米国|TSCAのもと、ペルクロロエチレン(PCE)の製造・輸入・加工・流通・使用を規制する規則案を公表

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米国|TSCAのもと、ペルクロロエチレン(PCE)の製造・輸入・加工・流通・使用を規制する規則案を公表

TSCAリスク評価に基づく規則案

2023年06月16日、米国連邦官報にて、有害物質規制法(TSCA)のもと実施されたリスク評価結果に基づく、ペルクロロエチレン(PCE)の製造・輸入・加工・流通・使用を規制する規則案が公表され、意見募集が開始されました。意見募集期間は08月15日までとなっています。PCEは、フッ素化化合物の製造、ドライクリー ニングおよび蒸気脱脂用の溶剤として、石油化学製造における触媒再生に、また接着剤、塗料およびコーティング剤、エアゾール脱脂剤、ブレーキクリーナー、エアゾール潤滑剤、シーラント、石材磨き、ステンレス鋼磨き、拭き取りクリーナーなどの様々な商業用途および消費者用途に使用されています。

概要

■ 本規則案は、EPAがTSCA第6条のもとで実施したPCEの2020年リスク評価および2022年改訂不合理なリスク判定において特定した、健康に対する傷害の不合理なリスクに対処することを意図している。

■ PCE は、米国で生産され、米国に輸入される、穏やかな甘い匂いを持つ無色の揮発性液体で、多くの工業、商業、消費者の間で、製造、加工、流通、使用、廃棄されている。PCEの主な用途は、冒頭に触れた通り、フッ素化化合物の製造、ドライクリー ニングおよび蒸気脱脂用の溶剤として、石油化学製造における触媒再生に、また接着剤、塗料およびコーティング剤、エアゾール脱脂剤、ブレーキクリーナー、エアゾール潤滑剤、シーラント、石材磨き、ステンレス鋼磨き、拭き取りクリーナーなどの様々な商業用途および消費者用途が挙げられる。

■ 2020年リスク評価においては、PCEの製造、輸入、加工、商業的流通、産業・商業使用、消費者使用、廃棄の61の使用条件に関連するリスクが評価された。その結果、EPAは、PCEが健康を害する不合理なリスクをもたらすと判断し、規制的措置の検討に移っていた。

主な事業者要件

■ § 751.605に記載の「製造、加工、商業的流通および使用の禁止」要件は、PCEを用いて商業的にドライクリーニングされた衣類および成形品(articles)の用途を除く、すべての消費者用途に適用される。また、他の化学製品および調剤の製剤、混合物または反応生成物への加工、特定のドライクリーニング用途にも適用される。さらに、一部を除くすべての産業および商業用途や商業的流通にも適用される。

禁止

■ 次の用途のPCEの製造・輸入の禁止:規則官報公布12ヶ月後以降 <§ 751.605(b)(1)>
ー すべての消費者用途(PCEを用いて商業的にドライクリーニングされた衣類および成形品(articles)の用途を除く)
ー 他の化学製品および調剤の製剤、混合物または反応生成物への加工
ー すべての産業および商業用途(751.607(a)や751.609(a)に特定の用途を除く)

■ 次の用途のPCE含有製品(perchloroethylene-containing products)の加工の禁止:規則官報公布15ヶ月後以降 <§ 751.605(b)(2)>
ー すべての消費者用途(PCEを用いて商業的にドライクリーニングされた衣類および成形品(articles)の用途を除く)
ー 他の化学製品および調剤の製剤、混合物または反応生成物への加工
ー すべての産業および商業用途(751.607(a)や751.609(a)に特定の用途を除く)

■ 次の用途のPCEおよび含有製品の小売業者への商業的流通の禁止:規則官報公布18ヶ月後以降 <§ 751.605(b)(3)>
ー 商業用ドライクリーニング、または商業用ドライクリーニングに使用された衣類および成形品の消費者使用以外の用途

■ 次の用途のPCEおよび含有製品の商業的流通の禁止:規則官報公布21ヶ月後以降 <§ 751.605(b)(4)>
ー 商業用ドライクリーニング、または商業用ドライクリーニングに使用された衣類および成形品の消費者使用以外の用途
※ (b)(3)との違いは、小売業者向けの流通か、それ以外の流通かという点

■ 次の用途のPCEおよび含有製品の小売業者への商業的流通の禁止:規則官報公布21ヶ月後以降 <§ 751.605(b)(5)>
ー すべての消費者用途(PCEを用いて商業的にドライクリーニングされた衣類および成形品(articles)の用途を除く)
- すべての産業および商業用途(751.607(a)や751.609(a)に特定の用途を除く)

■ 次の用途のPCEおよび含有製品の商業的使用の禁止:規則官報公布24ヶ月後以降 <§ 751.605(b)(6)>
- すべての産業および商業用途(751.607(a)や751.609(a)に特定の用途を除く)

■ 規則官報公布6ヶ月後の日付移行に入手したドライクリーニング機械で、産業的または商業的にPCEを使用することを禁止 <§ 751.605(b)(7)> など

※ 但し、0.1wt%未満の水準でPCEを含む製品は、(b)に記載された禁止事項の対象外

作業場化学物質保護プログラム

■ PCEの製造、輸入、加工、再包装、商業的使用、リサイクル、廃棄に従事する作業場に適用される。詳しくは§ 751.607(a)参照。

■ ばく露規制(ECEL):0.14 ppm(8h-TWA):規則官報公布24ヶ月後以降 <§ 751.607(b)(1),(2)>

■ ほか、ばく露モニタリング要件、モニタリング結果の通知要件、規制エリア指定の要件、ばく露管理計画要件、個人用保護具の要件などが盛り込まれている。

川下への通知

■ PCEの製造者・輸入者は、出荷前または出荷と同時に、§ 751.611(c)に従って、出荷先企業に本項に記載される制限について書面で通知が必要:規則官報公布2ヶ月後以降 <§ 751.611(a)>

