)の提出手続に関するEARのパート764を改訂しました。具体的には以下3点を行っています。
-
- 加重要因としての不開示の追加
- VSD処理のためのデュアルトラックプロセスの追加
- 不法に輸出された品目の取り扱いに関する文章の改訂
- 行政執行事件の和解における課徴金及び罰則の決定に関するガイダンスを含むパート766の補足資料1を改訂し、行政事件における罰則の計算方法を変更しました。具体的には以下5点を行っています。
-
- 法定文献の更新
- BIS罰則ガイドラインからの適用予定額の削除
- EARの明白な違反に対する輸出取締局(Office of Export Enforcement、OEE)の対応可能範囲を明確にし、拡大するためのセクションIIの変更
- セクションIII「行政処分に影響する要因」の変更
- セクションIV「民事罰」の変更
参考情報
注目情報一覧
新着商品情報一覧
調査相談はこちら
概要調査、詳細調査、比較調査、個別の和訳、定期報告調査、年間コンサルなど
様々な調査に柔軟に対応可能でございます。
- ●●の詳細調査/定期報告調査
- ●●の他国(複数)における規制状況調査
- 細かな質問への適宜対応が可能な年間相談サービス
- 世界複数ヵ国における●●の比較調査 など