2024年10月21日、台湾地区の環境部(EPA)は、「管理対象毒性化学物質及びその取扱管理事項(以下、管理事項)」に関する改正案を公表し、パブリックコメント募集を開始しました。管理事項は「毒性及び懸念化学物質管理法(TCCSCA)」の下位規則です。意見募集期間は30日間です。
改正案主な内容は以下となります:
ノニルフェノールおよびノニルフェノールポリエチレングリコールエーテル
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EU REACHおよび米国TSCAに基づき、ノニルフェノールに12のCAS番号、ノニルフェノールポリエチレングリコールエーテルに28のCAS番号を追加。
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EU REACHの制限リスト(附属書XVII)のエントリー46と同調し、規制濃度基準を5%から0.01%に強化。
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毒性分類の更新とともに、禁止取扱および許容用途の見直し。
PFOS塩およびPFOS関連化合物
5種類のPFOS塩および関連化合物が新たにリストに追加されます:
化学名 | CAS番号 |
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ペルフルオロオクタンスルホン酸カリウム (Potassium perfluorooctane sulfonate) | 2795-39-3 |
ペルフルオロオクタンスルホン酸アンモニウム (Ammonium perfluorooctane sulfonate) | 29081-56-9 |
ペルフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミン (Diethanolammonium perfluorooctane sulfonate) | 70225-14-8 |
ペルフルオロオクタンスルホン酸四エチルアンモニウム (Tetraethylammonium perfluorooctane sulfonate) | 56773-42-3 |
ペルフルオロオクタンスルホン酸ジデシルジメチルアンモニウム (Didecyldimethylammonium perfluorooctane sulfonate) | 251099-16-8 |
これらの物質は、以下の用途に限り使用が認められます:
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研究、試験、および教育目的
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閉鎖系での硬質金属メッキ
PFOS、ペルフルオロオクタンスルホン酸リチウム塩(CAS: 29457-72-5)、またはペルフルオロオクタンスルホニルフルオリド(CAS: 307-35-7)を意図的に添加せず、総濃度が10 mg/kg以下の混合物については規制対象外とされます。
PFOA塩およびPFOA関連化合物
管理事項の付録1の表3には、新たにPFOA、PFOA塩、および関連化合物に分類される353種類の化学物質が追加されました。これらの化学物質は、英語名、CAS番号、構造式と共に記載されています。また、PFOAが意図的に添加されていない場合、濃度が0.025 mg/kgを超えない混合物は規制の対象外です。
これらの物質は以下の用途でのみ使用可能です:
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研究、試験、および教育目的
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半導体のフォトリソグラフィおよびエッチングプロセス
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写真フィルムコーティングの製造
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労働用撥油・撥水繊維の生産
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工業用熱交換器および工業用密封剂のためのPTFEおよびPVDFの製造
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高圧電線およびケーブル用のFEPの製造
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自動車内装向けのリング、三角ベルト、プラスチック部品の製造
移行措置
対象となる物質を取り扱ってきた企業には、以下の要件を遵守するための移行期間が与えられます:
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ライセンス取得および登録
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事前承認の取得
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取り扱い数量の記録
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緊急対応計画
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ラベルおよび安全データシート(SDS)の準備
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担当者の指定と教育
この規制強化は、台湾のPFAS類化合物に対する管理をより厳格にし、環境および人体への影響を最小限に抑えるための重要なステップです。
転載元
REACH24Hコンサルティンググループ
■ 転載元:REACH24Hコンサルティンググループ (URL: https://reach24h.com/jp/)