本ページでは、シンガポールの法形成過程の要点について整理しています。
段階、項目、主体、内容、そして期限があるものについては期限の情報も整理しています。
URLを含む根拠法令や根拠条項の情報は、有償となりますので、関心がある場合には指定のリンクよりお進みください。
※下位法令は代表的な種類のものを取り上げて紹介しています。網羅的な把握についてはお問い合わせください。
【調査・確認時期:2023年下半期】
上位法/Act
段落 | 項目 | 主体 | 内容 | 期限 | 根拠法 | 根拠条項 |
1 | 法案の提出 | 国会議員(選挙区・非選挙区選出議員と任命議員を含む)、大統領、閣僚 | いかなる議員も議会に法案、動議を提出することができる。新しい法案を提案するか、既存の法案を議会に提出して審議することから始まる。 | 法案提出の2日(議員の場合)もしくは4日(政府の場合)前に議会に知らせる | ご関心がある場合はこちらより | |
2 | 第1読会 (reading) |
国会 | 法案のタイトルと主な目的が紹介されるが、この段階では討論は行われない。 | ― | ||
3 | 第二読会 | 国会 | 法案の国会議員は法案の原則と一般目的について議論する | 読会の7日以上前までに官報に掲載 | ||
4 | 委員会討議 | 委員会 (出席しているすべての国会議員が委員会を構成することもある) | 法案は、詳細な審査と修正の可能性を検討するため、国会の委員会に送られる。より議論を呼ぶ法案や、利害関係団体や一般市民から意見を得たい法案は、政府議員と野党議員の両方を含み、利害関係者なども募る特別委員会に付託される(15日前までに付託の広告が出る)。法案に関する提出を聴取する公聴会が開かれることもある。 | ― | ||
5 | 第三読会 | 議会 | 討論は法案の内容に限られ、それ以上の修正はできない。憲法改正は3分の27以上、それ以外は単純多数決で可決。 | 報告書が議員に公開されてから7日以内に議会を開催。ただし議決は7日以上たたないと行えない。 | ||
6 | 評議会認証 | マイノリティの権利に関する大統領評議会 | マイノリティの権利に関する大統領評議会(PCMR)は、法案があらゆる人種や宗教的コミュニティーの人々に不利にならないよう行動する。予算案や首相が緊急性などを認めた法案はこの段階を必要としない。 | 30日以内 | ||
7 | 大統領承認 | 大統領 | シンガポール大統領は、議会で演説し、メッセージを送ることができるが、国会では儀礼的な役割を果たし、法案に正式な同意を行う。 | ― | ||
8 | 公表 | 政府官報 | 政府官報により、内容と施行日が公表される。 | ― |
補足:
■ シンガポールでは一院制で、憲法の規定により、立法権は議会と大統領が共に有します。大統領は国民の選挙によって決まります。大統領は国会議員の中から過半数の信認を得たものを首相として任命し、閣僚も首相の助言に基づいて同様に国会議員の中から任命します。行政は首相が長となって、1府15省で行います。
■ マイノリティの権利に関する大統領評議会Presidential Council for Minority Rights, PCMR
下位法令/規則 (Regulation)などの補助法案 (Subsidiary legislation)
段落 | 項目 | 主体 | 内容 | 期限 | 根拠法 | 根拠条項 |
1 | 法案の起草 | 多くは関係政府機関やその大臣のため国会議員でもある | 関係政府機関やしばしば利害関者や法律の専門家(補足4)が関与する。 | ― | ご関心がある場合はこちらより | |
2 |
議会での討議・可決 | 議会 | 補助法案も国会に提出され、上位法と同じ段階を踏む。議会は規制を無効にする権限を持つが、実際には、議会の承認は形式的なものであることが多い。評議会の認証上位法同様に行われる。 | 上位法と同様 | ||
3 | 発行 | 政府官報 | 政府官報により、内容と施行日が公表される。また、関連する政府機関や省庁がウェブサイトなどで公開する。補助法案の場合、長官の名前において発行されている。 |
補足:
■ シンガポールには、各省庁に法定機関 (Statutory Board)が存在し、各監督省庁を通じ国会において責任を負う。
■ 官報には、政府から発行される公示 (Notification)またはお知らせ (Notice)が発行されているが、法的な拘束力があるかは不明である。
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