EPA、6PPDおよびその変換生成物である6PPD-キノンの環境もしくはヒトの健康への影響を検討するため、調査を開始
2024年11月19日、環境保護局(EPA)は、有害物質規制法(TSCA)に基づいて、N-(1,3-ジメチルブチル)-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン(6PPD)およびその変換生成物である6PPD-キノンに関連する情報を収集するため、規則案策定前通知(AMPRM)を発表しました。EPAは、6PPDもしくは6PPD-キノンによる環境への影響などについて一般から情報を収集し、TSCAによる規制方法について検討する予定です。6PPDや6PPD-キノンを製造(輸入を含む)、加工(リサイクルを含む)、商業流通、廃棄、または使用している事業体はこの規則の内容に影響を受ける可能性があります。
情報は2025年01月21日まで募集されます。
有害物質規制法(TSCA)とは
有害物質規制法(Toxic Substances Control Act、TSCA)は、有害な化学物質による人の健康または環境への悪影響を防止することを目的として、1977年01月01日に発効されました。TSCAの対象は、農薬、食品、医薬品、化粧品及び医療機器を対象外として「特定の分子的特性を有する有機又は無機の物質」で、これら物質は米国環境保護庁(Environmental Protection Agency、EPA)が作成・保管する製造、輸入又は加工される化学物質の最新リストである「TSCAインベントリー」によって管理されています。そして、リストに含まれる物質を製造、加工、流通、利用又は処分する個人及び企業に対して適用されます。
EPAは、このリストに登録されている既存物質の内容・数量報告を審査する一方、登録される予定の新規物質の届出に対応してこの物質の情報を収集するなどしてリスク評価を行っています。
この規則案策定前通知の背景
今回の情報収集は、アースジャスティスが、ユロック部族、ポート・ギャンブル・スクララム部族、およびピュアラップ・インディアン部族を代表してEPAに提出した請願書が、承認されたことから始まっています。
化学物質N-(1,3-ジメチルブチル)-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン((CASRN 793-24-8、DTXSID 9025114、6PPD)およびその変換生成物である6PPD-キノン(CASRN 2754428-18-5、DTXSID 301034849)は、タイヤの劣化を防ぐために1960年代からタイヤに使用されてきました。また、ゴム改質アスファルト、遊び場(ゴムマルチ)、人工芝、スニーカーなど、リサイクルタイヤのくずや破片を使用した製品にも含まれています。しかし、これらの化学物質は、ギンザケ、スチールヘッド・トラウトや他の魚種に対する毒性をもつため、生態系への影響が懸念されていました。
請願書では、雨水流出水および都市流域における6PPD-キノンの存在は、これら水生生物を死に至らしめるレベルであると記述されました。また、請願書は、堆積物や土壌、道路や家庭のほこり、妊娠中の女性の尿に6PPD-キノンが存在することに言及し、6PPDと6PPD-キノンが哺乳類ひいては人間の健康へ影響がある可能性も指摘しています。6PPDまたは6PPD-キノンは、これらを含むタイヤから摩耗して環境中に放出されると考えられていますが、まだ環境における動態が不足しているという側面があります。
アースジャスティス(Earthjustice)とは
アースジャスティス(Earthjustice)は、もともとはシエラ・クラブ・リーガル・ディフェンス・ファンドという、米国を拠点とする非営利の環境問題を提起する公益団体です。アースジャスティスは、「生態系の保護」「生活環境の保護」「クリーンエネルギーと気候」の3つの主要な目標分野に分かれて活動し、小規模な州や地域団体など1,000以上の団体を顧客として無料で法的代理権を提供して、問題提起を行っています。
影響を受ける可能性のある事業体
以下の事業体などが、6PPDと6PPD-キノンに対する規制に影響を受ける可能性があります。カッコ内は北米産業分類システム(NAICS)です。
- (325130) 合成染料・顔料製造者;
- (325199) その他の基礎有機化学製造業
- (325212) 合成ゴム製造業
- (325998) その他の化学製品・調剤製造業
- (326211) タイヤ製造業(再生タイヤを除く)
- (326291) 機械用ゴム製品製造業
- (336999) その他の輸送機器製造業
- (424690) その他の化学・関連製品卸売業者。
この規則案策定前通知の内容
EPAは、この規則案策定前通知(Advance notice of proposed rule making、AMPRM)において、6PPDと6PPD-キノンのすべての情報を募集しています。今後の規則制定に役立つ可能性のある6PPD、6PPD-キノン、および6PPD代替品に関連する、以下の情報を特に募集しています。
- 水生および陸生生態系に対する化学物質の環境影響
- 潜在的な人体への影響
- 環境動態、暴露経路、残留性および生物濃縮、追加用途、および消費者製品(スニーカー、遊び場、ゴム改質アスファルト、再利用タイヤまたは他のゴム製品など)からの放出に関する情報
参考情報
TSCAに基づく規制調査-N-(1,3-ジメチルブチル)-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン(6PPD)およびその変換生成物である6PPD-キノン
注目情報一覧
新着商品情報一覧
調査相談はこちら
概要調査、詳細調査、比較調査、個別の和訳、定期報告調査、年間コンサルなど
様々な調査に柔軟に対応可能でございます。
- ●●の詳細調査/定期報告調査
- ●●の他国(複数)における規制状況調査
- 細かな質問への適宜対応が可能な年間相談サービス
- 世界複数ヵ国における●●の比較調査 など