米国|CPSC、住宅用ガス炉・ボイラー由来のCO規制と乳児用・幼児用ロッカー基準の草案公表、ならびに衣料用繊維製品の燃焼性に関する基準改正規則の公布

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米国|CPSC、住宅用ガス炉・ボイラー由来のCO規制と乳児用・幼児用ロッカー基準の草案公表、ならびに衣料用繊維製品の燃焼性に関する基準改正規則の公布

2件の規則案と1件の改正規則

2023年10月、米国消費者製品安全委員会(CPSC)は、住宅用ガス炉・ボイラー由来の一酸化炭素(CO)規制と乳児用・幼児用ロッカー基準の草案を公表し、また、衣料用繊維製品の燃焼性に関する基準を改正する規則についても公布しました。

■ 10月25日:住宅用ガス炉およびボイラーからの危険なレベルの一酸化炭素(CO)発生および漏洩を検知・防止するための規則案公表・意見募集開始
■ 10月26日:乳児用および幼児用ロッカー(ロッカー)の安全基準案公表・意見募集開始
■ 10月25日:衣料用繊維製品の燃焼性に関する基準を改正する規則公布

住宅用ガス炉・ボイラー由来のCO規制案

■ CPSCは、住宅用ガス炉、ボイラー、壁炉、床炉(ガス炉およびボイラー)に関連した負傷や死亡の不当なリスクが存在すると暫定的な判断を下し、規則案を提案して意見の募集を開始した。

■ CPSA(消費者製品安全法)は、不合理な傷害リスクを防止または低減するために合理的に必要な場合、消費者製品の性能要件または表示要件を定めた強制的な消費者製品安全基準を公布する権限を委員会に与えている。

■ 天然ガスまたはプロパンを燃料とする中央炉、ボイラー、壁炉、床炉(ガス炉およびボイラー)は、あらゆる種類の消費者向け住居の暖房に使用されており、これらの製品は、熱交換器の燃焼室内でガスと空気の混合物を燃焼させる。燃料と空気の混合物が燃焼すると、熱が放出され、熱交換器の壁を通して熱交換器を囲む媒体に伝わり、空気ダクト(中央炉の場合)、住居全体の水道管(ボイラーの場合)を通して、または直接周囲の空気に循環して熱を供給する仕組みとなっている。

■ 燃料と空気の混合物を燃焼させると、通常、酸素、二酸化炭素、水蒸気、COからなる燃焼生成物が生成され燃焼生成物は、屋根から垂直に、または横の壁から水平に、排気管を通して屋外に排気される。燃料と空気の混合物が完全に燃焼した場合、生産されるCOの濃度は比較的低く保たれるはずだが、燃焼過程に問題が生じると(燃料と空気の混合が最適でない場合など)、危険なレベルのCOが発生することがある。

■ 燃焼過程で危険なレベルのCOが発生し、そのCOが換気システムを通って居住空間に漏れ出すことが懸念されている。

■ 規則案では、新たな規則のPart 1408「住宅用ガス炉およびボイラーの安全基準」を設けることを提案している。

目次

16 CFR
Part 1408「住宅用ガス炉およびボイラーの安全基準」

1408.1 適用範囲、目的、および発効日
1408.2 定義
1408.3 住宅用ガス炉およびボイラーの性能要件
1408.4 参照による組み込み
1408.5 備蓄の禁止
附表 A—消費者製品安全法に基づく予備的所見

乳児用および幼児用ロッカー(ロッカー)の安全基準案

■ 耐久性のある乳幼児用製品の消費者製品安全基準を設けることが目的。現在、乳児用ロッカーや幼児用ロッカーには、強制的な安全基準はなく、自主基準があるのみ。

■ ロッカーの任意規格であるASTM F3084-14では、製品の分解・倒壊、安定性、高所からの落下に関連する危険性を取り上げており、ハザードの軽減策には、性能要件、警告、説明資料などが含まれている。最新版は2022年5月に発行されたASTM F3084-22となる。

■ 16 CFR Part 1130で「耐久性のある乳幼児製品」と定義された製品はすべて、製品登録要件、およびPart 1107と1109に言及される子供用製品の試験と認証要件に準拠しなければならず、ロッカーは、耐久性のある乳幼児用製品の法定リストには含まれていない。

■ そのため、CPSCは、「乳幼児用および幼児用/幼児用ロッカー」を耐久性乳幼児製品に含めることを提案している。

■ 改正案は、Part 1130の「耐久性のある乳幼児製品」と定義に「乳幼児用および幼児用/幼児用ロッカー」を追加することと、新たに、Part 1240 「乳幼児用および幼児用/幼児用ロッカー安全基準」を設けることが主な内容となっている。以下にはPart 1240について項目を紹介する。

目次

16 CFR
Part 1240 「乳幼児用および幼児用/幼児用ロッカー安全基準」

1240.1 適用範囲
1240.2 乳幼児用ロッカーの要件

衣料用繊維製品の燃焼性に関する基準改正規則

■ 衣料用繊維の燃焼性に係わる安全基準の背景には、1953年可燃性繊維法の「個人が着用すると危険なほど非常に燃えやすい繊維又は着用衣料の輸入、販売のための製造又は商業上の販売を禁止」する規定がある。

■ ここで基準に引っかかる「燃えやすい繊維」とは何か、その判断基準はどういうものかという点が焦点になるが、この点については、CPSCが所管する規則、16 CFR 1610「衣料用繊維の燃焼性基準」にて成文化され、過去、複数回にわたり改正が行われてきた。

■ その内容は、衣料用繊維製品の燃焼性を試験するための試験装置、材料、手順が含まれており、衣類に使用される繊維及び繊維製品の燃焼性を試験し評価するための国家規格を特定している。

■ 2016年1月1日から2020年12月31日の間に、米国では衣類の発火に関わる死亡が年間平均81件発生していおり、このうち平均2.2人がナイトウェア、平均78.2人がその他の衣類の発火等を原因とする死亡であったとされている。他方、2000年から2020年にかけて、衣類の火災による死亡者数は全体として減少していると報告されている。

■ 2019年にCPSCは、標準の機器と手順に関する情報、および試験負担を軽減し、明確性を向上させ、現行の業界慣行と技術を反映するためにこれらの規定の更新について、意見募集を行っていた。

■ そこでは、試験結果コードの明確さ、ストップスレッド(stop thread)仕様の利用可能性と明確さ、ドライクリーニング溶剤の制限、および標準の洗濯仕様を満たす機械の利用可能性に関する情報などが要求されていた。今回の改正は、その際に寄せられた意見やその他情報に基づき、標準を更新するものとなっている。

目次(改正箇所)

16 CFR
Part 1610

1610.2 定義
1610.4 繊維分類要件
§1610.5 試験装置・材料
§1610.6 試験手順
§1610.7 試験シークエンス・分類基準
§1610.8 報告結果

参考情報

■ 住宅用ガス炉・ボイラー由来のCO規制案
■ 乳児用および幼児用ロッカー(ロッカー)の安全基準案
■ 衣料用繊維製品の燃焼性に関する基準改正規則

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