■ PCEの商業的な加工や流通を行う者は、出荷前または出荷と同時に、§ 751.611(c)に従って、出荷先企業に本項に記載される制限について書面で通知が必要:規則官報公布6ヶ月後以降 <§ 751.611(b)>

■ 上述の通知は、PCEまたはPCE含有製品に添付される安全データシート(SDS)のセクション1(c)および15に指定の文章を挿入する形で対応が必要。<§ 751.611(c)>

記録保持要件

■ PCEまたはPCE含有製品の製造、加工、商業的流通、または産業的もしくは商業的使用に従事するすべての者は、本Subpartの禁止、制限、およびその他の条項の遵守に関連する川下への通知、請求書、船荷[運送]証券(bills-of-lading、BOL;B/L)などの通常の業務記録を保持しなければならない。:規則官報公布60日後以降 <§ 751.613(a)>

■ ほか、ばく露規制遵守、ばく露モニタリング、直接皮膚接触管理(DDCC)規制やばく露管理計画要件に係る記録保持、訓練などについても規定されている。

■ 記録保持については、上記に関連して必要とされる記録を記録作成日から5年間の保持が求められている。<§ 751.613(e)>

免除

■ § 751.615に記載される免除規定については、一般的な免除と、期限付きの免除の内容がある。

目次

40 CFR Part 751  有害物質規制法第6条に基づく特定の化学物質および混合物の規制

§ 751.5 定義

Subpart G ペルクロロエチレン

§ 751.601 総則

§ 751.603 定義

§ 751.605 製造、加工、商業的流通および使用の禁止

§ 751.607 作業場における化学物質保護プログラム

§ 751.609 実験室での使用に関する作業場要件

§ 751.611 川下への通知

§ 751.613 記録要件

§ 751.615 免除

参考情報

■ 連邦官報(2023-12495)

有害物質規制法(TSCA)とは?

米国の「有害物質規制法」、通称「TSCA」は、化学物質の管理・規制に関する米国の国レベルの基本的な法令の一つです。日本の化審法、EUのREACH規則と並べて、あるいは比較して言及されたりもします。

合衆国法典では第15編、第53章に収載されており、全部で6つの大項目から構成されています。このうち、日本の事業者が関心が高く、よく相談が持ち込まれる大項目は、「有害物質の管理」、「複合木材製品のホルムアルデヒド基準」です。

目次

SUBCHAPTER I 有害物質の管理

SUBCHAPTER II アスベスト有害性緊急対応

SUBCHAPTER III 屋内ラドン削減

SUBCHAPTER IV 鉛ばく露低減

SUBCHAPTER V 健康的な高いパフォーマンスの学校

SUBCHAPTER VI 複合木材製品のホルムアルデヒド基準

注目される制度

TSCAのもとでは様々な規制が敷かれていますが、事業者からの相談・問い合わせが多く、注目度が高い制度には次のものが例として挙げられます。

新規化学物質の製造前届出制度

■ 第5条(§2604)(a)(1)に基づき、新規化学物質の製造・輸入・加工については、90日前までにEPAへの届出が必要

化学物質の試験制度

■ 第4条(§2603)に基づき、EPAが人の健康や環境へ不当なリスクをもたらすと判断した場合には、化学物質や混合物の製造、商業流通、加工、使用、廃棄、またはそのような活動の組み合わせに関連して、関連事業者に試験の実施を要求することができる。関連規則に基づき、規則や同意命令などの形で発出される。

重要新規利用規則(SNUR)

■ 第5条(§2604)(a)(2)に基づき、化学物質の使用が、通知が必要とされる重要新規利用(Significant New Use)であるかどうかをEPAが判断し、必要に応じて規則を設ける。特定されたものについて、製造者・輸入者や加工業者は、当該新規利用を開始する90日前までに関連規則に基づいた通知(SNUN)が必要とされる。

化学物質のリスク評価制度に基づく個別の規制

■ 第6条(§2605)に基づき、EPAが化学物質または混合物の製造、加工、商業流通、使用、廃棄、またはそのような活動の組み合わせが、人の健康や環境へ不当なリスクをもたらすと判断した場合には、規制を定める規則の検討を行う。

既存化学物質の管理制度

■ 第8条(§2607)に基づく記録保持・報告要件は、インベントリー制度としても知られている。EPAが化学物質についての情報をインベントリーとして管理するために、事業者には情報の提出や更新が求められている。

輸出入規制

■ 輸出(§2611)や輸入(§2612)についても規制が敷かれているが、特に注目されるのは、輸入時における「TSCA証明」である。詳細は規則で規定されているが、輸入化学物質が TSCA に準拠していることを証明する方法(positive certification)と、TSCAの適用外であることを証明する方法(negative certification)が存在する。

複合木材製品規制

■ 米国内で販売、供給、販売促進、製造、輸入される複合木材製品は、TSCA Title VI適合と表示されなければならない。これらの製品には、広葉樹合板、中密度繊維板、パーティクルボード、およびこれらの製品を含む家庭用品やその他の完成品(finished goods)が含まれる。自主的合意基準、第三者認証制度など要件遵守保証のための制度が導入されている。

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