過去のガソリン使用量と所得の大小も考慮

2022年04月19日、カリフォルニア州議会運輸委員会は、画期的な ZEV インセンティブ改革法案である AB 2816 を 6 対 2 の賛成多数で可決しました。

Phil Ting 議員が提出したこの法案は、カリフォルニア州大気資源委員会（CARB）に対し、同州のゼロエミッション車（ZEV）インセンティブ・プログラムの気候および公平性への影響を最大化するため、インセンティブの額をドライバーの過去のガソリンまたはディーゼル車の消費レベルにリンクさせ、低所得ドライバーほど額を大きくすることを指示するものです。

また、AB2816は、最大のガソリン使用者を先にZEVに移行させることで、2030年までに小型車排出量を半減するという州の短期目標達成に必要なZEVの総台数を減らすことも可能です。

この法案が可決されれば、カリフォルニア州は世界で初めて、ガソリン消費量の削減を最大化することにZEVのインセンティブを集中させる政府となります

カリフォルニア州の最大のガソリン使用者は、現在、ZEVに切り替える最後の人になりそうな勢いである。ZEVインセンティブは、高所得のドライバーに利用される傾向があり、ガソリン使用量の削減に重点を置いていません

排出量を減らすことが目的なら、最も多く運転し、最も多くガソリンを使う人々にインセンティブを与えることが、その目的を達成するための効率的な方法です。造園業者ほど運転する人はいないでしょう。もし彼らがZEVに乗り換えたとしたら、大きな節約になると思います。

ジョーダン・カニンガム下院議員（セントラルコースト選出）

AB2816 は、クリーンカー4 オール、クリーン車両リベートプロジェクト（CVRP）、クリーン車両支援プロ グラムなど、CARB から資金提供を受けたり、CARB が運営する ZEV インセンティブプログラムに適用されます。本法案は、2024年1月1日以前に、以下の両方を活用して、特定の車両が使用したガソリンまたはディーゼルの平均年間ガロン数を計算するツールを開発するようCARBに要求するものです。

■　自動車のメーカー、モデル、年式によるガロンあたりのマイル数に関する一般に入手可能なデータ

■　申請者が車両を登録した際のオドメーターの数値と、現在のオドメーターの数値

2024 年以降は、申請車両のガソリンまたはディーゼルの年間平均消費ガロン数に基づいて ZEV インセンティブを付与する内容となっています。

本法案では、CARB に、1ドルあたりのガソリン・ディーゼル代替量と基準汚染物質排出削減量を最大化するようなインセンティブ額を設定するよう求めています。さらに、CARB は低所得者または中所得者の申請者に対して、1ガロン当たりの奨励金を追加で支給しなければなりません。

申請者は、奨励金の根拠となる内燃機関自動車を売却するなどして引き渡さなければなりません。

本法案はまた、CARBに以下の戦略を策定・実施するよう求めています。

■　ガソリンまたはディーゼルを最も多く使用し、かつ低・中所得のドライバーを特定すること

■　上記ドライバーのガソリン車またはディーゼル車から ZEV への切り替えを促進すること

AB2816は、非営利団体Colturaが昨年夏に発表した報告書に概説された概念に基づいている。この報告書では、ガソリンのヘビーユーザーである「ガソリンのスーパーユーザー」を詳細に調査し、彼らがより早くEVに切り替えるためのインセンティブを与えるEV政策の変更を提案しています。

小型車は、カリフォルニア州全体の二酸化炭素排出量の28%を占め、高速道路や交通量の多い道路の近くで大気を汚染しています。コルチュラの調査によると、米国のガソリン消費量上位10％のドライバーは、それぞれ少なくとも年間1,000ガロンのガソリンを使用し、平均3万マイルを走行しているとのことです。

これらの「ガソリンのスーパーユーザー」の多くは、職場の近くに住むことができない、あるいは仕事の一環として長距離を運転しなければならない低所得者であり、世帯収入の多くを自動車の燃料費に費やしています。

平均して、ガソリン車からZEVに乗り換えることで、維持費が40％、燃料費が50％節約できます。

この法案は、今後、下院天然資源委員会に送られ、4月25日に公聴会が開かれる予定です。

出典－GreenCarCongress

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参考

■　AB2816