EU|欧州委員会、2025年01月01日から適用される複合分類表(CN)の最新版を発表

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EU|欧州委員会、2025年01月01日から適用される複合分類表(CN)の最新版を発表

貨物の申告の基礎

2024年10月31日、欧州委員会は、2025年01月01日から適用される複合分類表(Combined Nomenclature, CN)の最新版を公表しました。対応する更新規則も公布されています。

CNは、(a)輸入・輸出時、または(b)域内貿易統計の対象となる貨物の申告の基礎となるもので、これにより、どの関税率が適用されるか、また統計上どのように扱われるかが決まります。

この分類は、規則(EEC) No 2658/87によって整備され、規則は毎年更新されています。

複合分類表の必要性

複合分類表の制定、更新の必要性は以下の通りとなります。

  • 立法の簡素化のため、CNを近代化し、その構造を適合させることが適切である。
  • 情報技術製品の貿易拡大に関する宣言という形で協定が結ばれている製品の関税率の段階的引き下げを実施するために、CNを改正することが必要であり、理事会決定で要求されている。
  • 欧州委員会実施規則(EU)2022/859で言及されている製品のCNコードを導入するため、CNを修正する必要がある。
  • 統計、商業政策、技術的・商業的発展に関する要求の変化を考慮し、特定の商品(桃及びネクタリン、米、重要原料、化学、アルミニウムのスラブ及びビレット、等)のモニタリングを容易にするための新しい小見出しを導入し、CNを改定することも必要とされている。
  • 規則(EEC)No 2658/87の附属書Iの第3部附属書3の医薬品の非専売名リスト、及び同規則の附属書Iの第3部附属書6の医薬中間体リスト中のいくつかの物質の分類を修正する必要がある、等。

医薬中間体:医薬品製造の出発点となる原料から原体が生み出されるまでの合成過程における物質を指します。

複合分類表における商品の分類

複合分類表における商品の分類は、以下の原則に従っています。

1. 法律上、分類は、見出し及び関連する節または章の注の条件に従って決定されるものとし、当該見出しまたは注に別段の定めがない限り、次の規定に従って決定されるものとする。

2.

(a) 見出しにある商品への記載は、不完全または未完成の商品への記載を含むものとする。但し、提示された時点で、不完全または未完成の商品が完成品の本質的性質を有している場合に限る。また、組立前または分解された状態で提示された完成品(または本規定により完成品として分類されることになる商品)についての記載も含まれるものとする。

(b) 見出しにある材料または物質への記載は、その材料または物質と他の材料または物質との混合物、または組み合わせへの記載を含むものと見なされる。ある材料または物質からなる商品への記載は、その材料または物質の全部、または一部からなる商品への言及を含むと見なされる。複数の材料または物質からなる商品の分類は、規則3 の原則に従うものとする。

3. 規則 2(b)の適用またはその他の理由により、商品が 2個以上の見出しの下に一応分類可能である場合、分類は以下のように行われるものとする。

(a) 最も具体的な記述を提供する見出しを、より一般的な記述を提供する見出しよりも優先させるものとする。但し、2個以上の見出しがそれぞれ、混合物または複合物に含まれる材料または物質の一部のみ、または小売販売のために設置されたセットの品目の一部のみを示す場合、これらの見出しは、一方の見出しがその商品について、より完全または正確な記述を与えていても、これらの商品との関係では等しく具体的であると見なされる。

(b) 3(a)を参照して分類できない混合物、異なる材料からなる、または異なる構成要素からなる複合商品及び小売販売のためにセットにされた商品は、この基準が適用される限り、それらの商品に本質的な特徴を与える材料または構成要素からなるものとして分類されるものとする。

(c) 3(a)、または(b)を参照して商品を分類することができない場合、その商品は、同様に考慮すべきものの中で番号順、かつ最後に現れる見出しの下に分類されるものとする。

4. 上記の規則に従って分類することができない商品は、その商品が最も類似している商品に適した見出しの下に分類されるものとする。

5. 前記の規定に加えて、次の規定が言及された商品に関して適用される。

(a) カメラケース、楽器ケース、銃ケース、製図器ケース、ネックレスケース及びこれらに類する容器で、特定の商品または商品の組を入れるために特別に形づくられまたは取り付けられ、長期間の使用に適し、その目的とする商品とともに提示されるものは、これとともに通常販売される種類の場合には、当該商品とともに区分される。但し、全体に本質的な特徴を与えるような容器には適用されない。 

(b) 規則5(a)の規定に従い、その中に商品とともに提示される梱包材及び梱包容器は、当該商品の梱包に通常用いられる種類のものであれば、当該商品とともに分類されるものとする。但し、この規定は 当該包装材または包装容器が明らかに反復使用に適している場合は、この限りでない。

6. 法律上、見出しの小見出しにおける商品の分類は、それらの小見出し及び関連する小見出しの注記の条件に従い、また、上記の規則を準用し、同じレベルの小見出しのみが比較可能であると理解して決定するものとする。この規則の目的上、文脈上他に必要とされない限り、関連する節及び章の注釈もまた適用される。

 

適用に関する規則及び適用例

複合分類表の適用の考え方及び適用例について以下に示します。

1. 関税及び貿易に関する一般協定の締約国、またはEUが最恵国関税条項を含む協定を締結している国を原産地とする輸入品に適用される関税は慣行関税とする。文脈上別段の定めがない限り、これらの慣例的関税は、上記以外の第三国から輸入される商品に適用される。

2. 第1項は、特定の国を原産地とする商品について特別な自主関税が定められている場合、または協定に基づき特恵関税が適用される場合には、適用されないものとする。

3. 第1項及び第2項は、加盟国が、共通関税率以外の関税を適用することがEUの法令により正当化される場合に、当該関税を適用することを妨げるものではない。

4. 百分率で表示される関税は、従価税である。

5. 記号「EA」は、当該商品が附属書1に従って定められた「農業用部品」が課されることを示す。

6. 記号「AD S/Z」または「AD F/M」は,最高税率が従価税と特定の砂糖または小麦粉に対する追加関税から構成されることを示す。この追加関税は、附属書 1 の規定に従って定められる。

7. 例として、「€ /% vol/hl」という記号は、1ヘクト・リットル当たりのアルコールのパーセンテージ容積に対して、ユーロで表示された特定の関税が計算されることを意味する。したがって、体積アルコール含量が40%の飲料は以下のように課される。

€ 1/% vol/hl=1ユーロ×40で1ヘクト・リットル当たり40ユーロ、

€ 1/% vol/hl + € 5/hl’ =1ユーロ×40+5ユーロ

であり、1ヘクト・リットル当たり45ユーロの関税となる。

例えば、「€1,6/% vol/hl MIN € 9/hl」のように最小値(MIN)が示されている場合、上記の規則に基づいて計算された関税と、「€ 9/hl」のように最小の関税を比較し、高い方を適用することを意味する。

参考情報

(EU) 2024/2522

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