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米国|CPSC、ドレッサーおよびその他の衣類収納製品の転倒を防止する消費者製品安全基準の最終版を採択

CPSC、衣類保管製品の転倒を防ぐための消費者製品の安全基準を採用

2023年4月19日、CPSCは、連邦スターディ(STUDY)法の下で、ドレッサー、戸棚、ワードローブなどの衣類の保管製品の転倒を防止する安全規格の最終版を採択しました。ここでは、「背景」「内容」について記事になっています。

背景:

ASTM規格は、世界最大規模の標準化団体であるASTMインターナショナル(ASTM International、旧称はAmerican Society for Testing and Materials、米国試験材料協会です)が策定・発行する規格です。

ASTMインターナショナルは、世界最大の民間・非営利の国際標準化・規格設定機関です。2023年には、約12,000種類以上の規格がこのASTMより発行されており、その策定には世界各国から3万人以上のメンバーが参加しています。JISが日本工業規格として、日本の工業標準化の促進を目的に発行される日本の国家規格に対し、ASTM規格は任意規格でありながら、世界各国で法規制などの基準とされ、国際的に広く通用しています。

若者(Youth)の不安定で危険なドレッサー(Unstable, Risky Dressers)のストップチップオーバー(Stop Tip-overs、裏返し転倒の防止)の略であるSTURDY法は、2022年12月に法として署名されました。

米国消費者製品安全委員会(Consumer Product Safety Commission、CPSC)は、自主規格であるASTM F23-24の有効性を調査および評価し、この規格がSTURDYの要件を満たしていると判断しました。さらに、CPSCは、2023年5月24日に発効する衣類保管製品の転倒のリスクに対処するための必須の安全基準としてこの規格を使用しています。

CPSCの調べによると、2000年1月から2022年4月までに、衣類保管製品の転倒に起因した死亡の人数は234人で、そのうち199人が子供でした。また、CPSCは、衣類保管製品の転倒に関する怪我で病院に救急搬送された件数が、2016年から2021年の5年間で84,100件(年間平均5,300件)であったと報告しています。

内容:

CPSCは今回、ドレッサー、戸棚、ワードローブおよびその他の衣類保管製品を含む家具の転倒事故による怪我や死亡から幼児を保護するためのCPSC必須の安全基準として自主基準ASTM F2057-23を実施することを3対1で採択し、決議としました。

STURDYが要求するように、この自主基準ASTM F2057-23では、生後72か月までの子供を保護するため、次の要件を必須基準としています。

  • ユニットをカーペットの上に置いたときの安定性のテストを実施する。
  • 衣類が入った引き出しの複数を開いた状態での安定性のテストを実施する。
  • 衣類保管製品に最大60ポンドの子供の体重が負荷された場合を予想したテストを実施する。

以上のこと以外にもCPSCは、使用者がドレッサーを含む衣類保管製品を壁にしっかりと固定することを推奨しています。

この衣類保管製品のASTM自主規格は、連邦の官報に掲載されてから、CSPCにより120日後には最終規則として発行されます。この自主規格の実施により、製造業者はこの新しい安全要件に迅速に準拠することが期待されています。そして、この実施により、衣類保管製品の転倒に関する死傷者数が大幅に減少することが期待されます。

CPSCは、Anchor Itというサイトで、家具やテレビの壁などへの固定に関する詳細情報も提供しています。

参考:

CPSC、ドレッサーおよびその他の衣類収納製品の転倒を防止する消費者製品安全基準の最終版を採択

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