EU|REACH委員会、製品の機能向上のため意図的に添加されるマイクロプラスチックの制限を決議
REACH委員会は、意図的に添加されるマイクロプラスチックを制限する提案を決議
2023年04月27日、REACH委員会は、製品の機能向上のため意図的に添加されるマイクロプラスチックを制限する提案に対して、REACH委員会の化学物質の登録、評価、認可及び制限に関する規則(REACH規則)に関する協議で、REACH委員会のEU諸国が制限する決議を行いました。
欧州の化学物質規制法であるREACHの下で出された欧州委員会の提案は、マイクロプラスチックが十分に管理されていない環境に対するリスクをもたらすという欧州化学品庁の指摘を受けたものです。
この規制案により、20年間で約50万トンのマイクロプラスチックが環境中に放出されるのを防ぐことができると推定され、その総費用は最大190億ユーロに上ると見積もられています。この提案は今後、欧州委員会が採択する前に、欧州議会と欧州理事会による3ヶ月間の精査を受けることになります。
マイクロプラスチックを制限する提案の経緯
2017年、欧州委員会は、欧州化学品庁(ECHA)に対し、製品に意図的に添加されるマイクロプラスチックについて、EUレベルで規制措置を講じるための科学的根拠の評価するように求めました。これに対しECHAは、欧州化学品庁(ECHA)は、欧州連合(EU)市場と欧州経済領域(EEA)市場の製品に対して、重量の0.01%を超えるマイクロプラスチックの添加に関する制限を2019年1月に提案しました。
2020年06月10日、同庁のリスク評価委員会(RAC)は、同提案は適切であるとし、以下を勧告しました。
①規制対象から除外される生分解性ポリマーについては、生分解性であることを示すためのより厳しい試験・合格基準を推奨する
②人工芝用ゴムチップの充填材としてのマイクロプラスチックは、6年間の移行期間を経て完全禁止することを推奨する
③マイクロプラスチックの下限サイズを100ナノメートルにする提案に関しては、他の方法でも制限できるため下限サイズは必要ない
今後協議を経て2020年末までに意見をまとめた後、「化学物質の登録、評価、認可及び制限に関する規則(REACH)」に関する正式な決定が行われるとしていました。
マイクロプラスチックは、いったん環境中に放出されると、長期にわたり残留し回収もできず、生物の体内に取り込まれやすく、食物連鎖に入り込むことから、健康や環境にリスクがあると考えられています。
規制対象は「意図的添加のマイクロプラスチック」
EUが禁止する予定のマイクロプラスチックは、人工芝や化粧品、洗剤、肥料、塗料などに意図的に加えられる微小なプラスチックです。マイクロプラスチックには意図せずに放出してしまうものもあるが、機能向上などのため意図的に製品に添加されるものもあります。例えば、人工芝に用いられる充填材(樹脂製チップ)は衝撃を和らげるなどの目的で、また化粧品のマイクロビーズは肌に馴染みやすくするなどの目的で使われています。今回規制されるのは、重量の0.01%を超えるマイクロプラスチックを意図的に添加した製品のEU市場への投入です。
企業がこの規制に対応するためには期間が必要であるとして、それぞれ移行までの猶予期間が決まっています。一例をあげると、人工芝に使われるマイクロプラスチックの猶予期間は8年、メイクアップ用化粧品に加えられるそれは12年としています。これに対し、欧州環境NGOの連合体である Rethink Plastic Allianceは今回の決定を歓迎しつつ、猶予期間が長すぎると批判しています。
同規制案の見直しにより、マイクロプラスチックの排出量を今後20年間で、最も大きな汚染源の人工芝のマイクロプラスチックも含めて規制することになれば、20年間で約50万トンのマイクロプラスチックの放出を防げる可能性があります。
参考文献
資料1 REACH委員会、意図的なマイクロプラスチックの制限について投票
資料2 欧州化学品庁、マイクロプラスチックの添加制限に向けて協議
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