国際|PIC条約、CRC-18の結果及び初となる遵守委員会会合(CC.1)について公表
初の遵守委員会(Compliance Committee)会合
2022年11月、有害化学物質の輸出入に係わる事前通達に関するPIC条約(ロッテルダム条約)のもと、化学物質評価委員会(CRC)の第18回会合の結果が条約事務局より公表されました。また、11月16~18日は、同条約のもとで初となる遵守委員会(CC.1)の会合が開催されました。
CRC-18結果
■ 委員会はイプロジオンとテルブフォスの決定ガイダンス文書案を採択し、これらの化学物質を条約の附属書Ⅲに記載する勧告とともに、締約国会議に送付することを決定
■ アミトロール、カルバリル、四塩化炭素、クロルフェンビンホス、メチダチオン、臭化メチル、メチルパラチオン、マイレックス、パラコートおよびチオジカルブに関する最終規制措置の通知を検討
■ クロルフェンビンホス、臭化メチル、パラコートに関する通達が、条約の附属書IIに定められた基準を満たしていることを確認
■ カルバリル、クロルフェンビンホス、メチダチオン、チオジカルブに関する通知の見直しは、2023年10月02日から6日に開催予定の第19回委員会でも継続される予定
CC.1内容
■ 委員会は、締約国の実施と遵守に関する特定の提出物に関連するマンデートを検討し、締約国会議が採択した2022-2023年の作業計画に基づき、一般遵守の体系的問題のレビューに関する作業を開始する見込み
■ 2024-2025年の作業計画案、第2回会合の日程と開催地を検討する
■ 一般的なレビューのマンデートの下、委員会は、ロッテルダム条約を実施するための法律、規制、政策、手続きおよびその他の措置、最終規制措置の通知、附属書IIIに記載された化学物質の輸出、情報交換および提出、バーゼル条約実施・遵守との協力強化、国連の持続的開発協力枠組みプロセスにおける統合に関する作業プログラムの活動を検討すると期待されている
PIC条約とは?
PIC条約とは、「国際貿易の対象となる特定の有害な化学物質及び駆除剤についての事前のかつ情報に基づく同意の手続に関するロッテルダム条約」という名称の条約で、事前同意手続き(Prior informed consent procedure)が主な内容となるため、PIC条約として知られています。
何の事前同意手続きかというと、特定の有害な化学物質の輸出入についてです。そのため、PIC条約は特定の有害な化学物質を国際的に管理・規制するための枠組みとなります。1998年にロッテルダムで行われた会合で採択されたため、「ロッテルダム条約」としても知られています。2004年02月に発効し、150ヵ国以上の締約国を有しています。
対象となる化学物質とは?
「事前同意手続き」の対象となる化学物質は条約の附属書IIIにリストアップされています。これらは禁止物質または厳しく制限される物質と位置付けられ、
附属書III:事前通達手続きの対象となる化学物質
但し、附属書III収載物質以外に、各国が独自に禁止または厳しく制限している物質がある場合には、それも規制の対象となります。日本の場合については、経済産業省がまとめており、外為法のもと輸出貿易管理令に基づき、経済産業大臣の承認を得なければならないものとして整理されています。
他方、放射性物質、廃棄物、化学兵器、医薬品(ヒト用・動物用)、食品添加物、食品などについては適用除外となっています。
■ 有害化学物質の輸出/経済産業省
規制内容は?
主な規制内容としては、輸出国は輸入国の附属書III化学物質の輸入意思を事前に確認した上で輸出を行うこと(第11条)、輸出通知には附属書Vに記載の情報を含まなければならないこと(第12条)、附属書III化学物質や各国が独自に禁止または厳しく制限している物質の輸出には、有害性・危険性に関するラベルや安全性データシート(SDS)の添付が必要であること(第13条)などの内容が挙げられます。
条約と締約国
条約の締約国は、各国の国内法令に条約の内容を反映させる形で履行する形になります。日本の場合は化審法や外為法などに反映され、EUではPIC規則などに反映されます。
企業コンプライアンス上、関心が高いのは、規制対象になる物質は何か、新しく何が追加されるのか、という点だと思われます。附属書への新たな物質の追加は、化学物質評価委員会(CRC)で検討され、締約国会議での検討を通じて決定されます。決定(Decision)という形で公表され、条約の改訂がなされれば、それまでの決定が条約に反映されます。
最新改訂版以降の決定については、個別に決定を確認しなければなりません。
参考
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