UNECE条約にウクライナ加盟で欧州の「産業の安全確保」が前進
2022年07月14日、UNECE(United Nations Economic Commission for Europe、国際連合欧州経済委員会)は、2022年07月06日にニューヨークの国連事務総長に加入文書が寄託され、ウクライナが産業による災害の越境効果に関するUNECE条約の締約国となることを発表しました。この条約は、2022年10月04日にウクライナで発効されます。
ここでは「加盟の背景」「加盟の目的」「編集者のUNECE条約に関する注記」について記事になっています。
加盟の背景:
産業による災害の越境効果に関するこのUNECE条約は、05月03日にウクライナ議会で採択され、05月17日にゼレンスキー大統領によって署名された条約への加入に関する法律の5月29日の発効に続くものです。
UNECEのオルガ・アルガエロワ事務局長はウクライナの条約への加入を歓迎し、ウクライナ国家緊急サービスのタラス・ポリシュク氏もウクライナ議会と大統領はこの条約の加入熱心であったと述べました。
また、ノルウェー市民保護省のトリル・タンドバーグ議長は、「我々は、ウクライナ及びその近隣諸国及び河畔諸国の人々及び環境の保護のために、産業の安全及び関連する国境を越えウクライナと協力するでしょう。 」と述べました。
2004年以来、条約の援助協力プログラムの受益者であるウクライナは、「UNECEドナウ川デルタプロジェクト(2010-2015)」、「ウクライナは尾鉱管理施設の安全性に関連するチェックリスト方法論(2013-2015)の開発」などを既に実施していました。
また、ウクライナ国家緊急サービスは2018年4月にUNECEと共同でキエフへのハイレベル・ミッションを組織し、ウクライナ政府に条約への加盟を検討するよう促していました。これによりウクライナ政府は2018年と2020年の過去2回の締約国会議で加盟の意図を発表し、条約の6つの主要な作業分野の自己評価をし、条約の締結に積極的に取り組んできました。
戦争開始後も、ウクライナ国家緊急サービスは、地元当局、軍司令部、地方自治体および現場の緊急サービスと緊密に協力して、有害物質を保管する施設(石油ターミナル、硝酸アンモニウム貯蔵施設、化学物質や農薬を保管する倉庫など)に対するロシアの爆撃によって引き起こされた事故の影響を軽減するための対策を取っています。
加盟の目的:
この条約の目的は、産業による災害の防止と準備に対して各国の国内および国境を越えた継続的な注意を向け、人間の生命、健康および環境を保護することです。UNECEは30年間にわたり、産業災害の越境的影響に関する条約(参考1)を通じて、欧州地域の加盟国に対し、人と環境を保護するための産業災害の防止、準備、対応を支援してきました。
ウクライナが高水準の工業化、かなりの化学工業、豊富な鉱物資源を持つことから、この加盟は極めて重要であると考えられ、産業安全の分野での長年の作業の集大成となっています。
編集者のUNECE条約に関する注記:
この産業による災害の越境的影響に関するUNECE条約は1992年に採択され、2000年に発効しました。それ以来、援助協力計画の締約国及び受益国を含む欧州地域の国々は、その実施促進に協力し、今日、この条約は41の締約国(参考2)を数えています。
東欧・南東欧、コーカサス諸国、中央アジア諸国も、2004年に設立された条約の援助協力プログラムの下でこの活動に参加し、2005年のハイレベルコミットメント宣言を通じて、これらの国々の大多数は、条約の規定を漸進的に実施し、最終的な加盟を目指しています。
この条約は、国境を越えた影響を引き起こす可能性がある附属書I.の対象となる有害物質を保有する施設(いわゆる「危険活動」)に適用されます。同時に、「仙台防災枠組」の精神に則り、産業安全と技術的防災のための政策決定とガバナンスを強化することを始めています。
その主な規定には、危険な活動の特定、近隣諸国との関連情報共有、共同または調和のとれたオフサイト緊急時対応計画の作成、産業災害が発生した場合の迅速な通知、および結果を軽減するための相互扶助が含まれます。この条約は、原子力施設には適用されません。
参考:
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