EU|電池規則デューディリジェンス要件の適用開始を2年延期、ガイドライン公表期限を2026年07月26日まで延期する提案
電池デューディリジェンス要件適用は2027年08月18日へ延期を検討
2025年05月21日、欧州委員会は電池規則に定める要件のうち、電池デューディリジェンス要件の適用開始時期を2年延期、関連ガイドライン公表を約1年5ヵ月程延期することを盛り込んだ規則案を公表し、23日から意見募集を開始しました。募集期限は07月31日までとなっています。
概要・背景
■ 電池規則の第48条「電池デューディリジェンス方針」では、2025年08月18日からデューディリジェンスに関する各種要件(第48条、49条、50条、52条)の遵守(デューディリジェンス方針の策定・実施などを含む)を要求しています。
■ しかしながら、それを支援するために2025年02月18日までに公表するとしていた(第48条段落5)ガイドラインは、05月になっても公表されない状態が続いていました。
■ 電池規則の第7章に定めるデューディリジェンスに関する各種要件は、具体性に欠ける部分、補足が必要と思われる部分が多く、ガイドラインでどこまで明確になるのか、という点に注目が集まっていました。
■ 今回、延期の提案がなされた背景には以下の事情が説明されています。
- 電池の原材料のサプライチェーンに関して、調達に関する多くの課題を含め、分析と調整には時間がかかること。
- 第三者検証を行う届出機関に関して、電池デューディリジェンスに関する届出機関の認定基準を決定できていないこと。
- 現時点では認定されたデューディリジェンス・スキームはないこと。
- 企業持続可能性デューディリジェンス指令(CSDDD)に関連した評価・レビューとの関連。
■ これらを背景に、「電池を上市する経済事業者がガイドラインの支援を受けてより十分な準備を行い、届出機関の利用に関する困難を解決するための時間を確保すること」を主な理由として、デューディリジェンス要件の適用開始時期とガイドライン公表期限の延期が提案されています。
注目すべき内容
電池デューディリジェンス要件の適用開始を「2027年08月18日」へ修正
■ 電池規則では元々2025年08月18日から適用開始と定められている。
■ 今回の規則案が改正規則として公布されれば、その適用は2年間延期される見込み。
電池デューディリジェンス対応を支援するためのガイドライン公表期限を「2026年07月26日」へ修正
■ 電池規則では元々2025年02月18日までに欧州委員会がガイドラインを公表すると定められている。
■ 今回の規則案が改正規則として公布されれば、その公表期限は約1年5ヵ月程延期される見込み。
参考情報
■ 意見募集
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