中国炭素市場の法律制度を完備する
2024年02月05日、中国生態環境部は、「炭素排出権取引管理暫定条例」(中国国務院令第 775 号)の公布について公示しました。本条例は、2024年01月05日に行われた第23回常務会議で採択され、2024年05月01日に施行されます。
炭素排出権取引とは?
炭素排出権取引は、温室効果ガスの排出を制御・削減するため重要な制度革新であり、カーボンニュートラルの目標達成を実現する重要な措置とされています。
「炭素排出権取引管理暫定条例」の具体的な内容及び要点
概要
本条例は、炭素排出権取引及び関連活動を規範化し、温室効果ガス排出に対する制御を強化するとともに、カーボンニュートラルを積極的に推進し、経済社会におけるグリーン低炭素発展を促進し、生態文明建設を推進するために、制定されています。
適用範囲
第二条によれば、本条例は、全国の炭素排出権取引市場の炭素排出権取引及び関連活動に適用されると規定されています。
明確化された内容
今回の制定により、大まかに分けて3つの内容が明確化にされました。
①カーボンニュートラル目標の明確化と公開:国務院によるカーボンニュートラルに関する政策を徹底的に施行し、炭素排出権取引を規範化することが意図されています。
②カーボンニュートラルの推進:温室効果ガス排出を効果的に制御・削減し、カーボンニュートラルを積極的に推進するとともに、グリーン化、低炭素化の発展を推進し、気候変動に対応することが意図されています。
③炭素排出データの品質管理における規範化の明確化:炭素排出権取引におけるデータ品質管理問題を重要視し、排出データ報告義務及び関連法的責任に関する条項が制定されました。また、重点排出組織、監督管理部門、第三者機関などの義務と責任を明確にすることを通じて、炭素排出データの品質に対する監督管理を強化し、全国の炭素排出権取引市場の安定した運営を保障することが意図されています。
定義
第三十条によれば、本条例に使用される専門用語については以下の通り説明されています。
■ 温室効果ガスとは、二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン、六フッ化硫黄、三フッ化窒素を含む大気中で赤外線放射線を吸収し再放出する気体成分を指します。
■ 炭素排出枠とは、重点排出組織に割り当てられた一定期間内の二酸化炭素等の温室効果ガスの排出枠を指します。
重点排出組織とは?
重点排出組織の確定条件と年度重点排出単位リストは生態環境関連部門によって公開されます。
全国の炭素排出権取引市場とされた温室効果ガス重点排出組織、及び国の関連規定を満たすその他の組織は、炭素排出権取引に参加することができます。
重点排出組織に関する事項
■ 重点排出組織は、温室効果ガスの排出を制御できるように、効果的な措置を講じなければならません。国の関連規定及び生態環境主管部門が制定した技術規範に基づいて、温室効果ガス排出データの品質制御方案を制定・実行し、規定に従って排出統計計算データ、年間排出報告書を所在地の生態環境主管部門に報告しなければなりません。
■ 重点排出組織は、国の関連規定に基づき、年度排出量、排出施設、統計計算方法などの情報を一般大衆に公開しなければなりません。年度排出報告書に関わるデータ及び記録は少なくとも5年間保存しなければなりません。
■ 重点排出組織は、全国の炭素排出権取引市場を通じて炭素排出枠を購入または販売することができます。
罰則
■ 重点排出組織が、以下のいずれかの状況に該当する場合、生態環境主管部門から5万元以上50万元以下の罰金を科せられることになります
(一)規定に従わず、温室効果ガス排出データの品質管理方案を制定・実行していない場合
(二)規定に従わず、排出統計計算データ、年度排出報告書を提出していない場合
(三)規定に従わず、年間排出報告書中の排出量、排出施設、統計計算方法などの情報を一般大衆に公開していない場合
(四)規定に従わず、年度排出報告書に関わるデータ及び記録を保存していない場合
■ 重点排出組織が、以下のいずれかの状況に該当する場合、生態環境主管部門から是正するよう勧告され、違法所得を没収され、違法所得の5倍以上10倍以下の罰金を科せられます
(一)規定に従わず、温室効果ガス排出量を統計計算していない場合
(二)作成した年度排出報告書に重大な漏れがあり、年度排出報告書を作成する際にデータ資料を改ざん、偽造し、虚偽のデータ資料を使用したり、その他の改ざんの行為を行った場合
(三)規定に従わず、試験用サンプルを作成せず、検査を受けていない場合
■ 本条例の規定に違反し、他人に損害を与えた場合、法に基づいて民事責任が問われることになります。
参考
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