CBP、医薬品の貿易関係者に対し輸出入書類に誤った価値記載する違反について注意喚起
2025年05月22日、米国税関・国境警備局(CBP)は、米国保健福祉省が処方薬の価格目標を公表したことを受けて、貿易関係者に注意を呼びかけました。大統領令「最恵国待遇の処方薬価格を米国人患者に提供する」に基づいた米国保健福祉省「最恵国待遇」のための医薬品価格設定要件の導入開始を踏まえて、貿易関係者に医薬品価格を正確に報告することを喚起しています。
CBPでは、医薬品の貿易関係者が提出する輸出入書類に誤った価値を申告することは貿易脱税とみなし、違反としています。米国において医薬品の輸出入に関わる事業体は注意が必要です。
大統領令「最恵国待遇の処方薬価格を米国人患者に提供する」とは
大統領令「最恵国待遇の処方薬価格を米国人患者に提供する(DELIVERING MOST-FAVORED-NATION PRESCRIPTION DRUG PRICING TO AMERICAN PATIENTS)」では、世界的な医薬品製造者が、他国では低価格要求を受け入れているのに対し、米国において約3倍の価格を付けていることを問題視しています。このため、米国において医薬品製造者が価格要求を受けいれている最恵国待遇の最低価格を提供していない場合、措置を講じることとしています。
具体的には保健福祉省の長官に対し、①連邦食品・医薬品・化粧品法(FD&C法)§804(j)に記載された輸入に関する要件と矛盾しない範囲で最恵国価格による米国人患者への直接販売を可能にするための調整、規制制定案の提出、②FD&C§804(j)(2)(B) に基づき、低コストの処方薬を輸入する先進国からの処方薬の輸入について、ケースバイケースで免除を認める状況を記載した措置を講じる、ことを命じています。
その他に、③司法長官および連邦取引委員会委員長に対し、医薬品の価格に関する反競争的行為に対して執行措置を講じる、④商務長官などに対し、医薬品または前駆物質の輸出に関する措置を検討する、⑤食品医薬品局長に対し、不適切な価格の医薬品について承認の審査を行うことを、命じています。また、⑥関係機関の長に対し、利用可能なすべての措置を講じることも命じています。
米国保健福祉省の措置
上記大統領令を受け、2025年5月20日、米国保健福祉省(Health and Human Services、HHS)はそのHPで「最恵国価格を目標と設定し、米国患者への世界的なフリーローディング(自由に価格を負担させること、ただ乗りと表現されている)を終わらせる」と題した発表を行いました。米国の薬価が経済協力開発機構(OECD)加盟国の最低価格の3倍から5倍も高い状況を問題視し、ジェネリック医薬品など競合がないすべての市場において、OECD加盟国との価格と比較して最低価格に合わせることを期待するとしています。そして、今後メディケア・メディケイドサービスセンター(Centers for Medicare & Medicaid Services 、CMS)は、医薬品の支払い改革にとどまらず、医療ケアが提供する優遇措置を再編成することを始めるとしています。
CBPの措置
上記大統領令とHHSの発表を受け、2025年05月22日、米国税関・国境警備局(Custom and Burden Protection、CBP)は、医薬品の貿易関係者に、改めて医薬品価格を正確に報告することように注意喚起を行ないました。CBPでは、医薬品の貿易関係者が提出する輸出入書類に誤った価値を申告することは貿易脱税とみなし、違反としています。また、このような違反を見つけた場合は、CBPのe-Allegations Online Trade Violation Reporting Systemを通じて、報告することも進めています。
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