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世界各国の法形成過程 法形成過程|南アフリカ

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本ページでは、南アフリカの法形成過程の要点について整理しています。
段階、項目、主体、内容、そして期限があるものについては期限の情報も整理しています。
URLを含む根拠法令や根拠条項の情報は、有償となりますので、関心がある場合には指定のリンクよりお進みください。
※下位法令は代表的な種類のものを取り上げて紹介しています。網羅的な把握についてはお問い合わせください。

【調査・確認時期:2023年下半期】

上位法/法律(Act)

段落 項目 主体 内容 期限 根拠法 根拠条項
1 法案の起草・提出 内閣の一員、副大臣、国会の議員 通常は国民議会(以下、下院)に提出。ただし、全国州評議会(以下、評議会)へは評議会議員が「地方に関係する普通法案」を個人の能力で提出したい場合のみ、評議会議会の議長に提出・許可され、委員会(段階3へ)に提出できる。憲法改正案に関しては、提出する30日前に提出することを官報に掲載し、意見募集を行う。 ご関心がある場合はこちらより
2 第1読会
(reading) 
下院 この段階で法案は簡単に審議され、題名が読み上げられる。その後、さらなる調査と分析のため、該当する委員会に付託される。
3 委員会審査 下院において政府省庁ごとに設置されたポートフォリオ委員会、または評議会において設置された複数の省庁をうけもつ特別委員会。まれに下院と評議会の合同で設置された合同委員会 委員会では、以下のことを順次行う(1)関係省庁、関係議員、寄せられた一般の意見の検討、(2)更なる一般の意見の検討、(3)提出物またはその他の口頭提出物の聴聞と審査、(4)採択か不採択かの意見書を議会に提出。
議題によっては、上下院議員や関係者を含む合同委員会もしくは合同小委員会が開催され審査されることもある。
4 (下院の場合)第2読会、議会審議 主に下院、一部評議会 法案は委員会もしくは合同委員会より本会議に報告され、審議が開始される。この段階でも法案は討議され、条項が精査され、修正も可能である。評議会、下院、共に委員会の報告が戻されてから3会期日以内に採決・否決を判断してはならない。この段階で、採択されるか、改正案を委員会に戻されるかが決定する(補足1)。再度の委員会で賛成されない場合、調停委員会が開催される場合もある。
5 採決 最初は主に下院、一部評議会 下院の場合、会議場の75%以上の議員の賛成票によって採決される。この段階で承認された国家予算関連法案以外の法案は、もう一方の立法議会に送られ、同様の手続きが行われる。評議会の場合、9つある州のうち5つ (憲法改正の場合は6つ)の州の賛成票によって採決される。
6 調停 調停委員会もしくは合同調停委員会 憲法改正または州・地方に関係する法案において、両院が異なる内容の法案を可決した場合、議会単独もしくは合同調停委員会が招集され、両方の内容の相違を調整される。合意に達しなかった場合、憲法改正は否決、法案改正は下院に再提出される。 30日以内
7 大統領同意署名・差し戻し 大統領 大統領は法案に署名するか、法案を議会に差し戻すことができる。
8 公布 政府官報 大統領が同意し署名した法案は国会法となり、速やかに公布されなければならず、公布された時または法律の条項で定められた日に発効する。

補足:
■ 憲法では、法案を「憲法改正法案憲法」「州・地方に影響を与えない普通法案」「州・地方に関係する普通法案」「国家予算関連法案」に分かれて規定されている。これら法案は議会の第二読会で拒否または改正された場合に次にどの委員会や院で再討議・決断されるかが異なる。
■ 規則は、議会法(一次法または親法とも呼ばれるParental Act)の権限に基づいて制定される従属法となり、親法でその改正方法が規定されている。そのため重要な改正は国会・委員会を通されるが、細かい行政に関する改正は下位法として内閣に承認され過程を取る。
■ 南アフリカ議会は全国州評議会(National Council of Provinces, NCOP、評議会と記載)と国民議会(National Assembly、下院)で構成される二院制議会である。全国州評議会は州を代表し、国政において州の利益が考慮されるようにすることを任務とし、54名の常任議員(州議会による間接選挙)と36名の特別議員(州政府の閣僚が兼任する)で構成されている。国民議会は全国選挙区から選ばれた議員と州選挙区から選ばれた議員がそれぞれ200名、計400名で構成されている。南アフリカ憲法に基づき、立法権がこの二院に与えられている。

下位法令/規則(Regulation)の一部、宣言(Proclamations)

段落 項目 主体 内容 期限 根拠法 根拠条項
1 策定・意見募集 大統領もしくは政府省庁、(意見募集が行われた場合) 利害関係者、専門家、一般市民 それぞれの親法に基づき(補足1)、行政を行うための規則、命令や方針を策定する。大統領からの立案、もしくは政府からの立案であるGreen Paperは提案された規則の内容、回答、一般意見の募集期限が公表される。 ご関心がある場合はこちらより
2 精査 議会 (親法に基づいて議会より、規制案を議会に提出し、精査を受けることが求められた場合)議会は上位法として扱う。
3 承認 内閣 (大統領、副大統領、閣僚で構成されている) (改正が軽微で議会より精査が求められなかった場合)規制案が政府の方針と合致し、親令と整合していることが確認される。
4 公布・公表 官報 大統領による宣言や規則などの下位法は文書にして官報などで一般に公開されなければならない。省庁のウェブサイトでも公表される場合もある。通常発効日も記載される。

補足:
■ 大統領による宣言 (Proclamations)や規則などの下位法の立案は、策定段階と公布段階で文書にして官報などで一般に公開されなければならないとしています。関連省庁による立案に関しては、南アフリカには行政のみを扱った法がないため、それぞれの親法によって立案が認められていると思われる。
■ 南アフリカでは、大統領もしくは省庁から、次のような項目の命令、指令書なども官報または各省庁のウェブサイトにより発行されている。
・Presidential Executive Orders大統領令
大統領が憲法上または法律上の権限の実施または執行において、各省庁へ公布されるもの。
・Ministerial Orders大臣命令
大臣が憲法上または法律上の権限の実施または執行において、各省庁へ公布されるもの。
・その他
 大統領からは政府のポリシーを示すホワイトペーパー(White Paper)、各省庁からはガイドライン、指示(direction)、お知らせ(notice)、声明(Speeches)など。
ただし、法的な拘束力があるかなどは、憲法・規則等で確認できない。
■ 南アフリカには9つの州があり、それぞれに州政府と州法をもつことが憲法により保障されている。その過程はここには含まれていない。

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