米国|連邦エネルギー規制委員会、インバータ電源(IBR)の信頼性基準を最終規則として連邦官報で発表

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米国|連邦エネルギー規制委員会、インバータ電源(IBR)の信頼性基準を最終規則として連邦官報で発表

IBRの信頼性基準において、「ライドスルー(Ride-through)」を定義付けした最終規則が発表される

2025年07月29日、連邦エネルギー規制委員会(Federal Energy Regulatory Commission、以下委員会)は、北米電気信頼性公社(North American Electric Reliability Corporation、NERC)が提出した、①保護制御の信頼性基準PRC-024-4、②PRC-029-1、および③「ライドスルー」の定義案、を承認し最終規則としました。さらに、委員会はNERCに対し、信頼性基準PRC-029-1に関わる3つの指示を行いました。この最終規則は2025年08月28日より発効します。

インバータ電源(IBR)とは

再生可能エネルギーは、一般的に変換器(インバータ)を介して電力系統に接続されるため、「インバータ電源(Inverter-Based Resources、IBR)」と呼ばれています。IBRの多くは「系統追従型(Grid Following、GFL)」と呼ばれる方式で制御されており、電気系統の電圧や周波数に追従して電力の供給を行っています。つまり、電圧や周波数が不安定なときにそれらを支えるような能力を基本的に有しておらず、そのため、国内でIBRの比率が高まることは、電圧安定性・周波数安定性を維持するという観点からはリスクとなり得ます。

上記の理由から、再生可能エネルギーの増加に伴い、電力系統の安定性や運用の考え方が変わってきています。これまで電力の安定供給は、一般送配電事業者が担ってきましたが、米国では電気系統の安定化サービスを新たな価値と定義し、電圧や周波数の安定化サービスの市場化や安定化機能の義務化などが進んでいます。

連邦エネルギー規制委員会とは

連邦電力法(Federal Power Act、FPA)の215条では、審査と承認を条件として、強制的で強制力のある信頼性基準を策定することを目的として、連邦エネルギー規制委員会(Federal Energy Regulatory Commission)が電気信頼性機関(Electric Reliability Organization、ERO)を認定できることが定められています。現在、委員会は北米電気信頼性公社(North American Electric Reliability Corporation、NERC)を認証しています。FPRに基づき、信頼性基準は、委員会の監視を条件として、委員会もしくはNERCが施行しています。

今回の最終規則の内容

今回の最終規則は、2025年01月21日に規則案策定通知(Notice of Proposed Rulemaking、NOPR)により提案されていた内容(90 FR 6845)がほぼ採用されています。

①信頼性基準PRC-024-4を承認し最終規則

信頼性基準PRC-024-4(同期発電機、タイプ1およびタイプ2の風力資源、同期コンデンサに対する周波数および電圧の保護設定)のIBRの機能に関する文言が削除されました。ただし、保護制御(Protection and Control、PRC)の信頼性基準PRC-024-4は、同期(同じ周波数・位相を持つ)ユニットが系統擾乱を乗り切るための性能要件を必要としないため、同期発電機、同期コンデンサ、および第1種と第2種の風力資源の乗り切り適合周波数と電圧保護設定範囲は維持しています。

②PRC-029-1を承認し最終規則

NOPRでは、委員会はNERCに対し、IBRに関連する信頼性基準を、(1)データ共有、(2)モデル検証、(3)計画・運用調査、(4)性能要件の4つの分野で新規または修正するよう指示していました。この指示に従い、NERCは、IBRの発電機所有者に対し、PRC-029-1(IBRに対する周波数および電圧のライドスルー要件)に周波数と電圧のライドスルー性能要件を設定しました。

③「ライドスルー(Ride-through)」の定義を承認し最終規則

以下の定義が加えられました。

ライドスルー(Ride-through)とは、プラント/設備が電圧または周波数の系統擾乱を通じて接続されたまま運転を継続することをいう。

その他に、委員会はNERCに対し、④信頼性基準PRC-029-1に従って適用除外申請をサポートするために必要な旧式の機器の文書要件を明確化、⑤コメント提出者から提起された計2つの例外および適用除外関連の問題に対処するかどうか、また対処する場合はどのように対処するかを検討すること、⑥信頼性基準PRC-029-1の適用除外の信頼性への影響を評価する情報提供書を提出すること、を指示しました。

①~③の最終規則は、2025年08月28日より発効します。米国において、電力システムに関わる事業者は注意が必要です。

参考情報

連邦エネルギー規制委員会、インバータ電源(IBR)の信頼性基準を最終規則として連邦官報で発表

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