本ページでは、ブラジルの法形成過程の要点について整理しています。
段階、項目、主体、内容、そして期限があるものについては期限の情報も整理しています。
URLを含む根拠法令や根拠条項の情報は、有償となりますので、関心がある場合には指定のリンクよりお進みください。
※下位法令は代表的な種類のものを取り上げて紹介しています。網羅的な把握についてはお問い合わせください。
【調査・確認時期:2023年上半期】
通常法 (leis ordinárias)
段落 | 項目 | 主体 | 内容 | 期限 | 根拠法 | 根拠条項 |
1 | 法案提出 | 下院 | 下院、連邦上院または国会の議員または委員会、共和国大統領、連邦最高裁判所、高等裁判所、共和国検事総長、および市民により下院に提出される。 | ― | ご関心がある場合はこちらより | |
市民 | 市民からの発案は、5州以上(各州の選挙人の0.3%以上)にわたる全国内有権者数の1%以上の署名により、国会議員(上院議員または下院議員)に直接、または下院のサイトを通して下院に提出される。 | ― | ||||
2 | 法案の受理 | 下院執行部 | 下院の執行部にて法案が受理されると、番号および日付が付され、所管の委員会に送付され、下院官報に掲載される。また議員、指導部および委員会にも配布される。 | ― | ||
3 | 委員会への送付 | 下院議長 | 受理された法案は、下院議長により委員会に送られる。 | 法案の受理後、2会期以内 | ||
4 | 委員会での審議 | 下院委員会 | 本議会での審議に先立ち、法案は下記の委員会に送られ審議される; I – その案件が割り当てられた功労委員会;(II IV以外の法案) II – 財政・税制委員会;(公的財政・予算に関する法案) III – 憲法・司法・市民権委員会;(すべての法案) IV – 特別委員会(下院内規第34条第2号*に言及される法案) * 4つ以上の委員会の権限に属する案件、下院議長、または関連する委員会のリーダーまたは委員長による発案の場合。 |
― | ||
5 | 報告担当者による検討 | 報告担当者 | 指名された報告者が意見書の検討を行う。 | ー | ||
6 | 法案及び意見書の公告 | 下院執行部 | 法案の最終的な検討が終了した時点で法案とその意見書は公告に回され、次回の会議まで執行部に送られ、議事日程にて発表される。期限が経過し、不服申し立てがない、あるいは却下された場合、案件は最終的な起草に回されるか、適切な場合には取り下げられる。 | ー | ||
7 | 本議会への送付 | 下院執行部 | 本会議での審議の対象となる事項が検討された後、法案は執行部に送られ本議会の議事日程への記載をを待つ。 | ー | ||
8 | 本議会での討議 | 下院議会 | 法案は、本議会で読み上げられた後に本議会での決定の対象となる。討議は、法案全体と修正がある場合はその修正について行われる。 | ー | ||
9 | 議決 | 下院議会 | 討議後は、投票をもって審議の終了とする。投票が集計されると議長がその結果を発表する。 | ー | ||
10 | 最終案の作成 | 下院の憲法・司法・市民権委員会 | 投票後、憲法・司法・市民権委員会に提出されて草案が作成され、最終案が作成される。 | ー | ||
11 | 最終案の議決 | 下院議会 | 最終案の投票が行われる。 | ー | ||
12 | 上院への送付 | 下院議会 | 最終的に承認された議案は、翌第2会期までに公式文書にして上院に送られる。 | ー | ||
13 | 連邦上院での審議等 | 連邦上院 | 手順は下院と同じ。 | ー | ||
14 | 共和国大統領への送付 | 連邦上院 | 議案承認後、連邦上院が共和国大統領に送付する | ー | ||
15 | 法案の拒否 | 共和国大統領 | 共和国大統領は、法案の全部または一部が違憲または公共の利益に反すると判断した場合、法案を受け取ってから15日以内にその全部または一部に拒否権を行使し、48時間以内に拒否の理由を連邦上院議長に通知しなければならない。拒否が支持されない場合は法案は共和国大統領に送られる。 | 15日 | ||
