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地下・大深度地下の利用に係る規制の概要

大深度地下や地下利用に係る規制を紹介しております。

地下・大深度地下の利用に係る規制の概要

大深度地下とは?

日本のように国土の面積が相対的に小さく、大都市部のように狭い面積に多くの建物・人口が密集する場合、建物・施設・設備を上空方向に高く設けるか、逆に地下方向に空間を広げて設けるかのどちらかしかありません。土地の地下利用は古くより行われてきましたが、都市開発と人口集中、技術発展が相まって、より深い深さに空間を設け、施設利用等を行う必要性が生じてきました。

日本では、「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」で次のように定義されています。

日本のように国土の面積が相対的に小さく、大都市部のように狭い面積に多くの建物・人口が密集する場合、建物・施設・設備を上空方向に高く設けるか、逆に地下方向に空間を広げて設けるかのどちらかしかありません。土地の地下利用は古くより行われてきましたが、都市開発と人口集中、技術発展が相まって、より深い深さに空間を設け、施設利用等を行う必要性が生じてきました。

日本では、「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」で次のように定義されています。

大深度法

日本の要件例

日本では、国土交通省が「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」を所管しており、次の3点をメリットとして紹介しています。

■ 上下水道、電気、ガス、電気通信のような生活に密着したライフラインや地下鉄、地下河川などの公共の利益となる事業を円滑に行えるようになる
■ 合理的なルートの設定が可能となり、事業期間の短縮、コスト縮減にも寄与することが見込まれる
■ 大深度地下は地表や浅い地下に比べて、地震に対して安全であり、騒音・振動の減少、環境保護にも役立つ

「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」では例えば次の要件が設けられています。

■ 対象事業(指定された公共事業)を行う事業者の事業利用の認可制度
■ 事前の事業者間調整
■ 事業区域の明け渡し規定 など

詳説:大深度法(日本)

2000年05月に公布された「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」、通称「大深度法」では、特定の深さ以上での事業活動の在り方について規定がなされています。

目的

公共の利益となる事業による大深度地下の使用に関し、その要件、手続等について特別の措置を講ずることにより、当該事業の円滑な遂行と大深度地下の適正かつ合理的な利用を図ること

法第一条

注目定義

「大深度地下」とは、次の各号に掲げる深さのうちいずれか深い方以上の深さの地下をいう。
一 建築物の地下室及びその建設の用に通常供されることがない地下の深さとして政令で定める深さ
二 当該地下の使用をしようとする地点において通常の建築物の基礎ぐいを支持することができる地盤として政令で定めるもののうち最も浅い部分の深さに政令で定める距離を加えた深さ

法第二条

このうち、第一号の「政令で定める深さ」とは、施行令で定め40mを意味しています(令第二条第一号)。他方第二号にある「政令で定める距離」は、施行令で10mとされています(令第二条第三号)。

対象地域

人口の集中度、土地利用の状況その他の事情を勘案し、公共の利益となる事業を円滑に遂行するため、大深度地下を使用する社会的経済的必要性が存在する地域として政令で定める地域

法第三条

現状、三大都市圏(首都圏、近畿圏、中部圏)の一部区域が指定されており、国土交通省のウェブサイトで色分けされた地図表示で確認することができます。

■ 大深度地下法の対象地域/国土交通省

対象事業

一 道路法(昭和二十七年法律第百八十号)による道路に関する事業
二 河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)が適用され、若しくは準用される河川又はこれらの河川に治水若しくは利水の目的をもって設置する水路、貯水池その他の施設に関する事業
三 国、地方公共団体又は土地改良区(土地改良区連合を含む。)が設置する農業用道路、用水路又は排水路に関する事業
四 鉄道事業法(昭和六十一年法律第九十二号)第七条第一項に規定する鉄道事業者(以下単に「鉄道事業者」という。)が一般の需要に応ずる鉄道事業の用に供する施設に関する事業
五 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が設置する鉄道又は軌道の用に供する施設に関する事業
六 軌道法(大正十年法律第七十六号)による軌道の用に供する施設に関する事業
七 電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第百二十条第一項に規定する認定電気通信事業者(以下単に「認定電気通信事業者」という。)が同項に規定する認定電気通信事業(以下単に「認定電気通信事業」という。)の用に供する施設に関する事業
八 電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)による一般送配電事業、送電事業、特定送配電事業又は発電事業の用に供する電気工作物に関する事業
九 ガス事業法(昭和二十九年法律第五十一号)によるガス工作物に関する事業
十 水道法(昭和三十二年法律第百七十七号)による水道事業若しくは水道用水供給事業、工業用水道事業法(昭和三十三年法律第八十四号)による工業用水道事業又は下水道法(昭和三十三年法律第七十九号)による公共下水道、流域下水道若しくは都市下水路の用に供する施設に関する事業
十一 独立行政法人水資源機構が設置する独立行政法人水資源機構法(平成十四年法律第百八十二号)による水資源開発施設及び愛知豊川用水施設に関する事業
十二 前各号に掲げる事業のほか、土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第三条各号に掲げるものに関する事業又は都市計画法(昭和四十三年法律第百号)の規定により土地を使用することができる都市計画事業のうち、大深度地下を使用する必要があるものとして政令で定めるもの
十三 前各号に掲げる事業のために欠くことができない通路、鉄道、軌道、電線路、水路その他の施設に関する事業

