法令の情報時期:2024年12月 公布版 | ページ作成時期:ページ作成時期:2025年03月 |
目的

「TSCAリスク管理規則-サブパートH:四塩化炭素」では、健康への不当な危害のリスクを防止するため、四塩化炭素(CTC、CASRN 56-23-5)の製造(輸入を含む)、加工、商業における流通、使用、および廃棄に関する一定の制限を定める。
概要

この規則は、米国人の健康への不当な危害のリスクを防止するため、四塩化炭素(CTC、CASRN 56-23-5)を対象としている。
2025年06月16日以降、連邦政府以外の所有者および運営者は、四塩化炭素の製造、加工、商業における流通(入手可能にすることを含む)、および使用が禁止されている。
四塩化炭素を国内製造、輸入、加工する場合、「職場管理プログラム」の各要件の遵守が求められる。
四塩化炭素を製造(輸入を含む)、加工、または商業における流通、あるいは商業利用を行う場合は、船荷証券などの通常の業務記録やWCPPの実施や管理、遵守に関わる記録や証明書を、保持しなければならない。
注目定義
■ (ECEL)
「ECEL」とは、§751.5と同じ意味を持ち、CTCについては、空気中濃度である0.03 ppmをいう。 |
■ 「ECEL行動レベル」(ECEL action level)
「ECEL行動レベル」とは、8時間の時間加重平均(time-weighted average、TWA)として算出される、空気中濃度である0.02ppmをいう。 |
適用除外(対象外・猶予・免除等)

この規則に別段の定めがない限り、禁止および制限は、他の化学物質または混合物と共に意図せずに微量に存在する四塩化炭素には適用されない。
事業者が注意すべき内容
本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。 ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 |

以下の使用条件での四塩化炭素の製造、加工、商業における流通は禁止されている。(§751.705)
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- 2025年06月16日以降、以下の使用条件での四塩化炭素の製造、加工、商業における流通(入手可能にすることを含む)、および使用は禁止される:
(i) 一般的な使用条件:塩化ビニル製造を除く、石油化学由来の製造における製剤、混合物、反応生成物への組み込み。
(ii) 工業用および商業用の使用条件:
(A) 塩化ビニルの製造を除く、石油化学由来の製品の製造における工業的加工助剤としての工業的および商業的使用、または、
(B) 塩素および苛性ソーダの製造における三塩化窒素の除去および塩素の製造からのテールガス中の塩素の回収への使用を除く、その他の基礎化学物質の製造(溶剤、接着剤、アスファルト、塗料およびコーティングに使用される塩素化化合物の製造を含む)における工業的および商業的使用。
(C) 金属回収における工業的および商業的使用。
(D) 添加剤としての工業的および商業的使用。 - 2025年12月18日以降、米国防総省による工業用および商業用の特殊用途のための四塩化炭素の製造、加工、商業における流通(入手可能にすることを含む)、および使用を禁止される。
- 2025年06月16日以降、以下の使用条件での四塩化炭素の製造、加工、商業における流通(入手可能にすることを含む)、および使用は禁止される:

所有者または運営者は、「職場管理プログラム」において、四塩化炭素を国内製造、輸入、加工(製剤、混合物、反応生成物への組み込み、リサイクルなど)する場合、以下の項目などがある職場管理プログラムの遵守が求められる。(§751.707)
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- 既存化学物質ばく露限界値(ECEL)のモニタリング:連邦政府以外の所有者および運営者については、2026年06月11日以降に四塩化炭素の使用を開始する、職場においていかなる者もECELを超える四塩化炭素の空気中濃度にばく露されないようにしなければならない。そのためには、初回、定期的、さらには変更などがあった場合に追加的に8時間TWAが0.02 ppm以下であることを確認するために、ばく露モニタリングを実施する。また、モニタリングの結果は通知される必要がある。
- 規制区域:所有者または事業者は、四塩化炭素の空気中濃度がECELを超える、または超えると合理的に予想される場所には、規制区域を設置し、維持しなければならない。区域のアクセスは領域が区画に区切られ、制限されなければならない。呼吸用保護具の設置も必要となる。
- 直接経皮接触の管理:連邦政府以外の所有者および事業者については、2025年06月16日、または四塩化炭素が職場に持ち込まれてから30日以内のいずれか遅いほうまでに、四塩化炭素をすべての者より分離、遠ざけ、物理的に除去、または隔離しなければならない。
- ばく露防止手順および計画の遵守:所有者および運営者は、ばく露管理計画を策定し、2027年12月03日までに、実施しなければならない。ばく露防止計画は少なくとも5年ごとに見直し、関連する記録(ECELばく露モニタリング記録、ECEL遵守記録、DDCC遵守記録、職場参加記録を含む)を、ばく露の可能性のある者およびその指定代理人が利用できるようにしなければならない。
- 職場情報および研修:連邦政府以外の所有者および運営者は、2026年09月09日までに、訓練プログラムを制定し、四塩化炭素にばく露される可能性のある者がプログラムに参加することを保証しなければならない。
- 個人用保護具(PPE):連邦政府以外の所有者および運営者については2026年09月09日までに、所有者または運営者が呼吸器用PPEを提供する必要がある。また、呼吸保護プログラムを作成し、管理しなければならない。さらに、所有者または運営者は、2025年06月16日までに、皮膚保護のため経皮PPEを確実に提供しなければならない。

「川下への通知」要件として、四塩化炭素を製造、加工、商業における流通を行う以下の者は、以下の特定の期日以降、出荷前または出荷と同時に、四塩化炭素の出荷先企業に対し、書面で通知しなければならない。通知内容は、安全データシート(SDS)に特定の文章を挿入する必要がある。(§751.711)
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- あらゆる用途の四塩化炭素を製造(輸入を含む)する場合:2025年02月18日以降、
- あらゆる用途の四塩化炭素を商業的に加工または流通させる場合:2025年06月16日以降。

「記録保持」の要件として、四塩化炭素を製造(輸入を含む)、加工、または商業における流通、あるいは商業利用を行うすべての者は、BOLなどの通常の業務記録やWCPPの実施や管理、遵守に関わる記録や証明書を、当該記録が作成された日から5年間保持しなければならない。
また、これらの記録は、要請に応じてEPAに提出しなければならない。(§751.713)
目次
サブパートH 四塩化炭素
§751.701 全般
§751.703 定義
§751.705 特定の工業的および商業的用途、ならびにそれらの用途のための四塩化炭素の製造、加工および商業における流通の禁止
§751.707 職場化学物質保護プログラム(Workplace Chemical Protection Program、WCPP)
§751.709 米国国防総省による四塩化炭素の実験室用化学物質としての使用を含む、実験室用化学物質としての工業用および商業用の使用に関する職場の制限
§751.711 下流への通知
§751.713 記録保持
基礎情報
法令(現地語) |
Title 40/ Chapter I/ Subchapter R/ Part 751/ Subpart H —Carbon Tetrachloride |
法令(日本語) | TSCAリスク管理規則-四塩化炭素 |
公布日 | 2024年12月18日 |
所管当局 | 環境保護庁(Environmental Protection Agency、EPA) |
作成者

株式会社先読