EPAリスク評価に基づく規則案
2023年07月28日、米国連邦官報にて、有害物質規制法(TSCA)の規定に基づき、四塩化炭素(CTC)の製造、輸入、加工、商業流通、工業用/商業用使用を禁止し、記録保持および川下への通知要件を定めることを提案する規則案を公表し、意見募集を開始しました。意見募集期限は09月11日までとなっています。
概要・背景
■ 環境保護庁(EPA)は、四塩化炭素に関する2020年リスク評価および四塩化炭素に関する2022年改訂不合理リスク判定を設けていた。
■ CTCは揮発性の有機化合物で、主に冷媒、エアゾール用推進剤、発泡剤などの製品を製造する際の原料(反応剤として加工される)として使用されるものとして知られている。
■ TSCAでは、EPAに対し、TSCAリスク評価で特定された健康や環境に対する不合理なリスクに規則で対処し、化学物質が不合理なリスクを示さなくなるよう、必要な範囲で要件を適用することを求めている。
■ EPAは、CTCが慢性的な吸入および経皮曝露による発がん、ならびに作業場における慢性的な吸入、慢性的な経皮、および急性的な経皮曝露による肝毒性により、健康を損なう不合理なリスクを示すと判断した。
■ 特定された不合理なリスクに対処するため、EPAはTSCAに基づき、地球温暖化係数(GWP)の低いハイドロフルオロオレフィン(HFO)の製造に関連する使用条件を含むほとんどの使用条件について作業場安全要件を定めることを含んでいる。
■ そして、CTCの製造、輸入、加工、商業流通、工業用/商業用使用を禁止し、記録保持および川下への通知要件を定めることを提案している。
規則対象箇所
40 CFR
Part 751 有害物質規制法第6条に基づく、特定の化学物質および混合物の規制
§ 751.5 定義
Subpart H 四塩化炭素
§ 751.701 総則
§ 751.703 定義
§ 751.705 四塩化炭素の特定の工業用および商業用用途、ならびにそれらの用途のための製造、加工、および商業上の流通の禁止
§ 751.707 職場化学物質保護プログラム(WCCP)
§ 751.709 米国国防総省による実験用化学物質としての四塩化炭素の使用を含む、実験用化学物質とし ての工業用および商業用の作業場での使用制限
§ 751.711 川下への通知
§ 751.713 記録要件
参考情報
有害物質規制法(TSCA)とは?
米国の「有害物質規制法」、通称「TSCA」は、化学物質の管理・規制に関する米国の国レベルの基本的な法令の一つです。日本の化審法、EUのREACH規則と並べて、あるいは比較して言及されたりもします。 合衆国法典では第15編、第53章に収載されており、全部で6つの大項目から構成されています。このうち、日本の事業者が関心が高く、よく相談が持ち込まれる大項目は、「有害物質の管理」、「複合木材製品のホルムアルデヒド基準」です。
目次
SUBCHAPTER I 有害物質の管理 SUBCHAPTER II アスベスト有害性緊急対応 SUBCHAPTER III 屋内ラドン削減 SUBCHAPTER IV 鉛ばく露低減 SUBCHAPTER V 健康的な高いパフォーマンスの学校 SUBCHAPTER VI 複合木材製品のホルムアルデヒド基準
注目される制度
TSCAのもとでは様々な規制が敷かれていますが、事業者からの相談・問い合わせが多く、注目度が高い制度には次のものが例として挙げられます。
新規化学物質の製造前届出制度
■ 第5条(§2604)(a)(1)に基づき、新規化学物質の製造・輸入・加工については、90日前までにEPAへの届出が必要
化学物質の試験制度
■ 第4条(§2603)に基づき、EPAが人の健康や環境へ不当なリスクをもたらすと判断した場合には、化学物質や混合物の製造、商業流通、加工、使用、廃棄、またはそのような活動の組み合わせに関連して、関連事業者に試験の実施を要求することができる。関連規則に基づき、規則や同意命令などの形で発出される。
重要新規利用規則(SNUR)
■ 第5条(§2604)(a)(2)に基づき、化学物質の使用が、通知が必要とされる重要新規利用(Significant New Use)であるかどうかをEPAが判断し、必要に応じて規則を設ける。特定されたものについて、製造者・輸入者や加工業者は、当該新規利用を開始する90日前までに関連規則に基づいた通知(SNUN)が必要とされる。
化学物質のリスク評価制度に基づく個別の規制
■ 第6条(§2605)に基づき、EPAが化学物質または混合物の製造、加工、商業流通、使用、廃棄、またはそのような活動の組み合わせが、人の健康や環境へ不当なリスクをもたらすと判断した場合には、規制を定める規則の検討を行う。
既存化学物質の管理制度
■ 第8条(§2607)に基づく記録保持・報告要件は、インベントリー制度としても知られている。EPAが化学物質についての情報をインベントリーとして管理するために、事業者には情報の提出や更新が求められている。
輸出入規制
■ 輸出(§2611)や輸入(§2612)についても規制が敷かれているが、特に注目されるのは、輸入時における「TSCA証明」である。詳細は規則で規定されているが、輸入化学物質が TSCA に準拠していることを証明する方法(positive certification)と、TSCAの適用外であることを証明する方法(negative certification)が存在する。
複合木材製品規制
■ 米国内で販売、供給、販売促進、製造、輸入される複合木材製品は、TSCA Title VI適合と表示されなければならない。これらの製品には、広葉樹合板、中密度繊維板、パーティクルボード、およびこれらの製品を含む家庭用品やその他の完成品(finished goods)が含まれる。自主的合意基準、第三者認証制度など要件遵守保証のための制度が導入されている。
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