16 | 法案の裁可 | 共和国大統領 | 上記12の15日間が経過した時点で、共和国大統領の黙示は裁可とみなされる。 | ー | ||
17 | 公布 | 共和国大統領 | 法案が裁可されたとみなさた、あるいは拒否が支持されずに再度送付されてから48時間以内に共和国大統領が公布しない場合は、連邦上院議長が公布する。連邦上院議長が48時間以内に公布しない場合は、連邦上院副議長がそれを行う。 | ー |
決議 (resoluções)
段落 | 項目 | 主体 | 内容 | 期限 | 根拠法 | 根拠条項 |
1 | 提案の提出 | 国会、連邦上院、下院 | ① 国会-a)連邦上院または下院の執行部、またはb)100名以上(上院議員20名、下院議員80名)の署名により、両院合同会議に提出される。b)の場合、討議のために5日以内に両院合同会議が招集される。 a)の場合、意見書発行のため15日以内に連邦上院及び下院の執行部に回される。15日を過ぎた場合は、意見書の有無にかかわらず5日以内に、討議のために両院合同会議が開催される。 提案は連邦上院議長に送付または提示され、国会がそれを認識するために72時間以内に両院合同会議が招集される。 ② 下院-執行部または特定の合議体によるものを除き、すべての下院議員、または委員会が提出することができる。提案が公告された後、修正受付のために議事日程に5会期間置かれる。 ③ 連邦上院-上院議員、理事委員会、またはその目的のために連邦上院の審議により設定された特別委員会により発案され、修正受付のために執行部に5日間置かれる。” |
ー | ご関心がある場合はこちらより | |
2 | 委員会での意見書作成 | 国会、連邦上院、下院の委員会 | ① 国会-草案に対して意見書を発行するために両院合同委員会が設置される。委員会は決議案を提示することにより意見書をまとめるものとする。 ② 下院-議事日程に置かれて5会期を過ぎた提案は、憲法・司法・市民権委員会(すべての提案)、特別委員会(提案の修正を受け付けた場合)、および執行部(修正および草案の評議のため)に送付され意見書が作成される。意見書は通常の場合は5会期、提案の修正を扱う場合は20会期の期間内に発行される。 ③連邦上院-執行部に5日間置かれた後、憲法・司法・市民権委員会、特別委員会、および理事委員会(上院議員による発案の場合)に送られ、意見書が通常の場合は10日間、提案の修正を扱う場合は20日間の期間内に発行される。” |
ー | ||
3 | 議会での討議 | ①国会-両院合同会議 ②下院-本議会 ③連邦上院-本議会 |
① 国会-意見書発行後、議論のために5日以内に両院合同会議が招集される。 ② 下院-意見書発行後に提案が議事日程に組み込まれ、議論される。 ③ 連邦上院-意見書発行後に議事日程に組み込まれ、議論される。” |
|||
4 | 議決 | 国会、連邦上院、下院 | ① 国会-議論が終了すると、直ちに採決が行われる。できれば異なる政党の上院議員4名と下院議員4名に送られ、それぞれが5分間で採決する。 ② 下院-議論終了後、直ちに採決が行われる。 ③ 連邦上院-議論終了後、直ちに採決が行われる。 |
ー | ||
5 | 最終文書の作成 | ①国会-両院合同委員会 ②下院-憲法・司法・市民権委員会 ③連邦上院-所管の委員会 |
① 国会-草案は最終文書作成のために両院合同委員会に戻され、最終文書が作成される。最終的に承認された草案は、公式文書にして裁可のために共和国大統領に送られる。 ② 下院-憲法・司法・市民権委員会に送られ、起草され最終案が作成される。最終的に承認された最終文書は、公式文書にして裁可または公布される、あるいは場合により上院に送られる。 ③ 連邦上院-草案は補足読会のための文書作成のために所管の委員会に送られる。最終文書が作成されると、公式文書にして裁可または公布される、あるいは場合により下院に送られる。 |
ー | ||
6 | 公布 | 国会、連邦上院議長、下院議長 | ① 承認された決議案は、24時間以内に公布される。必要な場合は共和国大統領にも伝達される。 ② 公式文書を受理後2会期の期間内に、下院議長により公布される。 ③ 上記3-③と同じ、公布は上院議長が行う。 |
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