法第四条

大深度法では、上述のように公共の利益に資する事業が対象で、当然のことながら、安全の確保および環境の保全には特に配慮するよう規定されています(法第五条)。より深い大深度地下で作業した結果、それよりも浅い深度の地下や地表に悪影響が及ばないように、との規定です。

大深度法では、上述のように公共の利益に資する事業が対象で、当然のことながら、安全の確保および環境の保全には特に配慮するよう規定されています(法第五条)。より深い大深度地下で作業した結果、それよりも浅い深度の地下や地表に悪影響が及ばないように、との規定です。

認可制度

規制の観点から重要なのは、大深度地下の利用に係わる認可制度です。法では第十条で、次のように規定しています。

事業者は、対象地域において、この章の定めるところに従い、使用の認可を受けて、当該事業者が施行する事業のために大深度地下を使用することができる。

法第十条

実際に大深度地下の利用認可を得ようとする場合には、国土交通省令で定める詳細事項にしたがって、事業者情報や事業の概要、予定時期や期間などを盛り込んだ事業概要書や事業計画書等の関連書類を添付した使用認可申請書を国土交通省大臣および特定のケースでは都道府県知事に提出しなければなりません。(第十一、十二条)

また、認可を受けようとする事業者は事業区域に井戸その他の物件があるかどうかを調査し、当該物件があるときは、物件の所在情報やその物件の情報などを記載した調書を作成しなければなないとされています。(第十三条)

これらの申請に基づいて認可がなされる際は、官報や都道府県の公報で認可事業者について告示がなされます。

認可事業者は、「事業の施行のため必要があるときは、事業区域にある物件を占有している者に対し、期限を定めて、事業区域の明渡しを求めることができる」(第三十一条)とされており、それに伴う補償などについての規定も法に盛り込まれています。

そして、認可の取り消しや事業の廃止等でその事業区域を使用する必要がなくなった場合には、原状回復の義務が課せられています(第三十八条)。

■ 大深度地下利用/国土交通省
■ 大深度地下の公共的使用に関する特別措置法
■ 大深度地下の公共的使用に関する特別措置法施行令
■ 大深度地下の公共的使用に関する特別措置法施行規則

調査相談

【例】

■ 事業全般(会社法、登記など)
■ 税務・会計(法人税、所得税、税額控除制度など)
■ 商取引慣行(消費者法、独占禁止、不正競争防止、金融商品取引、個人情報の保護、不正アクセス防止、文書管理、広告、不正表示防止など)
■ 輸出入・貿易(対外貿易、化学物質、自動車、機械、無線機器およびそれらの部材、食品、医薬品、など)
■ 製品安全(消費者製品安全、機械・設備安全、電気製品安全、ガスボンベ・ガスタンク安全、繊維製品、品質表示、子ども用製品安全など)
■ 雇用・労働(労働基準、労働契約、男女平等(ジェンダー)、健康診断など)
■ 資源採掘・管理・処理(資源採掘、輸送、加工・処理、リサイクル、廃棄物管理など)
■ 電力・ガス・水道(電力取引、調達、管理、ガス事業、パイプライン設備、上水道、下水道、飲料水など)
■ 化学物質(取り扱い、保管、貯蔵、廃棄、混合物分類、有害物質規制/含有規制、放射線管理など)
■ 農薬・肥料(許認可、閾値、ラベル、保管管理など)
■ 食品(輸出入許認可、食品添加物、食品接触材料、分析、表示など)
■ 医療(事業の許認可、医薬品管理・販売・管理、表示など)
■ 消防・危険物(火災防止、危険物の保管、取り扱い、建物・設備、行政への届出、輸送など)
■ 建物(建築基準、設備・施設基準、許認可、防火規定など)
■ 労働安全衛生(作業者安全、特定作業や特定設備、特定物質に係わる規定、健康診断、リスクアセスメント、ばく露など)
■ 環境(温暖化対策、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、地下水汚染、エネルギー効率、騒音、オゾン層破壊物質、容器包装、リサイクル、廃棄物など)
■ 循環経済・資源供給(サーキュラーエコノミー、資源管理、重要な原材料/重要鉱物、再生プラスチックなど)
■ 先端技術(人工知能、DX、ドローン、エコカーおよび関連電池、データ管理・取り扱い、サイバーセキュリディ など)
■ 新領域(宇宙、衛星 など)
■ 特許・商標(特許、意匠、商標、著作権など)
■ 罰則・執行(執行プログラム、刑法、罰則規定および事例調査 など)
■ 国際条約関連(POPs条約、バーゼル条約、PIC条約、水銀条約、SOLAS条約など)

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