EPA、PFASを15区分に分類して排出量を一括に管理する提案
2024年10月08日、環境保護局(EPA)は、2020会計年度国防権限法(NDAA)に準拠するため、「緊急時対応計画及び地域住民の知る権利法(EPCRA)」および「汚染防止法(PPA)」に基づいて、報告の対象となる有害化学物質排出目録(TRI)リストに、パーフルオロアルキル物質およびポリフルオロアルキル物質(PFAS)16個および1000個以上の化学物質を含むPFAS分類15種を追加することを提案しました。
EPAはまた、PFASの区分がどのように扱われるべきかについても今回の提案で取り上げています。さらに、EPAは、PFASをTRIに自動追加するタイミングについても検討しています。EPAはこれら提案に関する意見を、2024年12月09日まで募集しています。今回対象となるPFASのいずれかを製造、加工、またはその他の方法で使用している場合、この措置の影響を受ける可能性があります。
この報告で使用している略語と日本語訳
U.S. Environmental Protection Agency、EPA:環境保護庁
National Defense Authorization Act for Fiscal Year 2020、NDAA:2020会計年度国防権限法
Emergency Planning and Community Right-to-Know Act、EPCRA:緊急時対応計画及び地域住民の知る権利法
Pollution Prevention Act、PPA:汚染防止法
Toxics Release Inventory、TRI:有害化学物質排出目録
per- and polyfluoroalkyl substances、PFAS:パーフルオロアルキル物質およびポリフルオロアルキル物質
Toxic Substances Control Act、TSCA:有害物質規制法
Significant New Use Rule、SNUR:重要な新規使用規則、TSCAに基づいた規則
EPCRAに基づいてPFASをTRIに追加する仕組み
EPCRA第313条(d)(2)に基づき、EPAは少なくとも以下の1つの基準が満たされていると判断して、化学物質をリストに追加しています。
- 急性人体影響基準:その化学物質が、継続的または頻繁に繰り返される放出の結果として、施設の敷地境界を越えて存在する可能性が合理的に高い濃度レベルで、ヒトの急性健康影響に重大な悪影響を引き起こすことが知られているか、または引き起こすことが合理的に予測される場合。
- 慢性人体影響基準:その化学物質が、ヒトにおいて、がんまたは催奇形性作用、重篤または不可逆的な生殖機能障害、神経障害、遺伝的突然変異、またはその他の慢性的健康影響を引き起こすことが知られているか、または引き起こすことが合理的に予測される場合。
- 環境影響基準:その化学物質が、その毒性、毒性および環境中への残留性、または毒性および環境中への生物蓄積傾向のために、本条に基づく報告を正当化するのに十分な深刻さを有する環境への重大な悪影響を引き起こすことが知られているか、または引き起こすことが合理的に予測される場合。
個別にリストアップされたパーフルオロアルキル物質およびポリフルオロアルキル物質(PFAS)16個
以下、「英語名」、「CRSRN番号」、「リストアップされた理由となる基準名」の順で記載しています。
- Broflanilide (CASRN 1207727-04-5):慢性人体影響、環境影響
- Butanesulfonamide, 1,1,2,2,3,3,4,4,4-nonafluoro-N-methyl- (MeFBSA) (CASRN 68298-12-4):慢性人体影響
- Butanesulfonamide, 1,1,2,2,3,3,4,4,4-nonafluoro-N-(2-hydroxyethyl)-N-methyl- (MeFBSE) (CASRN 34454-97-2):慢性人体影響
- Cyclopentene, 1,3,3,4,4,5,5-heptafluoro- (HFCPE) (CASRN 1892-03-1):環境影響
- Ethanesulfonamide, 1,1,2,2,2-pentafluoro-N-[(pentafluoroethyl)sulfonyl]-, lithium salt (CASRN 132843-44-8):慢性人体影響
- 6:2 Fluorotelomer alcohol (6:2 FTOH) (CASRN 647-42-7):慢性人体影響
- Fulvestrant (CASRN 129453-61-8):環境影響
- Hexaflumuron (CASRN 86479-06-3):環境影響
- Pentane, 1,1,1,2,2,3,4,5,5,5-decafluoro-3-methoxy-4-(trifluoromethyl)- (CASRN 132182-92-4):慢性人体影響
- Perfluorotridecanoic acid (PFTrDA) (CASRN 72629-94-8):環境影響
- Perfluoro(2-ethoxy-2-fluoroethoxy)acetic acid ammonium salt (EEA-NH4) (CASRN 908020-52-0):慢性人体影響
