消費者製品安全委員会、携帯型発電機に関する規則案の補足通知
2023年4月20日、米国消費者製品安全委員会(CPSC)は、携帯型発電機が急性一酸化炭素(CO)中毒の事故原因になる可能性があると判断し、この発電機からのCO排出量を制限し、特定の排出レベルに達したときに発電機が停止することを要件とした規則案の補足通知を発表しました。
また、これに関するコメントを2023年6月20日まで募集しています。ここでは、「携帯型発電機のCO排出の危険性」「規則案の背景」「規則案の補足通知に関する内容」について記事になっています。
携帯型発電機のCO排出の危険性:
携帯型発電機のCO排出率は、ガソリン自動車のCO排出率の数百倍になります。2004年から2021年にかけて、携帯型発電機が関連するCO中毒による死亡・障害件数は少なくとも1,332件、年間平均約74人の命が失われ、年間数千人が致命的ではない中毒となっています。特に、2017年~2019年では、携帯型発電機関連のCO中毒による死亡は年間平均85人となっており、死亡者数が増加していることが問題となっています。
規則案の背景:
2006年、消費者製品安全委員会(Consumer Product Safety Commission、CPSC)は、携帯型発電機がCO中毒の原因となるリスクがあるかどうかを検討するための規則制定案(ANPR)の事前通知を発表しました。
その後、CPSCはアラバマ大学と米国国立標準技術研究所(National Institute for Standards and Technology、NIST)と契約し、低CO排出技術を用いた携帯型発電機のプロトタイプを作製し、比較テストを実施した上で、室内空気質(indoor air quality、IAQ)モデリングに関するレポートを作成し公開しました。
2016年10月、このレポートを土台に携帯型発電機に関連するCO中毒の危険性に対処するための規則案がCSPCに提出されました。提案された規則案では、CO排出率は、最新の技術を用いることで現在の発電機の典型的なCO排出率と比較して、最小サイズのカテゴリーの発電機で約75%、最大サイズの2つのカテゴリーの発電機で約90%の削減に相当すると推定しました。
CPSCはこの規則草案を2016年11月16日に公表し、書面によるコメントと口頭発表を募集しました。一方で、
アンダーライターズラボラトリーズ(Underwriters Laboratories、UL)と携帯型発電機の製造業者協会(Portable Generator Manufacturers Association 、PGMA)は、それぞれに、CO原因による危険軽減要件を含む自主基準の新版を発行しました。
ULは、2018年1月9日に米国国家規格協会(American National Standards Institute、ANSI)承認の「UL 2201:携帯型発電機の一酸化炭素(CO)排出率の安全性に関する規格、第2版」を発行しました。PGMAは、2018年4月20日にANSI承認の「ANSI/PGMA G2018–300:携帯型発電機の安全性と性能」を発行しました。
2019年、CPSCは「NISTテクニカルノート2048:携帯型発電機のCO緩和要件の影響を評価するためのシミュレーションおよび分析計画」の公開を発表し、それに対するコメントを求めました。NISTテクニカルノート2048は、UL 2201およびANSI/PGMA G2018–300のCO要件の有効性を推定するためにCPSCとNISTによって開発された計画です。2020年8月には、このテクニカルノート2048に対するコメントを参考に、CPSCとNISTが覚書を発表しました。
2022年2月、CPSCはPGMA G300およびUL 2201のCO緩和要件である「CO危険に対処する際の携帯型発電機の自主基準の有効性評価に関するCPSCスタッフブリーフィングパッケージ、および準拠した携帯型発電機の有効性に関する情報の入手可能性に関する調査結果」も公表しました。
規則案の補足通知に関する内容:
以上のような背景から、今回CPSCは、前回2016年の規則案の時点では存在しなかったUL 2201およびPGMA G300の要件に基づいて改訂された規則案が、CO中毒による傷害および死亡の危険性を大幅に削減できると考え、規則制定案の補足通知を発行しました。
今回の補足通知では、高CO値が検出された場合に、発電機を停止する機能に関連した要件が追加されています。また、実際の死亡事故の調査やシミュレーション実験により、電源停止機能だけでは十分ではないと判断し、UL 2201規格と一致する排出要件も追加採用されています。
CPSAは、提案された規則案が発電機関連のCO事故を減少させるために非常に効果的であり、規則が制定された場合の利益が規則に対応するためのコストを上回ると判断し、今回の補足通知を発表しています。
これに関するコメントは2023年6月20日までに文章として受け付けられています。この補足通知を口頭で説明を受けたい場合は2023年5月22日までに意思を表明する必要があります。
参考:
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