ホテル事業の建築物多様化に対応するため
2023年08月30日、内務省はホテル事業の種類と基準、そして建築基準に関する省令を2件官報公布しました。内容は以下の通りです。
「内務省令 ホテル事業に使用される建物の特性と安全システム規定」
この省令発出の背景
タイのホテル事業は従来の形態から変化が進んでおり、他種類の建築物をホテルとして開放することも一般化するなど、その姿は多様化しています。このような現状を踏まえ、どのような形のホテルであっても利用者が安全に利用できるよう、建築物の種類に応じた適切な安全システムと規格を定めるためにこの省令が発出されました。
この省令の構成と主な内容
この省令の構成と主な内容は以下の通りです。
■第Ⅰ章:主要構造部・階段・建材
▪主要構造部に求められる積載荷重、使用すべき建材は「建築物の構造設計と特徴、および使用される建材の特性の規定に関する省令」をはじめ、4つの省令に基づく必要がある旨を定めています。
▪3階以上のホテル建築に関し、壁、階段を含む主要構造部は不燃性かつ恒久的な建材を使用する必要がある旨を定めています。また、設置される階段に求められる特徴は然るべき省令の定めに準じる必要がある旨も定められています。
■第Ⅱ章:防火と消火システム・建築物管理システム・その他設備
▪建築物の大きさなどを下記2タイプに分類、それぞれのタイプに応じ必要な防火と消火システムについて定めています。
a) 2階建て以下、床面積300平方メートル以下、客室数が10室以下のホテル
(22.50メートル間隔で少なくとも携帯用消火器1台の設置など)
b) a)の条件に該当しないホテル
(床面積1,000メートルを超えない範囲において45.00メートル間隔で少なくとも携帯用消火器1台の設置など)
▪ホテルとして使用する建築物の種類に応じ非常階段、非常口、非常階段踊場ืなどの設置が義務付けられ、その詳細を定めています。
▪ホテル内の避難経路は最大収容人数にも対応できる十分な幅を確保することが求められ、その算出方法を定めています。
▪2階建て以上のホテルは各階の常時はっきりと見える場所にフロア表示をすることが義務付けられます。
▪ホテルとして使用する建築物の種類に準じ、建築物管理システムとその他設備の設置(照明設備、換気設備、電気設備やエレベーター、駐車場、トイレなど)が義務付けられます。また、その基準を定めているそれぞれの省令名を挙げています。
■第Ⅲ章:建築物内および建築物外のエリアについて
▪客室の床面積を部屋のタイプごとに規定しています。(1人部屋は6平方メートルを下回らないこと、2人部屋は8平方メートルを下回らないことなど)
▪部屋と部屋同士の床の垂直距離は2.60メートル以上なければなりません。また、傾斜した屋根や壁を持つ客室の場合は、一番低い箇所において床から天井、もしくは一番高い箇所を測定した時に1.80 メートル以上あることが求められます。
▪ホテル内の通路は1.50メートル以上幅があることが求められます。但し場合により、下記の通り例外が定められています。
a) 同一階にある客室数が10室以下の場合は通路幅が1.00メートル以上であること
b) 同一階にある客室数が10室以上20室以下の場合は通路幅が1.20メートル以上であること
▪屋外スペースは建築物の一番広い床面積の10%以上の広さを確保すること。但し建築物の一部が住宅として使用されている場合は30%以上の広さを確保すること。
■第Ⅳ章:特別な特徴を持つ建築物
▪「特別な特徴を持つ建築物」とはフローティング・ハウス、ニューマチック構造物やテント、もしくは車や鉄道、飛行機を宿泊用に改造したものなど、通常の建築物とは特徴やスタイルなどが異なる建築物のことを指します。
▪特別な特徴を持つ建築物に求められる基準は通常の建築物と同様ですが、この第Ⅳ章で定めている例外規定に従う必要があります。
■経過規定
「内務省令 ホテル事業の種類及び基準規定(第2号)」
この省令発出の背景
様々な地域において宿泊事業に使用されている4部屋以上有する建築物の多くはその土地ならではのユニークな特徴や価値を持っており、旅行者の誘致、地域収入の確保のため、保護すべき建築物であると言えるでしょう。しかしながらホテル事業ライセンスを取得するために、従来の建築物管理法令に基づき発出された「ホテル事業に使用される他建築物の特性に関する省令」(2016年)に準じて改築などを行うことにより建築物の個性が消失してしまう恐れがあるため、その防止策として今回の省令が発出されました。
この省令の主な内容
この省令発出の主な目的は下記の通りです。その実行のために「内務省令 ホテル事業の種類及び基準規定 仏暦2551年(西暦2008年)」の改定増補内容を定めたものとなっています。
▪部屋数が合計8室以下の宿泊施設(単独棟・複数棟を問わない)や付随的なサービスを提供できる宿泊客全ての合計が30名を超えない宿泊施設などもカバーできるように宿泊施設規定を改正すること
▪ドミトリータイプの宿泊施設、テント、フローティング・ハウスなど特殊な形態の建築物を宿泊できるように使用するケースに対応し、それらの建築物に対してもホテル事業ライセンスを発行できるように然るべき基準と条件を定めること
参考情報
「内務省令 ホテル事業に使用される建築物の特性と安全システム規定」2023年08月30日官報公布(2023年08月24日発出)
「内務省令 ホテル事業の種類及び基準規定(第2号)」2023年08月30日官報公布(2023年08月25日発出)
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