- Propenoic acid, 2-[methyl[(nonafluorobutyl)sulfonyl]amino]ethyl ester (MeFBSEA) (CASRN 67584-55-8):慢性人体影響
- Pyrifluquinazon (CASRN 337458-27-2):慢性人体影響
- Tetraconazole (CASRN 112281-77-3):慢性人体影響、環境影響
- Triethoxy(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-tri-deca-fluorooctyl)silane (CASRN 51851-37-7):慢性人体影響
- Trifluoro(trifluoromethyl) oxirane (HFPO) (CASRN 428-59-1):慢性人体影響
1000個以上の化学物質を含むPFAS分類15種
以下、「分類カテゴリー英語名」、「CRSRN番号」、「リストアップされた理由となる基準名」の順で記載しています。
- 9-Chlorohexadecafluoro-3-oxanone-1-sulfonic acid (9Cl-PF3ONS) (CASRN 756426-58-1)、塩、スルホニルハライドの分類:慢性人体影響、環境影響
- 11-Chloroeicosafluoro-3-oxaundecane-1-sulfonic acid (11Cl-Pf3OUdS) (CASRN 763051-92-9)、塩、スルホニルハライドの分類:環境影響
- Hexafluoropropylene oxide dimer acid (HFPO-DA, GenX)(CASRN 13252-13-6)、塩、アシルハライドの分類:慢性人体影響
- Perfluorobutanesulfonic acid (PFBS)(CASRN 375-73-5)、塩、スルホニルハライド、無水物の分類:慢性人体影響
- Perfluorobutanoic acid (PFBA) (CASRN 375-22-4)、塩、アクリルハライド、無水物の分類:慢性人体影響
- Perfluorodecanoic acid (PFDA) (CASRN 335-76-2)、塩、アクリルハライド、無水物の分類:慢性人体影響
- Perfluorododecanoic acid (PFDoA) (CASRN 307-55-1)、塩、アクリルハライド、無粋物の分類:慢性人体影響
- Perfluorohexanesulfonic acid (PFHxS) (CASRN 355-46-4)、塩、スルホニルハライド、無水物の分類:慢性人体影響
- Perfluorohexanoic acid (PFHxA) (CASRN 307-24-4)、塩、アクリルハライド、無粋物の分類:慢性人体影響
- Perfluorononanoic acid (PFNA) (CASRN 375-95-1)、塩、アクリルハライド、無粋物の分類:慢性人体影響
- 1H, 1 H, 2 H, 2 H -Perfluorooctane sulfonic acid (6:2 FTS) (CASRN 27619-97-2)、塩、スルホニルハライドの分類:慢性人体影響
- Perfluorooctanoic acid (PFOA) (CASRN 335-67-1)、塩、アクリルハライド、無粋物の分類:慢性人体影響
- Perfluorooctanesulfonic acid (PFOS) (CASRN 1763-23-1)、塩、スルホニルハライド、無粋物の分類:慢性人体影響
- Perfluoropropanoic acid (PFPrA) (CASRN 422-64-0)、塩、アクリルハライド、無粋物の分類:慢性人体影響
- Perfluoroundecanoic acid (PFUnA) (CASRN 2058-94-8)、塩、アクリルハライド、無粋物の分類:慢性人体影響
今回のTRIリストへのPFAS追加の要点
今回、EPAは以下の3点を提案しています。
- 16個のPFASをTRIリストに追加(個別PFASは上記参照)
- 以前に個別にTRIに追加されていたPFASを、15種のPFAS区分に再分類することを提案しています(種の区分については上記参照)。同時に、製造、加工、およびその他の用途でPFASを使用した場合、報告基準値を100ポンド(45.36キログラム)に設定することも提案しています。この時、先に上げたカテゴリーに含まれるPFAS種のすべての個別PFASの和が100ポンド以上になった場合、報告基準の義務が生じるとしています。つまり、各工場や施設は1つのカテゴリーに入る類似したPFASを別々に計算して、報告義務を回避することができなくなります。
- NDAAに基づきPFASをTRIに自動追加する方法を明確にすることを提案しています。NDAAは、EPAが「毒性値が確定される」たびに、年1回PFASをTRIに自動追加する枠組みを規定しています。今回、「毒性値が確定される」ことが以下の時点などであることを明確にする提案をしています。
-
- PFASまたはPFASクラスの最終毒性値をEPA長官が最終決定する日
- PFASまたはPFASをEPA長官がSNURの対象であると決定した日
- PFASまたはPFASをEPA長官がTSCAインベントリにおける活性化学物質であるとして指定もしくはTRI対象物質リストに追加した日
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